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澪「ありがとうを言いたい」

  1. 名前: 管理人 2011/02/11(金) 20:35:54
    1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:07:03.27
    2月13日、部室――

    澪「律にバレンタインのチョコをあげたいんだけど……」

    紬「あげればいいと思うわ」

    梓「私もそう思います」

    澪「えっと、そうしたいんだけど……」

    紬「何か理由があるの?」

    梓「私達で良ければ、相談に乗りますよ」

    澪「律にどうチョコを渡せば良いか分からない」

    紬・梓「……」

    澪「だ、黙らないで欲しいんだけど……」


    3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:09:17.36
    梓「なんといいますか……」

    紬「澪ちゃんは、りっちゃんにチョコを渡したことないの?」

    澪「ない」

    梓「律先輩以外には? 小学生や中学生の時とか」

    澪「あるわけがない。律以外に渡すつもりはなかったから……あと、パパ……じゃなくてお父さん」

    梓「あぁ、そうですか……」

    紬「そういえば、去年はりっちゃんが渡してたような……」

    澪「渡すつもりが、渡しそびれて」

    4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:10:47.68
    梓「あれ、でもホワイトデーの時は律先輩に渡してましたよね?」

    澪「あ、あれはバレンタインのお返しという名目があったから……」

    梓「……」

    呆れた目で澪を見る。

    澪「な、なんだよ」

    梓「いえ、別に」

    紬「でも、渡すくらいなら簡単な気がするけど」

    梓「そうですね。二人は幼なじみなんですから」

    澪「わ、渡す『くらい』なら、な」

    紬「何かあるの?」

    7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:13:33.62
    澪「律に『ありがとう』を言いたい」

    紬・梓「……」

    澪「だ、だから黙らないで!」

    梓「ありがとうくらい……」

    紬「『好きです』に比べたら、かなり難易度が低いような気がするわ」

    澪「ひ、酷い!」

    梓(拗ねちゃいました)

    8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:15:16.75
    紬「もしかして、感謝の気持ちを伝えたいのかしら?」

    澪「そう、それ! 感謝の気持ちだよ!」

    梓「だったら、花でも買えば……」

    澪「小学四年生の時、律からチョコと花を貰った」

    梓「でしたら、手紙……」

    澪「小学五年生の時、律からチョコ……」

    梓「ここは大胆にキスを……」

    澪「小学六年生の時、律から……」

    梓「うがー!!」

    9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:16:31.01
    澪「ひぃっ、梓が!」

    紬「梓ちゃんは放っておきましょ」

    澪「うん」

    紬「まずは感謝の気持ちの伝え方だけど、色々な方法があるわ」

    澪「そうなの?」

    紬「えぇ。一番簡単なのは……」

    澪「まさか律と!」

    紬「何を想像したかは私には分かる! だけど、今回はそれじゃないわ」

    澪「ほっ」

    10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:18:13.82
    紬「ここはシンプルに、澪ちゃんの言葉でいきましょう」

    澪「こ、言葉?」

    紬「そうよ。メールや手紙で伝えるより、自分の言葉で伝えるの」

    澪「えっと、なんて伝えれば……」

    紬「そこは、澪ちゃんが考えないとダメよ」

    澪「そ、そうだよな!」

    紬「そしてチョコは……」

    澪「もちろん、手作りの予定! ちゃんと材料もある!」

    12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:20:51.22
    紬「上出来ね! なら、少しだけアイテムを追加しましょう」

    澪「アイテム?」

    紬「そうよ。チョコは箱か包みよね?」

    澪「えっと、箱のつもり」

    紬「ならば、箱に赤いリボンをつけましょ」

    澪「赤いリボン?」

    紬「うん。赤いリボンにはね、愛って意味があるのよ」

    澪「そ、そうなんだ。初耳だ……」

    紬(今、思いついたことだから知らないけどね)

    梓「……赤いリボン」

    鞄からメモ帳を取り出す。

    13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:23:33.80
    澪「赤以外は? 家に黄色があるんだけど」

    紬「赤じゃないとダメよ」

    澪「わ、分かった。それで、市販のでいいよな?」

    紬「うん。市販のでいいわ」

    梓(黄色はダメだが、市販のものはいい)

    メモを取り始める。

    14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:25:31.99
    紬「うん。これでいいわ」

    澪「い、いいのか?」

    紬「私が言うもの、間違いないわ」

    澪「さ、さすがムギだ」

    紬(適当に言ってるだけなんだけど、気にしなくていいわね)

    梓「……間違いない」

    梓はペンを走らせていた。

    15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:26:51.15
    澪「リボンは前に、どこで買ったかなぁ」

    紬「近くに確か一件あった……」

    梓「赤いリボンなら、立花先輩が持ってそうですよね?」

    澪「えっ?」

    紬「えっ?」

    梓「えっ?」

    16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:27:36.34
    ガチャ!

    律「おーっす」

    唯「遅れてごめんねー」

    澪「お、遅かったな」

    律「ちょっと職員室にな」

    梓「何かやったんですか?」

    唯「別にー」

    紬「二人とも、お茶いれるわね」

    唯「ありがとー」

    17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:29:12.03
    律「おっ、梓はメモとってんのか?」

    梓「えっ、えぇ……まぁ」

    唯「何書いてるの?」

    梓「み、見ちゃ嫌です!」

    唯「えー、あずにゃんのケチー」

    律「そうだぞー」

    18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:31:09.03
    紬がお茶を持って来る。

    紬「どーぞ」

    律「サンキュー」

    唯「ねぇムギちゃん。あずにゃんは何をメモしてたの?」

    紬「それはね、澪ちゃんの……」

    澪「ムギ!」

    紬「はっ!」

    20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:33:27.93
    律「澪が、なんだってー?」

    澪「な、なんでもないよ!」

    紬「そ、そうよ! 澪ちゃんがりっちゃんにチョコあげるなんて……」

    律「へぇー、澪がチョコくれるの?」

    紬「な、なんで知ってるの!」

    澪「今、自分で言ったじゃないか!」

    紬「しまったー!」

    21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:35:22.57
    律「澪が私にチョコねぇ……じゃあ、澪にあげるチョコはなくていいかな」

    澪「えっ?」

    律「澪がくれるんだろ? だったら、私はホワイトデーにお返しだな」

    澪「うぅー」

    紬「み、澪ちゃんごめんなさい」

    澪「いや、いいよムギ」

    24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:39:00.53
    唯「じゃあ、私はあずにゃんにチョコあげよっかなぁー」

    梓「ほぇ!」

    唯「だって、去年貰ったから。今年は私があげる番だね」

    梓「い、いえ。私があげます!」

    唯「えー、私があげるー」

    梓「私があげるったら、あげるんです!」

    唯「ぶーぶー」

    25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:41:44.68
    律「よっしゃ、お茶飲んだら練習だな」

    澪「め、珍しいな。律から率先して練習なんて」

    律「早く練習しないと、澪がチョコ作れる時間がなくなるだろ」

    澪「う、うるさい……バカ律」

    唯「よし、練習頑張ります!」

    梓「普段から頑張って下さい!」

    26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:45:01.03
    練習終了後――

    梓「わ、私は先に帰ります」

    梓は部室を出る。

    律「どうしたんだ、梓は?」

    唯「チョコ作るんじゃない?」

    紬「知らん」

    律「ム、ムギ?」

    澪「そ、そろそろ帰らないか?」

    27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:46:21.57
    律「そうだな。早く帰らないと、澪がチョコ作れ……」

    澪「言うな!」

    ポコッ!

    律「はぅ!」

    澪「ったく!」

    紬「じゃあ、戸締まりしましょ」

    唯「はーい」

    28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:48:25.09
    帰り道――

    澪「律、悪い。今日はムギと寄る所が」

    律「えー、私も行きたいー」

    紬「りっちゃんにあげる、チョコに関することよ」

    澪「そ、そうだぞ」

    律「うぅー、分かったよー」

    紬(リボン買うだけなのよねー)

    29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:50:20.23
    唯「りっちゃん、家に遊びにおいでよ」

    律「そうだな。帰っても暇だし、唯の家に行くか」

    唯「わーい」

    澪「そ、それじゃあ」

    紬「さよならー」

    唯「ばいばーい」

    律「また明日な」

    手を振って別れる。

    30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:52:37.93
    商店街――

    澪「と、とりあえずリボンは買ったけど……」

    紬「あとはチョコ作って、りっちゃんに『ありがとう』を伝えるだけね」

    澪「そうだけど、なんて言えばいいのか……」

    紬「それは、澪ちゃん自身が考えないと」

    澪「そうなんだけど……」

    31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:56:02.80
    紬「いい、私が協力出来るのはここまでよ」

    澪「そ、そうだよな。ムギに頼ってばっかで、なんか悪いな」

    紬(正直、私も適当に答えただけなんだけど)

    澪「チョコ作りながら、律に伝えたい言葉を考えるよ」

    紬「そう。その意気よ! だから、ファイトー!」

    澪「ふふっ、サンキューな。ムギ」

    32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:59:16.46
    その頃、梓は――

    梓(リボンと言えば……)

    ピンポーン

    梓(この人しかいない)

    ガチャ!

    姫子「はい」

    梓「立花先輩!」

    姫子「えっと、軽音部の二年生だよね?」

    梓「中野梓です」

    姫子「どうも、立花姫子です」

    33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:01:16.65
    梓「今日は立花先輩に相談がありまして」

    姫子「私に? えっと、何かな?」

    梓「立花先輩が持ってる、赤いリボンを下さい!」

    姫子「はっ?」

    梓「持ってますよね!」

    姫子「も、持ってない」

    34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:03:16.51
    梓「なんで持ってないんですか!」

    姫子「し、知らないよ!」

    梓「姫子と言えばリボン。そう決まったことです」

    姫子「意味が分からん!」

    バタン!

    梓「立花先輩! リボン、リボンプリーズ!!」



    35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:05:48.67
    平沢家――

    純「梓、どうしたのかな?」

    憂「分かんない。メールしても、返事がないし」

    律「おっ、何やってんの?」

    憂「律さん、こんにちは」

    純「どうも」

    37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:08:06.05
    律「チョコか、二人は誰かにあげるのか?」

    憂「はい」

    純「先輩に」

    律「そっか、頑張って作れよ」

    唯「憂、私の漫画知らない?」

    憂「漫画?」

    39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:10:11.32
    唯「うん。りっちゃんが読みたがってた……」

    憂「なんの本ですか?」

    律「えっと、赤いリボンで変身する……」

    憂「それなら、私の部屋にありますよ」

    律「そっか……唯、憂ちゃんの部屋だって」

    唯「はーい」

    40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:12:58.07
    秋山家、夜――

    只今、チョコを製作中。

    澪(チョコは順調だけど、なんて伝えるか……)

    澪(あっ、そうだ。受け渡しの時間、律に知らせておこう)

    律にメールを送信する。

    すると、返信が来た。

    41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:16:07.61
    澪(速い……って、梓から?)

    メールにはこうあった。


    立花先輩はリボンを持ってませんでした。


    澪(何をやってるんだ、梓は?)

    更に一件のメールが入る。

    澪(あっ、律からだ)


    了解、七時半に公園だな。


    澪(これでOKだな!)

    澪「よーし、頑張るぞぉー」

    42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:18:05.49
    そして朝――

    澪「あー、寝坊したぁー!!」

    慌てて着替える。

    只今の時刻、七時半。

    澪母「澪ちゃん、ご飯は?」

    澪「いらない!」

    澪母「あらそう、ちょっと待っててね」

    母親はリビングへ向かう。

    45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:20:56.47
    澪「ママー、急いでるのに!」

    澪母「これ、忘れちゃダメでしょ」

    それは澪が作ったチョコが入った箱。

    澪「あっ」

    澪母「昨日、頑張って作ったもんね。ここで忘れたら、苦労が水の泡よ」

    澪「あっ、ありがとう……」

    澪母「はいはい。でも、急いでるんでしょ?」

    47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:23:16.22
    澪「そ、そうだった」

    慌てて靴を履く。

    ガチャ!

    澪「行ってきまーす」

    澪母「行ってらっしゃい。車には気をつけるのよ」

    笑顔で見送る。


    澪母(ちゃんと、渡せるといいわね)

    澪母(ママ、応援してるわ)

    49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:25:58.24
    公園――

    澪(あっ、律がいる! うぅー、なんか遅れたことバカにされそう)

    澪「おーい、律ぅー」

    律「澪」

    澪「遅れてごめん!」

    律「はっはー、りっちゃん様もさっき来たばっかだぜー」

    澪「そ、そうなのか?」

    律(ほんとは一時間前からいるんだけどな)

    50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:29:01.11
    澪「えっと、律。これ……」

    チョコの入った箱を差し出す。

    律「これが澪の作ったチョコか、食べていい?」

    澪「う、うん」

    箱を開け、チョコを手に取り食べる

    澪「ど、どうかな……」

    律「うん。おいしい」

    51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:31:56.88
    澪「よ、良かったー」

    律「ホワイトデーの時に貰ったやつよりも、何十倍のおいしさだ」

    澪「い、言い過ぎだぞ!」

    律「ほんとのことだから、しょうがないんだよ」

    澪「なんか、嬉しいのやら嬉しくないやら……」

    律「も、もっと喜べよ」

    澪「ふーんだ」

    52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:33:45.36
    律「そんじゃ、学校に行くか」

    澪(そ、そうだ。律に言いたいことが……)

    澪「律!」

    律「ん?」

    澪「あ、あの……」

    律「どうした?」

    澪(き、緊張する……)

    54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:35:41.40
    律「とりあえず、肩の力を抜け」

    澪「うん」

    律「ほら、深呼吸」

    澪「すぅーはぁー」

    律「はい、落ち着いた?」

    澪「うん」

    律「よし、言ってみ」

    56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:39:27.89
    澪「うん」

    澪(言うぞ)


    澪「律、今までありがとう! そして、これからもよろしく!」


    律「……」

    澪(い、言えたー)

    律「澪……」

    澪「り、律?」

    律「こちらこそ、ありがとうな」

    澪を抱きしめる。

    澪「り、律!?」

    57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:43:26.27
    律「澪の気持ち、受け取ったよ」

    澪「り、律」

    身体を離す。

    律「でもさ、なんでありがとうなんだ?」

    澪「えっと、私は何かと律に頼ってばっかりで……その」

    律「それで」

    澪「多分、これからも律を頼るかもしれない」

    律「なるほど」

    58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:45:47.99
    澪「それで……その、律に頼りっぱなしなのに、ありがとうも言えなくて」

    律「……」

    澪「だから、ありがとうを言いたく……うぅー」

    律「……」

    ポンッ、と澪の頭に手を置く。

    澪「律?」

    59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:48:01.85
    律「頼りっぱなしって、それはお互い様だろ?」

    頭を撫でる。

    律「私も、澪に助けて貰ったりするからな。だから、頼りっぱなしじゃないよ」

    澪「律、あんまり撫でないで……恥ずかしい」

    律「誰もいないから、いいじゃないか」

    澪「……うん」

    61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:51:37.02
    律「この先、私は澪を頼ることもあるだろうさ」

    澪「うん」

    律「私達はお互いでお互いを支え合ってるんだ。それは、悪いことじゃねぇよ」

    澪「うん」

    撫でるのをやめる。

    律「だから私もこれから、よろしくな!」

    澪「うん!」

    62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:54:52.49
    律「いい返事だ」

    律は空を見上げた。

    律「雪、降りそうだな」

    澪「そうだな」

    律「澪、なんなら私に永久就職するか?」

    澪「えっ?」

    律「ふふっ、なんでもなーい!」

    63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 23:57:36.92
    澪「律、今のどういう意味だよ!」

    律「だから、なんでもないって!」

    澪「気になる、教えろ!」

    キーンコーンカーンコーン

    律「澪、やばい遅刻だ! さわちゃんに怒られる!」

    澪「そ、そうだな! でも、さっきのこと後で教えろよ!」

    64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/11(金) 00:02:08.13
    律「なんのことか、りっちゃんは忘れちゃったぜー!」

    律は走り出した。

    澪「待てぇー!」

    澪(ふふっ、ありがとう律。これからも、よろしくね)


    空から雪が降って来ていた。

    しかし、春の足音はそこまで来ていた。

    もちろん、二人にも――


    律「みーお、置いてくぞー」

    澪「待ってよー、りぃーつぅー」



    おしまい!

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唯「ギー太聞いてる?」
唯「3年2組!!」
憂「純ちゃんのことが好き」
  1. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/11(金) 22:36:31 URL [ 編集 ]
    澪ちゃんのチョコがもらえるなら何してもいい
  2. 名前: 名無しフィッシャー ◆- 2011/02/11(金) 23:47:21 URL [ 編集 ]
    友情っていいな。

    にしてもこの梓はダメだった―――
  3. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/12(土) 00:04:35 URL [ 編集 ]
    律澪タイム!?
  4. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/12(土) 00:26:18 URL [ 編集 ]
    よいぞよいぞ
  5. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/12(土) 00:46:27 URL [ 編集 ]
    はいはい、夫婦夫婦。

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これより下はないよ・・・
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