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唯「ヤミ金」
- 名前: 管理人 2011/02/01(火) 22:24:57
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 14:14:49.09
澪「お願いします!あと一回だけジャンプさせてください!」
うしじま「だめだ、もう返済期限はとっくに過ぎてんだ。返せねえんなら覚悟を決めろ。」
澪「そ…そんな…お願いします!あと二週間!いえ、一週間だけでも待ってください!」
うしじま「しつけえぞ、そもそも学生のうちはまともなとこから金借りられねえからウチにきたんだろうが…それだけのリスクも考えなかったのか?」
澪「そ、それは…」
うしじま「そんじゃ明日から例のソープで働いてもらうぞ。お前なら22歳で通じるだろ。」ポン
澪「ああ…(どうして…どうしてこんなことに…)」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 14:42:50.03
ソープランド「烏賊娘」
澪「ああ…今日から…この店で働くんだ…」
澪「これから毎日…男の人たちと何人も…」
澪「っ!…やっぱりいやだあ!まだ…恋も知らないのに…見ず知らずの男の人に体を許すなんて…」グスッ
斎藤「おや、そこにいるのは…」
澪「!斎藤さん!」
斎藤「やはりお嬢様のご学友でしたか。確か秋山様でしたな。こんな所になんの御用で?」
澪「実は…」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 15:00:10.28
斎藤「…なるほど、欲しい楽器があって、それを買うためについヤミ金に手を…」
澪「はい…」
斎藤「まずいことをしましたなあ。あのカウカウファイナンスという会社はヤミ金のなかでも特に悪質と評判ですからな。何もかも奪われて破滅させられた人間の話も後を絶ちません。」
澪「や…やっぱり」ブルブル
斎藤「このことはお嬢様に相談したのですか?」
澪「話せない!話せるわけがない!自分でまいた種だから…ムギに…みんなに心配かけるようなこと…」ポロポロ
斎藤「フム……して、借金の額は?」
澪「最初は…20万だけ借りたけど…学生の私には返せるアテもなくて…いつのまにか…200万にまで膨れ上がっちゃって…」
斎藤「フム、思ったほど大した額ではありませなんだな。よろしい、私が肩代わりして差し上げましょう。」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 15:17:35.12
澪「ええっ!斎藤さんが!?」
斎藤「琴吹家に勤続40年。貯金も貯まる一方で使い道などありません。ここいらで一つ大切なお嬢様のご学友を救って差し上げるのも一興かと。」
澪「そ、そんな…甘えられません!」
斎藤「恰好をつけている場合ではないでしょう。このような店の前で懊悩している以上、選択肢など遠に存在していない状況なのでは?」
澪「そ、それは…」
斎藤「よろしい、では取引といこうではありませんか。それならば負い目もありますまい。」
澪「取引?」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 15:37:50.68
紬「暇?」
斎藤「はい。勤続40年、流石にこの老骨にもこたえまする。それ故お見苦しい姿を晒さぬよう、皆さまにご迷惑をかける前に隠居したく存じます。」
紬「そう…寂しくなるわね。」
斎藤「は…私めも乳飲み子の砌よりお世話させて頂いたお嬢様とは別れがたく存じますが…ですがもう既に決めた事でございますので…」
紬「いつでも遊びに来てね。この家は、あなたの家にも等しいのだから…」
斎藤「ありがとうございます。お嬢様。そのような優しいお言葉をかけていただけるだけで、この斎藤、執事冥利に尽きるというものでございます。」
うしじま「…はい、200万確かに。またカウカウファイナンスを御贔屓に…」
澪「二度と借りません!」
澪「・・・・・・・・・・・・」
澪「…ふう、あとは斎藤さんとの約束を果たさなきゃ…」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 15:51:42.87
しゅうぎょうしき!
律「春休みどうする?」
唯「スキー行こう!スキー!」
紬「あら、いいわね。ちょうどいいロッジも持ってるし…」
唯「さっすがムギちゃん!」
梓「澪先輩も行きますよね?」
澪「え?わ、私はその…春休みはバイト入ってて…さ。」
律「なんだよー、つきあいわりーぞぉー澪ー、バイトなんかふけちゃえふけちゃえ。」
澪「そういうわけにもいかないよ。ムギ、せっかくだけどそういうことだから…」
紬「残念ねえ…」
梓「ところで唯先輩滑れるんですか?」
唯「やったことない!」フンス
さわ子「みんな、合宿には引率が必要じゃなくて?(ゲレンデの恋…うふふ♪)」
律「さわちゃん…」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 16:12:48.23
春休み!
澪「住所は…ここだ。」
澪「うわあ…思った通り立派な邸宅だなあ…」
ピンポーン
斎藤「はい。」
澪「あ、秋山です。」
斎藤「お入りなさい。」
ガチャ
澪「おじゃまします。」
斎藤「いらっしゃい。」
澪「え、えーと、お家の方たちは…」
斎藤「いませんよ。親兄弟はすでになく、若い頃より琴吹家に仕えてきた私には女房子供もおりません。独り身にこのような広い家は持て余すと言ったのですが、旦那様がせめてもの餞別だと…」
澪「はあ…」
斎藤「それに、身の回りの世話をしてくれるメイドなら、今日この通り来てくれましたしね。」
澪「あ、はい!今日から一ヶ月、よろしくお願いします!」
斎藤「そんなに緊張しないでもいいのですよ。秋山さ…おとと、秋山くん。」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 16:27:58.99
澪「はあっ、はあっ、掃除終わりました。」
斎藤「御苦労さま、あとは夕飯時まで休んでていいよ。」
澪「はい。」
部屋
澪「ふう。」ポスッ
澪「なんだかメイドの仕事ってそこまで忙しくないな。朝、昼、晩の食事の用意と片づけ、洗濯、掃除…流石にここは広いからそれは疲れるけど…」
澪「おじさんの一人暮らしだから量も多くないし、このメイド服も…可愛いし///」
澪「もともと斎藤さ…旦那様がしっかりした人だから余計な仕事も増えないし、こんなので200万肩代わりしてもらえたなんて、なんだか申し訳ないくらいだな…」
斎藤「おーい秋山くーん、お買い物に出てくれますかー?」
澪「あ、はーいただいまー!」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 16:42:12.63
カチャカチャ
斎藤「ふう…堪能しました。秋山くん、また腕を上げたね。」
澪「あ、ありがとうございます。」
斎藤「特にこの豚肉の生姜焼きは絶妙だ。」
澪「いえ…ネットで作り方を調べた程度ですし…」
斎藤「御苦労さま。食器を片づけたら今日はもう休んでいいですよ。」
澪「はい………あの、旦那さま。」
斎藤「うん?」
澪「他に何かすることがあったらもっとお申し付けください!私、なんでもしますから!」
斎藤「ふむ…とは言ってもねえ…君はよくやってくれているし、この老体もすでに職を離れた身ですから、手伝ってもらう仕事もないし…」
澪「あ!それじゃあ演奏はどうですか?私、ベースには自信がありますから!」
斎藤「ははは、申し出はうれしいのだけれども、流石にこの老いぼれに今の音楽は刺激が強すぎまして…」
澪「そ、そうですか…」
斎藤「悪いねえ。さ、もうお休みなさい。」
澪「はい、おやすみなさい…」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 17:20:00.11
斎藤「秋山くん、今晩は焼肉とケーキにしましょうか。君も一緒に。」
澪「えっ!いいんですか?」
斎藤「いいんですよ。若いのによく働く君にせめてもの御褒美です。」
澪「そ、そんな…私は旦那様に少しでも恩返ししたくて…」
斎藤「食材を買ってきてくれますか?」
澪「はい!ただいま!」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 17:22:15.37
商店街!
澪「えーと、あとはケーキだけだな。最後に食べたのは春休み前か…みんなはスキーからもう帰ったのかな…」
唯「あ!澪ちゃん!」
澪「唯!みんな!今帰ったのか?」
紬「澪ちゃん、ただいま。」
唯「うん!あのねー、スキーって転んでもマンガみたいに雪玉にならないんだよー!」
梓「だからって何度も試すことないとおもうんですが…」
律「おー?澪、かーわいいカッコしてんじゃん。なになに?バイトってメイド喫茶?」
澪「ち、違う!」
紬「・・・・・・・・・・・・」
さわ子「フフ…もう恋なんてしない…フフ…」
澪「せ、先生どうしたんだ…」
梓「聞かないであげてください…」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 17:24:54.51
出てくる。再開は遅くとも20時~21時。安価したからにはきっちり〆るぜ!
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 20:55:02.69
澪「じゃ、仕事の途中だから…」
律「なーなー、何の仕事だよー、教えろよー。あ!わかった!イメクラだろ!」
澪「そんなわけないだろ!(危ないところだったけど…)」
律「えー、じゃあなんだよー。」
紬「律ちゃん、もういいでしょ。それより先日ベルギーからワッフルを取り寄せたの。良かったら今から家でお茶しない?」
唯「ホント!?いこいこ!律ちゃん!」
律「わかったからそんな引っ張んなよー。」
梓「澪先輩、ほんとに怪しいお仕事じゃないですよね?」
澪「大丈夫だよ。本当に良くしてもらってるから。じゃ、私は仕事に戻るな。」
紬「澪ちゃん、また学校でね。」唯「じゃーねー澪ちゃん。」律「澪ー!セクハラされたら股間蹴れよ!股間!」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 21:15:21.01
ジュージュー
斎藤「ほお、それはそれは…」
澪「斎藤さんのお家で働いてるっていうのも、なんとなく言いだしづらくって…」
斎藤「確かに、複雑な事情がありますからなあ…」
澪「あ、この肉焼けてる。旦那様、もうひとついかがですか?」
斎藤「いえいえ、もう十分。遠慮なくおあがんなさい。」
澪「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…ハム!ハフハフッ!モグッ!」
斎藤「………申し訳ないね…遊びたい盛りに…本来なら、お嬢様たちと一緒に旅行に行きたかっただろうに…」
澪「!ゴクン…いえ!いいえ!私!旦那さまには感謝してもし尽くせない程なんですから!私の方こそむしろ、もっとお役に立てないかって…」
斎藤「…そうですか…それでは、学校生活のことでもお話してください。」
澪「学校生活?」
斎藤「はい。時たま、紬さまからお話をきくことはあったのですが、他の人の目から見た紬さまはどうだったのか。など…」
澪「そ、そんなのおやすい御用です!…えっと、それじゃあ文化祭の時……」
斎藤「…」ニコニコ
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 21:33:48.29
澪「早いもので、この家に来てからもうひと月かあ…明日から新学期か…」
斎藤「秋山くん、いいかな?」
澪「あ、はい。なんでしょう。」
斎藤「君が、いや、君たちの演奏していた曲、ひとつ聞かせてはもらえませんか?」
澪「え!?それはかまいませんけど…」
斎藤「今日で君ともお別れだし、せっかくだからたまには若い人たちの音楽を聴くのも良いかと思ってね。」
澪「はい…それじゃあソロははじめてですけど…聴いてください。『ふわふわ時間』」
澪「君を見てると、いつもハートドキドキ~♪」
___
___
___
___
澪「ふわふわタ~イム♪」
パチパチパチパチ
斎藤「ありがとう。とても良い演奏だったよ。楽しんで歌っていることが良く伝わってきた。」
澪「あ、ありがとうございます///」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 21:53:24.41
澪「それじゃあ…短い間でしたけれど、本当にお世話になりました。」
斎藤「いやいや、こちらこそ。大変よく働いてくれて助かりました。これはほんのお礼です。」
ズシリ
澪「!そんな!いただけません!ただでさえ旦那さまには一生ものの恩があるのに…」
斎藤「いやいや、例の借金分はこのひと月の働きで十二分に返してもらいました。これは先ほどの演奏料ですよ。」
澪「でも…こんなに…」
斎藤「それに、紬さまにも一種、娘のように思う感情がありましたが、君と過ごした1ヶ月間は、まるで娘を持つ父親のような気持ちを楽しませてもらいました…それだけで、200万以上の価値がある…」
澪「そ、そんな…」
澪「(そうだ…私がいなくなったら、旦那様はこの大きなお家に一人きり…)」
澪「旦那さま!」
斎藤「うん?」
澪「私をずっと、ここで働かせてください!せめて、学校から帰ってきてからと、休日だけでも、旦那様のお世話をさせてください!」
斎藤「あ、秋山くん…」
澪「お願いします!」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 21:56:38.49
>>83
そうね…でも、安価は絶対…これもVIPの掟じゃなくて?
昔から、スレタイ詐欺もVIPの華でしょう?
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 22:13:08.15
紬「ダメよ澪ちゃん。」
澪「ムギ!?」
斎藤「お嬢様!なぜここに!?」
紬「あら、この家はお父様から譲り受けたものでしょう?なら、私が知らないはずないじゃない。」
澪「ムギ…」
紬「最初から知っていたわ。正確には、澪ちゃんが身売りをしようと、ソープランドの前で二の足を踏んでいたところからかしら。」
紬「澪ちゃん。どうして斎藤があの場所にいたかわかる?
紬「マネージャーだったの。あの店のね。」
斎藤「………」
紬「実はあのソープも琴吹財閥の物で、ああいった風俗店もすべて斎藤に管理を任せていたってわけ。」
紬「でも、だからこそ間一髪で澪ちゃんを思いとどまらせることができた。もっとも、あの場に斎藤がいなくても私は止めるつもりだったけどね。ちなみに私は本当に偶然通りかかっただけよ♪」
紬「さて、ここからが本題。」クル
紬「斎藤、もう一度お屋敷に戻ってちょうだい。」
斎藤「!!!」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 22:26:14.93
紬「使用人頭のあなたがいないと、やっぱり駄目だわ。若い人だけじゃ、どうにも上手く立ち回れなくて…」
紬「そもそも、私を赤ちゃんの頃から知っているあなたがいないと、不便なことが多すぎるわ。」
斎藤「お嬢様…しかし私は…」
紬「それにね、斎藤。」
斎藤「?」
紬「わたしも、あなたを育ての父親のように思っているのよ」ニコ
斎藤「き、聞いておられたのですか…かないませんな///」
紬「そういうわけで澪ちゃん。この家は引き払うことになったわ。残念ね。」
澪「…仕方ないよ。ご主人様のご主人さまに言われちゃあ…」
紬「そうと決まれば斎藤、車を出して。」
斎藤「早速、お屋敷に戻られるのですか?」
紬「そうじゃないわ。学校に向かって。」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/31(月) 22:39:49.64
けいおんぶ!
斎藤「ここは…」
紬「さ、入って入って。」
ガチャ
律「お、来たな。全部聞いたぞ澪ー!なんであたしらに相談しなかったんだよー!」
唯「そーだよ澪ちゃん!水虫臭いよ!」
梓「虫は要りませんよ唯先輩…まあ、澪先輩らしいですけどね。」
澪「み、みんな…悪い、すまない、ごめんな、許して。」
紬「まあまあ結果オーライということで♪」
唯「それでは澪ちゃんけいおん部復帰&斎藤さん職場復帰おめでとうライブを行いまーす!」
紬「さあさあ澪ちゃんも早く準備して。斎藤、せっかくだから私たちの曲、澪ちゃんのソロだけじゃなく、フルで聞いてって。」
斎藤「お嬢様…」
律「行くぞー!ワンツースリーフォー!」
さわ子「ロマンスグレー…いいわねえ…」
END
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コメントを読む(5) [けいおん!SS]
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- 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/01(火) 22:42:07 URL [ 編集 ]
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- 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/01(火) 23:25:28 URL [ 編集 ]
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- 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/02(水) 00:13:05 URL [ 編集 ]
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ムギと斎藤が絡むと話がぶっ飛ぶよなw
SSなんて大抵そんなもんだけど
- 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/02(水) 00:21:31 URL [ 編集 ]
- 新鮮味もあったし良いと思う
- 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/02(水) 05:33:33 URL [ 編集 ]
- てっきり斉藤が悪役で恩を売っといて後で性的なご奉仕でもさせるのかと
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