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過去の名作たち

  1. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/12(土) 23:00:30 URL [ 編集 ]
    後半いらんやろ
  2. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/12(土) 23:02:26 URL [ 編集 ]
    個人的には前半の方が…
  3. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/12(土) 23:22:30 URL [ 編集 ]
    前半は面白かった

    後半は誰得
  4. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/12(土) 23:40:19 URL [ 編集 ]
    信代にネタ以外の役を与えたSSは初めて見たよ
    まあ…………別に別段評価は変わらなかったけど

    紬いちごより時代はしずか紬だよキミぃ
  5. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 00:57:24 URL [ 編集 ]
    前半で失われた律澪が後半で得られたからいいや

    それにしてもブスの恋ってうざいだけなんだな
    かわいそうだけど
  6. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 01:21:53 URL [ 編集 ]
    おっとブs…信代ちゃんの悪口はそこまでだ
  7. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 01:25:46 URL [ 編集 ]
    信代とは美味い酒が飲めそうだ。
  8. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 02:20:13 URL [ 編集 ]
    あの顔見ながらかよ
    すごい趣味してんな
  9. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 03:58:25 URL [ 編集 ]
    信代の評価が低いのが不思議な部分もあるんだよな
    実際にいたら結構もてるタイプだと思うんだけどな
    モブの中でも異色だから弄られるのはしょうがないんだろうけど、
    結構不遇な扱いされているよな…
  10. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 06:45:28 URL [ 編集 ]
    信春!信春!
  11. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 09:09:26 URL [ 編集 ]
    ははっモップ風情がなにをほざくか
    信代は姉御的な位置で普通に人気そうだよな。男にもてるかは別として。
  12. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 15:26:09 URL [ 編集 ]
    魔界のプリンス純ちゃん
  13. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 19:44:08 URL [ 編集 ]
    後半めちゃくちゃ感情移入してしまうんだが
  14. 名前: でかマラくん ◆- 2011/02/14(月) 19:59:00 URL [ 編集 ]
    唯1 澪5 律3 紬5 梓2 いちご4 姫子5 純4 憂2 さわこ3 ばあちゃん1 信代3 風子5 佐々木4
  15. 名前: おもしろかった ◆- 2011/02/14(月) 20:00:30 URL [ 編集 ]
    まさる
  16. 名前: 四条貴音 ◆- 2011/02/14(月) 20:03:26 URL [ 編集 ]
    私のおしりはっ… 普通です!
  17. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/04/16(土) 02:56:31 URL [ 編集 ]
    後半よかったな

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純「不人気コンビには3期参加をご遠慮願おうか」

  1. 名前: 管理人 2011/02/12(土) 22:39:37
    1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 17:41:50.05
    純「ねえ、田井中律さん、琴吹紬さん」

    律「な、なにい?!」


    11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 17:48:08.06
    律「不人気コンビだと?その言葉取り消せーっ」

    澪「気にするな二人とも!」

    紬「離してちょうだい澪ちゃん。これは私達の名誉の問題よ!!」

    12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 17:48:59.78
    梓「たしかに、律先輩とムギ先輩のカプってあまりないですね」

    律「そんなことないぞ! それに、私がいなくなったら誰が部長するんだよ?」

    純「三期は律先輩方は皆、大学行ってしまいますから。けいおん部は私と梓と憂のものです。律先輩たちはもう用なしなんです」

    唯「私も!?」

    憂「ごめんね、お姉ちゃん……」

    純「三期からは憂純の時代です!」

    梓「ちょっと、憂梓でしょ」

    純「えっ」

    梓「えっ」

    23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 18:02:07.51
    純「憂純! 憂純!」

    梓「憂梓! 憂梓!」

    純「私は憂と幼馴染なんだから、憂に対する優先権が発生するものとして考えます!」

    梓「私は憂の家に、純より多く行ったことがあるから、憂に対する独占権が私に認められるはずです!」

    純「憂! 私と梓どっちを選ぶの?」

    梓「もちろん私だよね?」

    純「私だよね? 長年の付き合いだもんね?」

    憂「えーと、お姉ちゃんかな……?」

    純「えっ」

    梓「えっ」

    28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 18:07:57.93
    澪「……そもそも三期なんかあるのか?」

    紬「漫画が再開するって言うだけね」

    律「漫画って、大学生編?」

    紬「どうなのかしら……」

    唯「けいおん部にスポットライトを当て続けた場合は、あずにゃんたちのその後のお話になるよね?」

    律「まぁな」

    唯「大学生編だったら、N女メインで話が進むわけだね?」

    律「だな」

    和「……K大は?」

    唯「K大は……ねぇ?」

    律「…………あぁ」

    29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 18:13:52.96
    和「ただでさえ少ない私の出番が、もっと少なくなるのね?」

    唯「…………」

    和「純ちゃんにも押されぎみな私の立ち位置が、もっと危うくなるのね?」

    律「…………」

    和「唯和も憂和も律和もどんどん減り続けるのね」

    憂「…………」

    和「恵先輩とのカプすらも、かなわなくなるのね」

    澪「…………」

    和「幼馴染キャラなのに、後輩に負けるのね」

    梓「…………」

    和「そうよね、私は生徒会長だもんね。唯にとっては赤の他人だものね」

    紬「…………」

    純(……和先輩から、私と同じ匂いがする)

    33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 18:20:58.45
    和「いいわよいいわよ。私はどうせあて馬ですもの。唯梓を引き立てるための調味料だものね」

    梓「……なんかごめんなさい」

    唯「……ごめんなさい」

    和「悲しくないわよ? 平気だし? 所詮脇役だって自覚してるし? チェケラッチョイとかいうネタ要員なんだし?」

    梓「…………口調をかえるほど、和先輩を傷つけていたんですね」

    和「唯が好きだけど、唯は梓っていう後輩キャラのものだしね、仕方ないわよね。だから――」

    律「……だから?」

    和「憂和を目指すわ」

    憂「えっ」

    34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 18:26:39.28
    純「はーいはーいはーい! 反対です! 憂は私のものです!」

    梓「私だって別に唯先輩のものじゃありません! 憂のものです!」

    和「純ちゃん、あなたさっき憂の幼馴染って言ったけどね、私の方が幼馴染歴は長いのよ?」

    純「時間の長さなんて関係ないです! 大切なのは幼馴染として過ごせた期間の濃密さです! 私は地上波では言えないあんなことやそんなことを憂としました!」

    梓「いつのまに……」

    和「肉体関係の有無はどうでもいいわ。大切なのは憂と過ごした期間がどれだけ長いかよ」

    唯「じゃあ私が一番憂と過ごしてるから、憂をもらっていくね」

    和「えっ」

    純「えっ」

    梓「えっ」

    35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 18:30:40.41
    唯「憂、大好きだよ!」

    憂「お姉ちゃん……私も好きだよ」

    唯「今日はずーっと一緒にいようね」

    憂「うん!」

    和「…………」

    梓「…………」

    純「……そうだよね、幼馴染が肉親に勝てるわけないよね」

    和「……こうやって、私は出番をなくしていくのね」

    梓「……じゃあ、私は律先輩とでいいです」

    和「まって。律は私のものよ。憂が駄目だったら律にしようと思っていたの」

    梓「なんですかそれ! 理不尽です!」

    律「私は誰のものでもなーい!」

    純「この隙に澪先輩をもらっていきますね」

    律「あ、まて! 澪は私のものだ!」

    紬「ほら私空気」

    37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 18:35:25.74
    いちご「……紬、涙を拭いて」

    紬「……いちご、ちゃん?」

    いちご「…………紬が泣く姿、見たくない」

    紬「……ありがとう、いちごちゃん」

    律「ずるいぞムギ! いちごは澪が駄目だったときの滑り止めだったのに!」

    いちご「……律には信代がお似合い」

    律「!」

    いちご「……行こう、紬」

    律「……私が信代と……私が信代と……」

    梓「律先輩には私がいます!」

    和「でしゃばらないで、二年生の分際で」

    38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 18:39:13.04
    梓「状況を整理しましょう。私と和先輩が律先輩を狙っていて、律先輩と純が澪先輩を狙っている」

    和「……澪は、誰がいいの?」

    澪「え、私? ……私は、さわ子先生」

    律「えっ」

    和「えっ」

    梓「えっ」

    純「ええー……」

    さわ子「呼んだ?」

    39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 18:46:07.15
    梓「……さて、さわ子先生と澪先輩が体育倉庫に行ってしまったわけですが」

    純「……考えたんだけどさ。梓と私、和先輩と律先輩がくっつくのが一番なんじゃないかな?」

    和「それがいいわね」

    梓「ま、待ってよ! 私が純とフラグ立てろとでもいうの?」

    純「いや、だって私律先輩とも和先輩とも面識ないし……。梓が一番自然かな、と」

    梓「えぇー……」

    和「さぁ、律、一緒に行きましょ」

    律「……澪が年増好きだったなんて」

    和「ほら、しゃんと立って」

    純「唯憂、律和、澪さわ、紬いちご、純梓。これが一番だと思うんだ、うん」

    信代「私は?」

    純「えっ」

    梓「えっ」
                                   終わり

    42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 19:37:41.84
    私の名前は信代。古臭い名前で、不細工な名前。

    名は体を表す、とは良く出来た言葉で、私の顔も不細工だ。顔に自信はない。

    3年2組で、私だけ浮いている。みんな美人なのだ。顔が整っていて、テレビに出てくるモデルと大差ない。

    ……私なんかとは、大違いだ。つくづく、自分が嫌になる。

    ただ、そんな私にも恋は訪れたようだった。

    恋と言えるかも怪しい、それは片想いにすぎないけれど。

    私、中島信代は、クラスメイトの田井中律に恋をしてしまった――。

    43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 19:45:47.42
    信代「……なんて、ね」

    私は携帯電話の画面を見ながらつぶやいた。液晶画面はメールの送信画面になっていて、『律、大好き』とだけ書かれている。

    このメールを送ったら、律に私の想いは届く。届くだけで、叶うわけではないのだが。

    信代「……卒業してからも、ずっと片想いのままなんだろうな」

    ため息が漏れる。憂欝。

    律の顔を脳内に思い浮かべる。三年間ずっと恋い慕ってきた彼女の顔は、容易に思い出せる。

    信代「……私みたいなデカ女が、律に釣り合うわけないのに……、何考えてるんだろ、私」

    目を瞑る。ふと、澪の顔が浮かんだ。律と澪はいつも一緒で、私はそれに嫉妬している。

    信代「私が、澪だったらなぁ」

    44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 19:51:36.75
    長く艶やかな黒髪。凛とした顔。スマートな体格。私とは縁のない、美貌。

    胃がきりきりする。

    信代「……いいや、寝よう」

    ちらりと、横目でカレンダーを見る。28日のところで×印が付いている。

    明日は、3月1日。――卒業式だ。

    明日以降、律と会える機会はほとんどなくなるだろう。律と澪は、大学が同じだけれど、私は違うし。

    行き場のない恋心を抱えたまま、私は眠ることにした。

    45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 19:56:58.71
    夢で、律に会った。

    彼女は私に微笑むばかりで何も言わない。

    だんだんと、律の姿が遠ざかる。

    待って、とも私は言えず、律が遠くに行くのを見ていることしかできなかった。

    律――

    私は彼女の名を呼んだ。彼女は微笑んでいる。微笑むばかりで何も言わない。彼女の姿が点になっていく。

    もう、律とは会えない。

    夢の中の私も、そう思った。

    そこで、目が覚めた。

    46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 20:01:45.09
    太陽はカーテンの向こう側で、さんさんと輝いていた。朝独特のひんやりとした空気が、起きたばかしの私を襲う。寒い。

    信代「……あぁ、早く起きなきゃ」

    卒業式。今日で私は、高校生を卒業するのだ。

    それが誇れることなのか、悲しむべきことなのか――私にはわからなかった。

    信代「……律」

    無意識のうちに呟いている自分に気づいて、私は首を振った。

    49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 20:07:54.25
    早めに学校に行くことにした。いつも遅めに登校しているので、最後の日くらいは早く登校しようという、ほんの気まぐれだった。

    まだ七時半を回ったばかしだからか、人気はない。いや、あった。いちごがいた。

    信代「おはよう、いちご」

    いちご「……おはよう」

    いつも通り無愛想な声。顔は可愛いのに、もったいない。

    信代「今日で最後だね」

    いちご「…………」

    信代「寂しくない?」

    いちご「…………別に」

    彼女はそっぽをむいた。本当は、寂しいのかもしれない。

    50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 20:13:10.74
    それきり、いちごと私の間に会話はなかった。十分ほどたって、ぽつぽつと生徒が学校に来た。

    手をつなぎながら教室に入ってくるエリとアカネ。

    ぴしっ、とした面持ちで席に座る風子。

    大股で歩く姫子。

    そして――。

    二人仲良く談笑し合っている、澪と律。

    53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 20:20:20.16
    信代(……律、楽しそう)

    自分の席に座りながら、彼女たちを眼で追う。

    教室の後ろの方から、唯と紬の声。けいおん部メンバーは全員、唯の席に集まった。

    盗み聞きする趣味はないので、律たちの会話には耳を貸さなかった。ただ、時折律の笑う声が聞こえて、胸が痛くなる。

    信代(……私もあの中に入りたい)

    ふと、そんな欲求が湧く。

    律ともっと、会話したかった。律ともっと、遊びたかった。律と同じ壇上で、ロミオとジュリエットを演じてみたかった――。

    その願い事はもうかなわないということを知っているのに、それでも願うことを止めれなかった。



    54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 20:28:00.71
    直に朝のホームルームが始まって、さわ子先生が教室に入ってきた。出席をとって、卒業式の並び方を確認する。

    まだ式は始まってもいないのに、なんだか感傷的な気持ちになる。寂しい、という気持ちとはちょっと違う。切ない、と言った方が的確かもしれない。

    ホームルームが終わり、教師がクラスを出ていく。卒業式は九時に開かれるらしい。まだ、二十分ほど空いている。

    春子「もう終わりだね」

    私の席に、大きな影が出来る。近田春子。私の友人。

    春子の顔を見る。気のせいか、うっすらと目に涙がたまっている?

    信代「切ないねー」

    ため息が自然に漏れ出た。

    55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 20:34:11.57
    春子「いいねぇ、けいおん部は。楽しそうで」

    信代「行く大学もみんな同じらしいからね。仲が良くて何よりじゃん」

    胸が痛むのを理解する。

    私は後ろの方を向いた。律たちが集っている。

    律の顔を見つめる。目が合うことを期待しながら。でも律は、向こうでの会話に夢中らしい。私の方を振り向くことはなかった。

    春子「何見てるの?」

    信代「律」

    春子は得心した顔つきになる。私は春子にのみ、自分の想いを伝えている。律が好きなんだ、と。

    56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 20:35:52.41
    春子「……するの?」

    信代「なにを?」

    春子「告白」

    信代「まさか」

    春子「でも最後だよ?」

    信代「律の返答は知っているから」

    春子「…………そっか」

    57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 20:38:35.38
    沈黙が下りる。

    私はじっと、律を見つめる。

    律は笑っている。微笑んでいる。微笑むばかりで、私の方は振り向かない。

    信代「……律」

    春子「声、出てるよ」

    私は口を固く引き結んだ。

    時計が九時の針を刺しても、律と私の視線が交錯することはなかった。

    59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 20:43:25.12
    卒業式は、あっけないほど早く終わった。卒業証書をもらって、校歌を斉唱して、校長やら二年生の言葉を聞いたら、すぐ閉式してしまった。

    三年生はいったん教室に戻った。この時点ですでに泣いているものも、若干名いた。

    春子「……早かったね」

    春子が私に近づいてくる。今度は気のせいではない。彼女は泣いていた。

    信代「ハンカチ、いる?」

    春子「……泣いてる? 私?」

    信代「泣いてる」

    春子「いけないなあ……泣かないって決めたのに」

    信代「なんで?」

    春子「最後くらい、笑って終えたいでしょ」

    60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 20:48:19.74
    後ろの方で、ぽん! と大きな音がした。卒業証書を入れた丸筒で、誰かが遊んでるんだろう。

    唯「ハイパーソード!」

    どうやら、丸筒で遊んでるのは唯のようだ。もう一度、ぽん! と音がする。

    律「なんのー!」

    律まで、丸筒で遊んでいた。

    情緒も何もなくなるね、と涙を拭いながら春子が言う。

    信代「そうだね」

    でも、あの中に雑ざりたい、と私は思ってしまうのだった。

    61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 20:54:53.50
    帰りのホームルーム……高校最後のホームルームは、それから数十分後に行われた。

    そこで、さわ子先生に寄せ書きが贈られた。優勝旗返還の歌とともに、唯が渡す。

    さわ子先生のお別れのあいさつ。春子の方を見やる。肩がふるえている。涙をこらえているのかもしれなかった。

    もう、終わりなのだと。

    私の冷静な部分が、そう思う。

    寂しい? 悲しい? 切ない? むなしい? はかない?

    ごちゃ混ぜになったたくさんの感情が、私の心を薄霧のように覆っていた。

    もう、終わり。

    私の青春は、今日を持って閉幕です。自分自身にそう言い聞かせた。

    うれしいことではないように、思えた。

    63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 20:58:44.01
    学校を出たのは、太陽が西に傾き始めたころだ。

    春子「終わった」

    信代「終わったね」

    春子「楽しかった? 高校三年間。私は楽しかったな」

    信代「私も楽しかった……かもしれない」

    春子「そっか」

    信代「…………」

    春子「顔、暗いよ?」

    信代「…………そう?」

    春子「心残り、あるんじゃない?」

    信代「…………」

    図星、だった。

    64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 21:03:54.95
    信代「……最後なのになぁ」

    言葉が、口から滑り落ちる。言いたいことや伝えたいことが、私の中で氾濫する。

    信代「告白したいな」

    春子「律に?」

    信代「うん」

    頭の中に、律が浮かぶ。律は微笑んだまま黙して何も言わない。だんだんと、私との距離が離れていく。

    律が私から遠ざかっている?

    それとも、と私は思う。

    私が律から遠ざかっている?

    信代「……せめてさ、想いくらいは伝えたいな」

    きっと、後者が正解だ。私が律から遠ざかっているのだ。

    65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 21:08:34.93
    春子「もう、同窓会くらいでしか会う機会はないんだろうしさ」

    色白で背の高い友達は空を仰いだ。

    春子「少しくらい大胆になってもいいんじゃない?」

    信代「でも、結果はわかりきっているよ?」

    春子「結果がわかりきっていても、伝えるか伝えないかの違いは大きいと思うな」

    信代「…………」

    伝えたい? もちろん伝えたい。律に私の気持ちを知ってほしい。理解してほしい。

    大胆になろうか? どうせ最後なのだから。

    心の中で、何かが燃え上がる。

    私は携帯を取り出した。

    66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 21:15:18.05
    律の電話番号は知っていても、今までかけたことはなかった。これが初めての電話。

    律に電話番号をコールする。

    数秒して、律が出た。

    もしもし、というその挨拶は、聞きなれた律の声。

    信代「あのさ、律――」

    信代? と聞き返す律。

    信代「うん、私。信代」

    それよりさ、と私は言葉を重ねる。

    信代「ちょっと、言いたいことがあるんだよね」

    67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 21:20:25.61
    なに? と律は尋ねてくる。

    電話越しでも、告白するのには、結構勇気が必要だった。

    信代「今から言うことはさ、冗談なんかじゃないよ?」

    ああ、わかったよ――と律は答える。

    信代「律、私ね、律のこと大好きなんだよ」

    え、とうろたえる声。

    信代「友達同士の好き、じゃなくてさ、愛してるとかの好き、なんだけど」

    電話の向こう側で、律が慌てふためいている様子が目に浮かぶ。

    信代「律、どう?」

    68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 21:24:36.25
    数十秒の沈黙。答えはわかっている。律の返答は知っている。なのに緊張してしまうのは、彼女が了承してくれるのを期待しているから。

    律「…………悪い」

    たった二文字の、返事。かすれかすれの律の声。その答えが返ってくると理解していたのに、やはり、辛い。

    信代「ううん。いいよ。伝えられて、満足したし」

    律「…………いや、何か私も、悪かったな」

    信代「ごめんね、最後なのに」

    律「いや、気にしないでいいよ。あれだ、これからもさ、友達だからな?」

    信代「……うん」

    声が震えていない、自信がない。

    通話が切れる。耳につーつー、という音がこだまする。

    こうして、私の初恋は青春と同時に終わったのだ。

    70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/12(土) 21:32:59.70
    春子が大丈夫? と声をかけてくれた。

    うん、平気。ちょっと悲しいけどね、と私は答えた。

    私たちの会話は、そこで終わった。その沈黙が心地よかった。

    思う。

    私の青春は、もう手遅れだ。終わってしまったものをどうにかしようなんて出来ない。覆水は盆に返らないのだ。

    同じく私の初恋も、実らぬまま終わってしまった。

    だけど、私たちの毎日はまだ続いていく。大人になってもまだ続いていく。私はまだ十八歳、人生のプロローグ地点だ。

    もしかしたら、いずれ律と会えるかもしれない。同じ会社に入ったり、町で偶然会って一緒にお酒を飲んだり。

    青春も初恋も終わってしまった。だけど、人生が終わったわけじゃない。

    春子「信代、空が綺麗だ」

    その声に、私は空に視線を移した。

    深い深い青色の春空。それが限りなく広がっていた。

                                     終わり

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  1. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/12(土) 23:00:30 URL [ 編集 ]
    後半いらんやろ
  2. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/12(土) 23:02:26 URL [ 編集 ]
    個人的には前半の方が…
  3. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/12(土) 23:22:30 URL [ 編集 ]
    前半は面白かった

    後半は誰得
  4. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/12(土) 23:40:19 URL [ 編集 ]
    信代にネタ以外の役を与えたSSは初めて見たよ
    まあ…………別に別段評価は変わらなかったけど

    紬いちごより時代はしずか紬だよキミぃ
  5. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 00:57:24 URL [ 編集 ]
    前半で失われた律澪が後半で得られたからいいや

    それにしてもブスの恋ってうざいだけなんだな
    かわいそうだけど
  6. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 01:21:53 URL [ 編集 ]
    おっとブs…信代ちゃんの悪口はそこまでだ
  7. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 01:25:46 URL [ 編集 ]
    信代とは美味い酒が飲めそうだ。
  8. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 02:20:13 URL [ 編集 ]
    あの顔見ながらかよ
    すごい趣味してんな
  9. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 03:58:25 URL [ 編集 ]
    信代の評価が低いのが不思議な部分もあるんだよな
    実際にいたら結構もてるタイプだと思うんだけどな
    モブの中でも異色だから弄られるのはしょうがないんだろうけど、
    結構不遇な扱いされているよな…
  10. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 06:45:28 URL [ 編集 ]
    信春!信春!
  11. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 09:09:26 URL [ 編集 ]
    ははっモップ風情がなにをほざくか
    信代は姉御的な位置で普通に人気そうだよな。男にもてるかは別として。
  12. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 15:26:09 URL [ 編集 ]
    魔界のプリンス純ちゃん
  13. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/02/13(日) 19:44:08 URL [ 編集 ]
    後半めちゃくちゃ感情移入してしまうんだが
  14. 名前: でかマラくん ◆- 2011/02/14(月) 19:59:00 URL [ 編集 ]
    唯1 澪5 律3 紬5 梓2 いちご4 姫子5 純4 憂2 さわこ3 ばあちゃん1 信代3 風子5 佐々木4
  15. 名前: おもしろかった ◆- 2011/02/14(月) 20:00:30 URL [ 編集 ]
    まさる
  16. 名前: 四条貴音 ◆- 2011/02/14(月) 20:03:26 URL [ 編集 ]
    私のおしりはっ… 普通です!
  17. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2011/04/16(土) 02:56:31 URL [ 編集 ]
    後半よかったな

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