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律「澪、大事な話があるんだ・・・」

  1. 名前: 管理人 2011/01/24(月) 17:29:11
    1 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 00:15:14.57
    そう言ったかと思うと、私の幼馴染―田井中律―は私の目の前に座り込んだ。

    律「・・・」

    真剣な表情を崩さず私と向き合っていた律は、そのまま自信無さげに俯いてしまう。

    律「えっと・・・その・・・」

    普段はふざけていることの多い、律。
    人前でも平気で『愛してる』だとか『大好きだ』なんてことを言って私をからかう。

    けれどそんな彼女も、本当に大切なことを言う時は、こうやって自信を失って俯き加減になってしまう。
    きっと私だけが知っている、彼女の弱い姿。
    私だけが知っているという優越感に浸りながら、私は思い出す。

    四年前にも見た、今と同じ彼女の表情を。
    私の人生で最良の日といえる、あの日の出来事を―


    2 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 00:18:59.82
    ―――――――――――――――――――――――――

    律「あー!やっとセンター終わったな!」

    澪「そうだな。・・・無事、皆で合格できるといいけどな」

    律「だなー。まぁ、澪とムギは安泰だろうさ。私と唯はちょっと危ないかもしれないけど・・・」

    笑いながら、律は言う。

    律「もしものことがあったら、一年間寂しがらずに私のこと待ってろよな!澪は寂しがりだから心配だ!」

    冗談で言ってるのはわかるけど、そんなこと冗談でも言って欲しくない。

    澪「・・・受からないの前提みたいに、言うなよ。私、そんなの絶対に嫌だからな」

    目も合わせずに、私は言い放った。
    口調も自然と、刺々しくなってしまう。
    普段は律の軽口を淡々と受け流す私だけど、
    今回は内容が内容だけにそういう気持ちになれなかった。

    3 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 00:24:03.04
    律「澪・・・」

    律が、驚いたような悲しそうな表情でこっちを見ている。
    私のせいだ。

    自分がずるいのはわかっている。
    自分が臆病で、今まで勝手に気持ちを伝えないできたんだ。
    自分でこの気持ちは伝えないでおこうって、決めたんだ。

    でも、自分が勝手すぎるのはわかっていても、悲しくなってしまう。

    小学生の時に、作文を読むのが嫌で困っていた私を助けてくれた律。
    中学生の時に、私に音楽を薦めてくれた律。
    高校生になって、私を必要としてくれた律。
    思えば、唯やムギ、梓、和といった大切な友人達に出会えたのも、全部私を軽音部に必要としてくれた律のおかげだ。

    4 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 00:28:12.55
    いつも私の側に居てくれる、
    いつも臆病な私の手を引っ張ってくれる、
    私の大切な人。
    一人ぼっちの私の世界を優しく照らしてくれた、私の太陽。

    考えてみればみる程、私には律を好きになる理由がありすぎる。
    いつも私の側には律が居てくれて、私を明るく照らしていてくれた。
    だからこそ、思ってしまう。

    律にとっては、私と一緒に居ることなんてその程度のことなのか?
    本当に一緒に大学に入れなかったとしても、笑顔で済ませちゃうのか?
    私が律のことを大事に思ってるだけで、律にとっては私なんて偶々付き合いの長い幼馴染ってだけなのか?

    こんなこと、私が言っちゃいけない。
    今まで勝手に黙っておいて、たった今それで律を困らせているのに。
    これ以上、更に律を困らせることなんて、できる訳がない。

    でも、でも・・・律。

    5 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 00:32:17.59
    私の頭の中は、悲しみと自己嫌悪でぐちゃぐちゃで、今にも泣き出してしまいそうになっていた。

    律「澪」

    そう言いながら、彼女の腕がそっと私を包み込んだ。

    律「ごめん、勝手なこと言っちゃって」

    何で、何で律が謝るんだよ。
    私が、私が我侭言っちゃっただけだよ。
    律が謝ることなんてないよ。

    律「私だって、本当はそんなの嫌だ。澪と一緒じゃなきゃ、嫌だよ」

    律が私に、優しく囁いてくれた。
    その瞬間―

    6 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 00:37:11.15
    澪「・・・う、うぅっ・・・ぅ・・・ひっく」グスッ

    律の優しさに、私は涙を堪えきれなくなった。

    律「ごめんな、澪。澪の気持ちも考えないで、無神経なこと言っちゃって」

    澪「や、だ・・・やだよ・・・私、律と一緒じゃなきゃ、絶対・・・嫌なんだからな・・・」ポロポロ

    そう言うと私も律の腰に手を回し、しっかりと抱きしめ返した。

    律「うん、私も嫌だ。今までもずっと一緒だった澪と離れるなんて、絶対に考えられない」

    澪「ひっく・・・ぅ・・・うぅ」





    7 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 00:42:05.87
    律「落ち着いてくれて良かったよ」

    澪「律、本当にごめんな・・・」

    しばらく泣いて落ち着いた後、律は私の手を引いて家まで戻ってくれた。
    私の気持ちを察してくれてか、律はすぐに帰ろうとせず私の側に居てくれた。

    律「礼なんていらないよ、私と澪の仲じゃん」

    律の手の温かさが、律の心優しさが、本当に嬉しかった。

    律「けど、もうすぐ大学生かぁ・・・。何か、実感湧かないな」

    澪「そうだな・・・」

    律「もうすぐ、一人暮らしにもなるんだよなー」

    澪「パパやママとも、離れることになっちゃうな」

    8 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 00:45:40.96
    律「うん・・・そういえば澪、新居はもう決まったの?」

    澪「あ、いや・・・私はまだなんだ。パパとママにも、試験終わって落ち着いてからにしようって言われてて・・・」

    それに、できるだけ律の家の近くにしたい。
    今までにこの距離感で慣れてしまっているから、
    律のところに簡単に行き来できない距離なんて私には考えられない。

    律「そっかぁ・・・」

    そう言うと、律は黙り込んで俯いてしまった。
    私と律が二人で居て、会話がないなんてことは珍しいことじゃない。

    9 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 00:50:14.48
    私達の場合は二人で一緒の空間に居ること、それ自体にきっと意味があるから、なんて思ってる。
    律がお気に入りのCDを聞いていて、私は小説を読みふける。
    何時間も、会話もなく。
    それでも私は、律が側に居てくれるだけで安堵するから一緒に居る。
    そういうことは、今まで何度もあった。

    けど、今日の沈黙はそういった心地良い沈黙じゃなかった。

    俯いている律の表情は窺い知れないけど、私と律が積み重ねてきた時間が教えてくれる。

    律は今、すごく緊張している。
    何かすごく、大事なことを言おうとしているんだって。

    律「・・・澪」

    沈黙の後に律は顔を上げて、私の名前を呼んだ。

    10 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 00:53:13.79
    澪「・・・何?」

    律「私と、一緒に・・・暮らさないか?」

    澪「え?」

    それ、って・・・。

    律「あ、い、いや、そのさ・・・私達ってずっと幼馴染だし親も家賃半分で済むとか言って賛成してくれそうだしさ!」

    律「そ、それに家事も二人で分担すれば少しは楽だろ!」

    澪「あ、うん、そうだよな・・・」

    私は何を勝手に期待しているんだろう。
    そうだよ、私達は幼馴染。
    互いの親も認めてるくらい大切な、親友同士じゃないか。

    ・・・それで充分だって、それ以上を求めちゃいけないって、決めたじゃないか。

    11 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 00:57:25.66
    律「澪、ごめん。私のせいで」

    まただ。
    何で、何で謝るんだよ。
    律は何も、悪いことなんてしてないだろ。

    律「いつもこんな調子で、ふざけてばっかりで。でも、今はそれじゃ駄目だよな。だから、ちゃんと言うよ」

    律の真剣な表情。
    あぁ、相変わらずかっこいいな、律。
    私は自分の頬が熱くなるのを感じていた。

    そんなことを考えていたら、律が顔を真っ赤にして俯いた。
    そして、口を開いた。

    12 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 01:04:03.62
    律「私、な・・・その、澪のこと・・・好き、だ///」

    澪「・・・え?・・・え、え?」

    い、ま・・・何て、言った?

    律「だから、本当は家賃とか、家事とか、どうでもいいんだ」

    律「その、澪と・・・一緒に、居たいから・・・。だから私と・・・一緒に暮らして、欲しい」

    澪「今の・・・本当?」

    律「うん・・・女同士で変かもしれないけど、本気。澪のこと、大好きなんだ。愛してるんだ」

    あぁ、そっか・・・。
    律も、私と同じ気持ちだったんだ・・・。

    13 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 01:08:06.17
    律「まだ合格した訳じゃないし、気が早いかもしれないけど・・・どうしても今日のうちに言いたかったんだ」

    律「だって今日は、私の一番大切な人の誕生日だから」

    ありがとう、律。
    律のおかげで、今年は最高の誕生日だよ。

    律「改めて誕生日おめでとう、澪。そして、私と付き合って、一緒に暮らして下さい」

    1月15日。
    私の18回目の誕生日。
    今日は、私の人生最良の日だ。

    澪「・・・はい、私で良ければ、喜んで」

    そう言って私は律の胸に飛び込んで、初めてのキスをした。

    ―――――――――――――――――――――――――

    14 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 01:12:47.81
    この過疎っぷり…。
    誰も見てない、んですかね…。


    17 名前:>>15 ありがとうございます、やる気出ました[] 投稿日:2011/01/15(土) 01:16:37.56
    あれから、もう四年か・・・。

    私と律は無事に揃って合格し、こうやって一緒に暮らしている。
    皆にこのことを伝える時は、すごく恥ずかしかったなぁ。
    (ムギはともかく)皆が皆、女同士の恋愛なんて好意的に受け止めてくれるかもわからなかったし。

    でも律が、
    『隠し通せることでもないし、早く言っちゃおうよ。大丈夫だよ』
    って言って半ば強引に言っちゃったんだよな。

    まぁ、結局皆も祝福してくれたしな。

    18 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 01:20:08.71
    唯『おめでとー、やっぱり二人はラブラブですなぁ~』

    和『え?貴女達ってとっくに付き合ってるんじゃなかったの?』

    憂『おめでとうございます、とってもお似合いですよ』

    紬『キース!キース!早く、早くキスしなさい!ほら、二人の愛の証を見せつけて!ほら早くぅぅぅ!』ボタボタボタ

    梓『おめでとうございます、いきなり同棲ですか。・・・まぁ、いつもいちゃついてるお二人らしいとは思いま砂吐いちゃう』ザー

    うん?今思うと、これ祝ってるって言っていいのかな?
    まぁ、どっちでもいいか。

    19 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 01:24:03.22
    律「・・・」

    律は、まだ俯いている。
    それもそうだよな。

    今から律が言おうとしてることは、これからの長い人生に関わることだもんな。
    大学行ったら同棲しようなんてレベルの話じゃないもんな。

    澪「律」

    律「! な、何!?」

    律が慌てて顔を上げる。

    あの時も、いつだって、律の方からだったよな。
    だから今回は、私から言うんだ。

    20 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 01:27:33.95
    澪「私も、話したいことがあるんだ。だから私から、先に話していい?」

    律「えっ・・・。あ、あぁ・・・うん」

    澪「もう、大学生活も終わっちゃうな」

    律「・・・うん」

    澪「私達が、こうして一緒に暮らしてる理由も無くなっちゃうな」

    律「・・・うん」

    澪「でも、私はさ。もしパパとママに反対されたとしても、周りから白い目で見られても、律と一緒に居たい」

    律「え・・・?」

    澪「これから先も、ずっと、一生。・・・だからさ、律」

    21 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 01:30:00.56
    澪「女同士だから子供もできないし、周りからは奇異の目で見られて蔑まれる。それでもいいなら・・・」

    澪「籍が変わる訳でも何でもない、周りから見たら何の意味もない・・・本人達だけの自己満足だけど、それでもいいなら」

    澪「結婚しよう、律。私と一緒に不幸になって、それでも世界一幸せになってやろうよ」

    律「・・・み、お」ポロポロ

    堰を切ったように、律の目から止めどなく涙が溢れる。

    澪「嫌だった?」

    律「馬鹿、言うなよ・・・。嫌なわけ、ないだろ・・・」グスッ



    22 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 01:33:02.12
    澪「良かった。断られたら、どうしようかと思ってた」

    律「白々しい・・・。断られるなんて、少しも思ってなかった癖に・・・」グスッ

    澪「ばれたか」ニコッ

    律「あぁーもう、私が言おうと思ってたのに。澪、私が何言おうとしてたかわかってたのか?」

    澪「そりゃあ初めて会った時から、10年以上もずっと好きだった人のことだ。わかっちゃうに決まってるじゃないか」

    律「・・・お前、恥ずかしいこと平気で言えるようになったよな」

    律「それに・・・強くなったよ、澪は。もう私なんて居なくても全然大丈夫だよなって、思っちゃうよ」

    律「だから今回も、言うのに戸惑っちゃってさ・・・」

    23 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 01:37:56.88
    澪「律、変な勘違いするなよ?」

    律「え?何が?」

    澪「私は臆病なままで、ずっと変わってない。・・・いや、むしろ前より臆病になったかもしれないって思ってるよ」

    律「そんなことないだろ・・・今だって私が言えなかったのに、あっさり言ってくれちゃったじゃん」

    澪「じゃあ聞くけど、私がこの世で一番怖いことって何か知ってる?」

    律「え?えぇ・・・?お、お化け?とか?」

    澪「はーずれっ。何だ、ひどいな。私は律のことわかってるのに、律は私のことわからないのか」

    律「い、いや!そんなことない!私が世界で一番愛してる、私のお嫁さんのことだ!絶対わかる!」

    気が早い、立ち直りの早いやつだ。
    さっきまで言えなかった癖に、泣いてた癖に、もういつもの律に戻ってる。

    24 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 01:43:13.29
    澪「ぶっぶー、時間切れだ」

    律「うわぁ!澪、時間早すぎだって!」

    澪「ふふ・・・正解は、律に嫌われたり、律と一緒に居られなくなることだよ」

    律「あ・・・///」

    澪「律と一緒に居られなくなることをちょっと考えるだけで、私は涙が止まらなくなっちゃうよ」

    澪「だから臆病者の私は、絶対にそうならないようにするためだったら何でもするよ」

    律「・・・ずりー、澪ずりー。そんなこと言われたら、私何も言えないじゃん・・・///」

    澪「何か、いつもとは真逆だな」クスッ

    25 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 01:49:33.17
    そう言って、私は笑う。
    本当にいつもとは真逆だ。

    いつもは律が何かを言って、私が泣いたり、照れたり、驚いてばかりなのにな。

    しかし、こうやって照れて真っ赤になってる律って可愛いことこの上ない。
    律もいつも、赤面してる私を見てそういう風に思ってくれてるのかな?
    ・・・だったら、すごく嬉しいな。

    律「・・・でも、このままやられっぱなしのりっちゃんじゃないぜー?」

    そう言って、律が自信ありげに笑う。

    澪「へぇ、私に言いたいこと先に言われて、泣いて赤面する律は一体何をやってくれるのかな?」

    律「だああぁぁ!やめろ!恥ずかしいからそういうこと言うな!」

    澪「お前がいつも私にやってることだよーだ」

    26 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 01:54:54.54
    律「ふん、待ってろよ。今に吠え面かかせてやる」

    そう言うと、律は上着のポケットに手を入れて何かを取り出した。

    律「私ら学生だし、安物で悪いんだけどさ」

    そして取り出した何かの、蓋を開ける。

    律「澪に隠れてバイトしたり貯金使ったりして、買ったんだ。えぇっと、婚約・・・指輪?」

    澪「・・・は?」

    律「いやー、就職活動って言って出かけて実はバイトしてたとか、色々頑張ってだな?」

    律「・・・だってさ、どうしても、やっぱりこの日にしたかったじゃん。四年前と同じ、この日にさ」

    27 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 01:59:38.46
    やっぱり、そうだよな。
    今日律が何を言おうとしてたかわかった理由の一つも、それだ。
    律は大雑把に見えて実は結構細かいやつだ。
    二人にとっての記念日なんかも、絶対に忘れない。

    それが、私達が付き合い始めた日で。
    更に、私の誕生日であれば尚更忘れようもない筈だ。

    律「誕生日おめでとう、澪」

    律「そして私からも改めて言うけど・・・女同士とかどうでもいいから、澪じゃなきゃ駄目だから、私と結婚してくれ」

    澪「ばかぁ、ばか律・・・っ」ウルウル

    あぁーもう、結局律の言う通りだよ。
    私は律に泣かされるようになってるのかな。

    28 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 02:04:33.12
    澪「お前、私以上に家事とかもしてて・・・就職活動だって忙しかったのに、何やってるんだよ・・・」ポロポロ

    昔よりは素直になった私だけど、結局律に泣かされてしまったのも手伝って素直じゃないことを言ってしまう。

    律「えーっと、ごめん。でも自分のためにバイトしたんだから、別にそんなこと言わなくたっていいじゃんか」

    澪「自分のためって・・・」グスッ

    律「今度は私が聞くけど、私にとって一番嬉しいことって何か知ってる?」

    そういうことか、わかっちゃったよ。
    でもこれは自分で言うの、すっごい恥ずかしいぞ?

    律「どした澪、顔真っ赤だぞー?答えわからないのかー?」

    あぁもう、悔しい。
    結局、本当にいつも通りになっちゃうんだよな・・・。

    29 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 02:08:50.75
    澪「わ、私が喜ぶこと・・・だろ?///」

    律「その通りー♪」

    律には適わないよ。
    きっと、惚れた弱みなんだろうな。

    律「・・・はい、これでおっけー」

    私の左手の薬指に、律が指輪を通す。

    澪「ありがとう。・・・最高の、誕生日プレゼントだよ」

    自分の左手を見ながら、そう言う。

    律「何言ってんだよ、指輪は誕生日プレゼントとは別だろ?」

    澪「え?ま、まさかこれの他にも何か用意してるとかじゃないだろうな!?いくら何でもそれは・・・!」

    30 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 02:11:32.28
    律「いやいや、全然お金のかかってないものだよ。でも正直、今年のメインはそっちで指輪がおまけだぞ?」

    澪「い、一体何なんだ・・・?」

    律「まぁ、もうあげちゃってるんだけどな。確実に、澪がもらって一番嬉しいものを」

    律「・・・私の、人生。ちなみに、返品は受け付けないからな」

    そう言って、律が満面の笑みになる。

    律の言う通り、それは確かに私の一番欲しかったものだ。

    でも―

    澪「それは、おかしいだろ。・・・私の人生だって律にあげたんだから、おあいこじゃないか。こっちだって、返品不可だしな」

    私も満面の笑顔を作って、言い返してやる。

    31 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 02:17:02.22
    律「そっか。それじゃ澪の言う通り、指輪が誕生日プレゼントでいいな」

    そう言いながら律が抱きついてきて、私の胸に顔を埋める。

    律「まぁでも、結局のとこさー」スリスリ

    澪「うん?」ナデナデ

    喋りながら律は私の胸元に、顔を摺り寄せる。
    こういう時の律は、犬みたいだ。
    私だけにしか懐かない、私だけの忠犬。
    だからか、自然に私の手は律の頭を撫でてやる。

    律「一大決心してこういう話になったけど、多分何も変わらないんだよな、私達はさ」

    澪「そうだな、きっと今まで通りだな」

    33 名前:>>32 ありがとうございます、いつも通り律澪です[] 投稿日:2011/01/15(土) 02:22:45.35
    律「多分、どっちかがこういうケジメの話をしなくても結局は一緒に住んでるんだろうし」

    澪「そうじゃないとお互いに困るしな、私なんて多分気が狂うぞ」

    律「それは私もだー」

    澪「まぁ散々同棲してきてるし、元々夫婦みたいなものだよな」

    律「澪、それはちょっと違うぞ?」

    そう言ってから律は顔を上げる。

    澪「え?」

    私も驚いて、律を見ようと視線を下げた。
    今にも触れ合いそうな距離の、私と律の顔。

    34 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 02:25:50.87
    律「私達の夫婦生活は今から始まる訳でも、同棲した頃から始まった訳でもないぞ?」

    澪「じゃ、いつから・・・」

    律「中学ん時、だよ」

    え?何で中学生の時から?
    私と律、付き合い始めたのだって高校卒業寸前じゃないか。

    じゃあ、好きになった時からってこと?
    でもそれだったら、小学生の頃からになるぞ?
    そういう話は、律にも前に教えた筈だし・・・。

    律「わっかんないのー?澪ー」

    律が、意地の悪い笑みを浮かべて言う。

    35 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 02:31:01.28
    澪「むー・・・、わからないよ・・・」

    律「拗ねんなよー、何でか教えてあげるからさ。・・・ほら、昔からよく言うじゃん?」

    律「ドラムとベースは夫婦です、ってさ!」

    何を自信満々の笑顔で、馬鹿なこと言っちゃってるんだか・・・。
    でもまぁ、そんな律が、そんな律の笑顔が―

    澪「大好きだよ」

    私の唇と、律の唇が触れる。

    36 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2011/01/15(土) 02:38:33.82
    とりあえず、一つ言えることはさ?

    澪「私達ってもう既に、世界一幸せな夫婦だよな」

    律「当たり前じゃん、私と澪なんだから!」





    1月15日。
    私の22回目の誕生日。

    この日はまたもや、
    四年前の私の18回目の誕生日以上に―

    私の人生、最良の日となった。

    -fin-

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律「けいおん部裏ビデオ上映会を行う」
梓「明日?まあ、一応暇だけど……」
唯「Rainって不思議だなあ、てね」
  1. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/01/24(月) 17:45:56 URL [ 編集 ]
    よかったb

    どうでもいいけど1000越えおめ
  2. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/01/24(月) 18:58:36 URL [ 編集 ]
    よござんした
  3. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/01/24(月) 23:04:53 URL [ 編集 ]
    律澪の安定感
  4. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/01/24(月) 23:27:16 URL [ 編集 ]
    世界中のみんなが律澪になれば戦争なんか起きないのに
  5. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/01/25(火) 00:09:46 URL [ 編集 ]
    これぞ正義

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