けいおん!SSまとめブログ けいおん! このブログはVIPで立った「けいおん!SS」をまとめたブログです。

Twitter(更新通知) Twitter(交流用?) 新着SS通知ツール ご意見など 相互リンク,RSS

最新の記事

記事一覧はこちら

最近のコメント

スポンサーサイト

  1. 名前: 管理人 --/--/--(--) --:--:--
    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    [スポンサー広告] ブログランキングへ 人気ブログランキングへ このSSをはてなブックマークに追加


関連?商品

過去の名作たち


コメントの投稿(コメント本文以外は省略可能)




管理者にだけ表示を許可する

北斗「貴様ら、けいおん、という漫画を知っているか」 神山「え?」

  1. 名前: 管理人 2010/09/03(金) 13:27:22
    1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 03:40:30.02
    林田「けいおん?」

    北斗「ああ、今、巷で大人気のコミックスだ」

    神山「へえ、どんな話なんだい」

    子分「なんだ知らないのかよお前ら!」

    北斗「よせ。知らない方が語りがいもあるというものだ」

    前田「……」


    2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 03:46:14.33
    林田「面倒な説明はいいからよ、あらすじだけバーッと頼むぜ」

    北斗「え……あらすじ?」

    北斗「……」

    北斗「女子高生がバンドをする、日常ほのぼの音楽コメディだ」

    前田(それはあらすじというより、ジャンルなのでは……)

    神山「へえ、バンドって事は楽器かい?」

    子分「ああ、もう唯ちゃんが可愛くて仕方ないんだ」

    北斗「ふっ……ムギの可憐さには敵うまい」

    林田「……」

    林田「なあ、ちょっといいか」

    北斗「む?」

    林田「音楽の話なのによ、その……可愛いキャラってのはどういう事だ?」

    4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 03:51:34.25
    北斗「……質問の意味がわからないのだが」

    林田「いや……あんまり音楽の漫画は読まねえからわからないんだけどよ、そういうのって楽器とか曲について語るもんじゃないのか?」

    子分「ああ、もちろん。レスポールやテレキャス……楽器の話題もあるぜ」

    林田「でもよ、お前らの言う、何とかちゃんの話が一番に出てくるんだろ?」

    北斗「ふっ、けいおんを語る上で音楽などは無意味。彼女がそこにいればそれでよいのだ」

    神山「……北斗君たちがそんなにハマっているなら、ちょっと興味があるかな」

    子分「おう。そういうと思ってよ、ここに一巻があるから読んでみな」

    神山「……」

    パラパラ

    5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 03:57:23.10
    北斗「……どうだ」

    神山「いや、どうだと言われても……」

    子分「唯ちゃん可愛いだろう!」

    林田「まあ、女の子が出るのはわかったがよ……だから何なんだよ」

    北斗「……え」

    林田「確かに、女の子は可愛い。楽器の話もちょっとはしてるみたいだが……」

    神山「でも、だから何だと言われてもね」

    前田(……この律って子可愛いな)

    林田「なあ、前田?」

    前田「え……お、おう」

    北斗「うぬぬ……貴様らにはけいおんの良さが解らないのか!」

    神山「そう、そこだよそこ。何が北斗君たちを惹き付けているのか……それを教えてくれないかな」

    北斗「ほう、この俺を試そうと言うのか、神山よ」

    9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 04:02:50.20
    北斗「いいだろう。まず第一にけいおんの良さと言うのはな……」

    北斗「……」

    北斗(……あれ?)

    北斗(こうして冷静に考えてみると、女子高生がダベって、ふわふわとしているだけではないか)
    北斗(いや、確かに俺はそのふわふわが好きだ。好きなのだが……何が魅力か?)

    北斗「……お、女の子が楽器をやっている」

    神山「でも、楽器を弾いているシーンなんて数えるくらいしか無いみたいだけど」

    子分「甘いな。いいか、漫画だとそう見えるかもしれないがアニメだとな……」

    北斗(そ、そうだアニメだ。楽器の雰囲気を伝えるなら紙より映像の方が効果的なのは至極当然)

    神山「へえ、アニメにもなってるんだ」


    12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 04:08:02.33
    子分「ああ、ここにDVDの第一巻があるぜ」

    北斗「ふふっ、次は映像で彼女たちを感じ取ってもらおうか」

    前田「いや、学科でアニメ見ていいのかよ……」


    ピッ


    林田「……お、始まったな」

    神山「話は同じ、女子高で唯が部活に入るところからなんだね」

    唯『うんたん♪ うんたん♪』

    神山「……確かに、声が入るとイメージは変わるかもしれないね」

    ゴリラ「ンゴ」

    フレディ「……」

    林田「……」

    前田「……」

    14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 04:13:28.34
    神山「何だかんだで、第一期は全部見てしまったね」

    北斗「彼女たちが堪能できた、それだけで貴様らは果報者だ」

    子分「やっぱり唯最高~!」

    林田「いや、そこは澪だろう」

    前田「俺は律派かな」

    ゴリラ「ンゴ」

    フレディ「……」


    神山「どういう話なのかは解ったよ。確かにアニメだと面白いのかもしれない」

    北斗「ふふっ、そうかそうか」

    神山「……で?」

    子分「えっ……」

    北斗「貴様、まだそんな事を言うのか。彼女たちの魅力は充分にわかっただろう!」

    神山「女の子が可愛いのはわかりました。それで、北斗君は僕に何を伝えたくてこれを見せたんだい?」

    15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 04:20:00.57
    北斗「そ、それはだな……」

    神山「ここまで時間を取らせたんだから、相応の内容なんだろうね?」

    北斗(くっ、奴の目は尖っている……今さら、ちょっとクラスに広めたかったなどと言ったら……)

    子分(俺たちの権威が丸つぶれだ……)

    林田「……神山よ、ちょっといいか」

    神山「む?」

    林田「確かに、お前にとっちゃあただのアニメかもしれねえ。女の子も好みのタイプがいなかったかもしれねえ」

    北斗「は、林田……」

    林田「正直最初はよ、女の子が楽器をやっているだけで何が面白いのかは分からなかった」

    林田「……でもよ、一期を見終わった俺には分かるぜ。北斗たちが何を伝えたかったのかを、よ」

    北斗「林田……」

    16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 04:25:29.45
    林田「北斗たちはよ……俺たちとバンドやりてえって伝えたかったんじゃないのか

    北斗「……え」

    北斗(いやいや、どうしてそうなるんだ。何を言い出すかと思えば……バンド、だと……)

    神山「バンド……そうなのかい、北斗君」

    林田「言ってやれよ、お前が言いたかった事をよ」

    北斗「バ……」

    子分(うわあ、ぜってーアレは何も考えてない目だよ……)

    北斗「バ……バンドだ。そうだ、林田」

    子分(言っちゃった……)

    林田「フッ、今ならわかるさ」

    神山「北斗君……!」

    北斗「な、なんだ神山(まずい、また何か言われる……)」

    18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 04:30:43.11
    神山「感動したよ」ガシッ

    北斗「え……」

    神山「いや、実は僕も見ているうちにちょっと楽器が楽しそうに思えてきてね」

    北斗「ほ、ほぅ。それでこそ俺が見込んだ男だ……」

    神山「君がそう言ってくれるのなら、僕は喜んで協力するよ」

    子分(えっ、本当にバンド組むの?)

    林田「神山、俺もいるぜ」

    神山「林田君……」

    ゴリラ「ンゴ」

    フレディ「……コク」

    北斗「よ、よーし! 今日から俺たちはクロマティ高校けいおん部だ!」

    全員「おおー!」


    ベンチ

    北斗「明日からどうしよう……」

    くろまてぃ!

    21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 04:36:40.05
    次の日

    林田「なあ。バンドやるはいいけどよお、楽器はどうするんだ」

    北斗「ふっ、各々がやりたい楽器を自分で買い揃えればいいだけだ」

    神山「ちょっと待って下さい。けいおん部のメンバーは全員で五人でしたよね」

    北斗「当たり前だ」

    神山「僕たちは……」

    前田「……」

    林田「……」

    子分「……」

    ゴリラ「ンゴ」

    フレディ「……」

    メカ沢「……」

    北斗「八人、か」

    神山「あれ、メカ沢君、いつの間に?」

    24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 04:43:06.75
    メカ沢「ふっ、バンドと聞いちゃあ……ちょいと血が騒いじまってな」

    林田「お、メカ沢経験者か」

    メカ沢「まーな。こう見えても音楽スタジオでバイトしていた事があるんだぜ」

    神山「それは心強い」

    北斗「ちなみに、なんの楽器が弾けるのだ?」

    メカ沢「ドラムだ。俺から出る音はなかなか評判よかったんだぜ」

    神山(俺から出る?)

    北斗「ふむ、早速腕を見たいがここにはまだドラムが無いからな……」

    メカ沢「だ~か~ら、任せておけっての。よっ」カシュン

    神山「……」

    メカ沢「いやあ、久しぶりだからな。ちゃんと設置できるかどうか」カシャン カシャン

    林田「……」

    26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 04:49:59.86
    メカ沢(ドラム)「出来たぜ。さ、弾いてくれ」

    北斗(お前がドラムになるのかよぉぉ……)

    神山「さすが、バイトしてただけあるね」

    林田「ああ、すげえドラムっぷりだぜ」

    北斗(いや、お前ら突っ込めよ……楽器弾けるかって聞いたじゃん。特技はドラムになる事ですって、そんなメンバーいねえよ)

    メカ沢(ドラム)「へ、へへっ。あんまりジロジロ見るなよ。さ、誰が俺を叩いてくれるんだい?」

    林田「そう言えば、前田はりっちゃんが好きだったよな」

    前田「え、お、俺はドラムなんて触った事ないからいいよ……」

    メカ沢(ドラム)「遠慮すんなって。最初はプロも素人……恥ずかしがってちゃ上達なんてしないぜ?」シャン シャン

    北斗(喋る度にシンバルの部分が揺れるのか……)

    28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 04:55:17.62
    前田「じ、じゃあ……ちょっとだけ」

    ジャーン

    林田「お、意外と響くな」

    ドンッ ドンッ

    メカ沢(ドラム)「いいぜいいぜー。慣れてきたらリズミカルに叩いてみな」

    前田「こ、こうかな」

    ドンッ シャン

    神山「んん~、雰囲気はいいけどやっぱり安心するような音では無いよね」

    前田「す、すまねえメカ沢……」

    メカ沢(ドラム)「謝る事はねえよ。お前が今叩いているその……一生懸命な気持ちはビリビリ伝わってくるぜ」

    前田「メカ沢……」

    子分「へへっ、これから上手くなればいいじゃねえか!」

    ゴリラ「ンゴ!」

    フレディ「……」コクッ

    北斗(くっ、なんだこのちょっといい雰囲気は……許せん)

    30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 04:59:43.65
    北斗「ええい、待て貴様ら! そいつを見て何も思わないのか!」

    前田「ん?」

    北斗「お前じゃない。ドラムになっている……貴様だ」

    メカ沢(ドラム)「んん~?」

    北斗「よく考えてみろ、バンドメンバーがドラムになってるんだぞ。何か変だとは思わないのか!」

    神山「?」

    林田「なに言ってんだ、お前」

    北斗「くっ……貴様ら……これが変だとは思わんのか!」

    メカ沢(ドラム)「……」

    メカ沢(ドラム)「ああ、確かに俺はとんでもないミスをしていたみたいだな」

    神山「メカ沢君?」

    北斗「……やっと気付いたか」

    31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 05:05:30.68
    メカ沢(ドラム)「……すまねえな、久しぶりのドラムだったんでちょっと興奮していた。我ながら情けないぜ」

    林田「待てよメカ沢。話が見えないぞ」

    メカ沢(ドラム)「そこの北斗って奴は、よっぽどこのバンドに命かけてるらしいな。俺のミスに、こんな熱い言葉を掛けるなんて……」

    北斗「……よくわからんが、わかってくれたならよかった。さあ、早く元に戻ってみんなでバンドを……」

    メカ沢(ドラム)「すまねえ、サイドとトップの位置を逆にしていた」カシャン

    神山「あ、間違えて置いてたんだあ」

    林田「全く、一々北斗は熱く言うよな」

    北斗「……」


    ベンチ

    北斗「そうじゃねえよ……」

    ドラム(本体)メカ沢!

    32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 05:09:55.72
    林田「なあ、さっきので考えたんだけどよ、楽器の経験者っているのか」

    神山「確かに、誰か経験者がいないと大変かもね。北斗君は?」

    北斗「……俺はベースを持っている」

    林田「ベース?」

    神山「ああ、澪ちゃんが弾いていた。で、君は?」

    子分「いい加減名前で呼べ! いいか、俺の名前はな……」

    神山「いや、名前よりも楽器経験者かどうかを聞きたいんだよ。で……?」

    子分「そ、それはだな……」

    北斗「ま、待て。その話は明日だ! 今日は解散だ!」

    神山「えっ、どうしてだい?」

    北斗「どうしてもだ! 今日は解散だ!」

    34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 05:14:08.58
    帰り

    北斗「ふ~っ、なんとか誤魔化せたな」

    子分「……俺たち、間違えて二人してベース買っちゃいましたもんね」

    北斗「うむ。そんな事が知れたら恥もいい所だ」

    子分「でも、ムギちゃんが好きな北斗さんがどうして最初はギターを買おうと?」

    北斗「うむ。俺も最初は唯が好きだったからな」

    子分「そうでしたね」

    北斗「……楽器、どうするかな」

    子分「ベースでいきますか?」
    北斗「いや、俺はキーボードをやる、当たり前だろうが」

    子分「お、俺だってベースじゃないギターをやりたいですよ」

    36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 05:18:47.52
    北斗「と、言うわけで楽器屋に来たわけだが」

    子分「あ、すいませ~ん。ここに唯ちゃんが使っていたギターの……」

    店員「はい?」

    北斗「バ、バカ者! ちょっと来い」

    子分「どうしたんです?」

    北斗「いいか、バカ正直に……けいおんを見てギターが欲しくなりました、なんて俺が言えるわけないだろう」

    子分「……」

    北斗「いいか、俺はそこらのニワカオタクとは違うんだ。もっと堂々と楽器を買いに来た態度で挑むんだ」

    子分「は、はぁ……」

    北斗「店員よ、ちょっといいか?」

    店員「は、はい?」

    北斗「帝王の俺に相応しい楽器を教えろ」

    37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 05:24:18.57
    店員「は、はあ? 何か希望の楽器は……先ほど、お連れ様がけいおんと仰られて……」

    北斗「笑止。チャラチャラした女子高生アニメなど知らぬ。早く帝王のこの俺に相応しい楽器を教えるんだ」

    子分「いや、言っちゃってる……」

    店員「は、はぁ。帝王なら、何でもいいんですか?」

    北斗「うむ。軟弱な音の出る楽器はいらん」

    店員「で、でしたらこちらの……」

    北斗「説明などいるか! 早くそれを包め。一応、子分の分もだ」

    店員「は、はい。ではお会計が六万円になります……」


    ……。

    39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 05:28:29.94
    店員「ありがとうございました」


    北斗「……なあ」

    子分「……」

    北斗「どうしてベースなんだ」ボン ボン

    子分「知りませんよ! 何ですか、帝王っぽい楽器って。ワケわかんないですよ!」

    北斗「軟弱な音でバンドが出来るか」

    子分「ああ~っ、変な頼み方しないで素直にけいおん見ました、でいいじゃないですか!」

    北斗「帝王がそんなダサい買い物などできるか!」

    北斗「……お、俺今から交換してもらってきますからね」ダダダッ

    北斗「あ、お、おい!」

    北斗「……行ってしまった」

    44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 05:33:42.23
    北斗「結局、手元にはこのベースだけか」ボン

    北斗「ううむ、確かにベースが二本あっても手に余る……」

    北斗「……」


    店員「いらっしゃいま……あれ?」

    北斗「店員よ、つかぬことを聞くが、このベースは返品できるだろうか」

    店員「え? いやあ、ケース開けちゃってますし……中古のだったらまだ受けとりましたけど、新品は……」

    北斗「くっ……す、すまぬ。実はこの北斗嘘をついていた……」

    店員「え?」

    北斗「じ、実は俺はけいおんに感化されて楽器を、バンドを始めようとしていたのだ」

    北斗「照れ隠しでつい、帝王だの何だのと言ってしまった……すまない」

    店員「……僕も、見てますよけいおん」

    北斗「お、おおっ?」

    46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 05:39:01.46
    店員「お客さんでも多いんですよ。けいおん見て楽器を始める人が」

    北斗「た、確かによく見たらポスターや紹介ポップが……」

    店員「僕はムギちゃんが好きなんですけど、なかなか人気が無いみたいで……キーボードのコーナーは僕が飾り付けしてるんですよ」

    北斗「お、おおっ……素晴らしい。素晴らしいぞこれは」

    店員「えっ、お客さんもムギちゃん派ですか?」

    北斗「無論だ。あの眉毛を愛でる事こそが帝王学の極みだと思っている」

    店員「い、いやあ嬉しいなあ。あ……どうです、このキーボード……ムギちゃんと同じタイプですよ」

    北斗「こ、これが……しかし、高いな」

    店員「多少、値段は張りますが……」

    北斗「笑止。帝王の前には値段など無意味……これをくれ」

    48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 05:44:20.52
    店員「あ、ありがとうございます!」

    北斗「……こんな所で同士に会えるとは思っていなかった。また寄らせてもらおう」

    店員「は、はい! 楽器の事で何かあったら連絡下さい。大抵この店にいますから」

    北斗「……うむ」

    北斗「……」

    北斗「ところで店員よ」

    店員「はい?」

    北斗「このベース、返品できない?」

    店員「ああ~、そいつはちょっと無理でっすね~」

    北斗「……」



    ベンチ

    北斗「無理かぁ~」

    無理だよ。

    49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 05:49:25.73
    次の日

    子分「見ろよ。レスポールだぜ!」

    林田「おっ、ついに自分の楽器か」

    子分「形は同じ、ちょっと安物だけどな」

    神山「いやあ、それでもすごいよ。やっぱり実物があると違うね」

    北斗(結局奴は交換したのか……くっ)

    林田「なあ、ちょっと弾いてみてくれないか?」

    子分「いやあ、それがまだ全然弾けなくてよ……とりあえず楽器だけ、って感じなんだ」

    前田「なあ、経験者がいないんじゃあこの先辛いんじゃないか?」

    神山「しかし、経験者がいないとなると……練習は大変かもね」

    前田「いや、今俺が言った……」

    林田「そうだよなあ……この中で経験者って言ったらメカ沢くらいか」

    51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 05:55:15.25
    メカ沢(ドラム)「俺はドラム専門だ。ギターの方は……さっぱりわからねえや」

    北斗(ギターにもなるのか?)

    神山「んー、他に経験者は?」

    子分「フレディなんかどうだ? ほら、ギター」

    フレディ「……」フル フル

    神山「んー、フレディも弾けないのかあ」

    林田「じゃあどうやって練習すればいいんだよ」

    北斗「待て待て。そもそもお前らは何の楽器をするんだ」

    神山「え?」

    北斗「え、じゃない。ギター、ボーカル、ベース、キーボード……被りはあれど担当を決めなければ練習もできまい」

    53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 06:00:39.50
    神山「ねえ、考えたんだけどさ、楽器って何だろうね」

    北斗「む?」

    神山「そもそも、けいおんメンバーはその楽器を使ってるからイメージが強いけどさ、他にも楽器はあるんじゃないかな」

    林田「確かにな」

    神山「只でさえ人数が違うんだから……何も楽器を枠にハメる事は無いと思うんだ」

    北斗「ふむ」

    神山「それこそカスタネットでも、マラカスでも……いや、楽器の形はしてなくてもいいのかもしれない」

    メカ沢(ドラム)「……」シャーン シャーン

    神山「ほら、小学生なんかがよくやった、身の回りの物で楽器を作ろうってヤツ……」

    前田「ああ、あったな。コップに米を入れてフタをして鳴らしたり」

    54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 06:05:06.75
    神山「それだよ。無理にギターやドラムじゃなくても、身近な物で音を奏でればいいじゃないか」

    子分「……フッ、ギターなんて買って少々浮かれていたぜ」スッ

    林田「なあ……この机を鉛筆で叩いて音を出してみたらどうだ」カッ カッ

    神山「林田君……」

    北斗「そういう事ならば、このドラム缶を叩く事によって……力強いビートになる」ガシャン

    56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 06:09:37.55
    フレディ「……」ダン ダン ダンッ

    神山「フレディ、地団駄でそんな力強い音を出せるなんて」

    ゴリラ「……」ドン ドン ドン
    メカ沢「胸を自ら叩いて音を出す……まさにビートだな」

    神山「みんな……」

    北斗「どうやら、担当楽器が決まったようだな」

    林田「へへっ」

    メカ沢(ドラム)「俺も気合いが入るぜ」ジャーン ジャーン

    北斗「よおし! クロマティ高校けいおん部の再び始まりだ!」

    全員「おおー!」


    前田「……」


    ベンチ

    前田「なんだっけ、あんな音楽CMで見たような……」

    確か、ストンプ。

    59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 06:14:20.97
    次の日

    神山「みんな、僕はけいおん部を辞めようと思うんだけど」

    林田「えっ?」カッ カッ

    神山「いやあ、昨日あんな事言っておいてあれだけどさ」

    北斗「貴様、理由によっては只じゃおかないぞ」ガシャーン

    神山「いや、ドラム缶や机叩くの止めて下さいよ。僕は真面目な話をしているんですから」

    子分「とにかく理由を言えよ」

    神山「昨日ちょっと考えたのが……」

    神山「これは本当にけいおんなのか、と」

    林田「お前言ってる事がコロコロ変わるな~」


    62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 06:19:44.43
    北斗「まあ待て神山。本家けいおん部も時には音楽、時には雑談を……」

    神山「いや、彼女たちはいいんですよ。可愛いからただ雑談しているだけで絵になるでしょう」

    神山「僕たちは男子校で、楽器も満足に弾く事が出来ない。これじゃあただの時間潰し以下ですよ」

    林田「お前ってたまにズバッとひどい事言うよな~」

    北斗「なら、どうすればいいのだ」

    神山「もう一度僕が音楽をやりたくなるような、そんな何かがあれば……でも、いいんです。僕の気持ちは死んでしまったみたいだ」

    神山「じゃあ、さよなら」

    ガラッ

    林田「お、おい神山」

    子分「い、行っちまった……」

    65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 06:26:30.71
    神山「……ん?」

    ジャーン ジャーン

    神山「なんだろう、教室から心地よいドラムの音が」

    ダダダン ダダダダダン

    神山「こ、このリズム感……なんだ、胸がドキドキする」

    ズッダダ ズッダン

    神山「もしかしてメカ沢君が僕のために……?」ハッ

    神山(僕はなんて小さいんだ……今がけいおんっぽくないのなら、これから変えて行けばいいじゃないか)


    66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 06:27:29.05
    ダン ダン ダダダン ジャーン

    神山「このドラムも……そんな僕を応援してくれているみたいなビートだ……よしっ」

    ガラッ

    神山「メカ沢君。君のビートは僕の胸にしっかりと……」

    林田「うおっ、すげえぜゴリラの奴」

    子分「プロ並みのドラム捌きじゃねえか!」

    ゴリラ「……」ジャーン ジャーン

    神山「……」


    ベンチ

    神山「音楽って難しいなぁ……」

    ゴリラすげー。

    68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 06:33:52.53
    北斗「神山が戻って来た所で、担当楽器を決めるぞ」

    林田「ええ~、もう鉛筆と机でいいじゃねえか」カッ カッ

    神山「ダメだよ林田君。やっぱり形はどうあれしっかりした楽器を手にいれないと……僕たちはけいおん部なんだから」

    前田「本当に意見が変わるな……」

    北斗「うむ。ところで貴様ら、買う買わないは別にしても本物の楽器を見に行かないか?」

    林田「楽器を?」

    北斗「ああ、知り合いの楽器屋が近くにある。本物を見ればより気分も高まるだろう」

    メカ沢(ドラム)「そいつはいい。俺も久しぶりに新品のドラムを見てえな」

    北斗「よし、ではみんな行くぞ」

    73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 06:39:46.81
    店員「いらっしゃいませ~、あ」

    北斗「うむ。来てやったぞ」

    店員「北斗さん、今日はまた随分大人数ですね」

    北斗「こいつらが本物の楽器を見たいと言ってな。全員がクロマティ高校けいおん部のメンバーであり、我が下僕だ」

    店員「へぇ~」

    子分「さあ、ここだぞお前ら」

    神山「ここが楽器屋か」

    林田「すげえな」

    前田「お、けいおんのポスターが」

    店員(な、なんか濃いメンバーだなあ)

    メカ沢(ドラム)「いやあ、この空気……久しぶりだな」

    店員「え?」

    店員「あ、あの。この……人? もメンバー……」

    メカ沢(ドラム)「おうよ。俺、バリバリのドラムなんでよろしくぅ」シャーン シャーン

    店員「は、はぁ……」

    74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 06:45:22.61
    店員(な、なんかカシャカシャしてたのは気のせいかな?)

    店員「あ、い、いらっしゃ……」

    フレディ「……」コクッ

    店員「……」

    北斗「む、どうした店員よ」

    店員(え、本物? いやいやいや……いやいやいや)

    フレディ「……」

    店員「あ、あの……もしかして……クイーンのボーカルの……」

    北斗「はははっ、何を言っているんだ店員。確かにこいつは外人ぽく見えるがそんな横文字は通じないぞ」

    店員「えっ? あ、あのだからクイーンの……」

    北斗「むぅ、俺は帝王になる男、いわばキングだぞ」

    店員「は、はぁ。すいません……」

    店員(わけがわからない……)

    75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 06:50:33.70
    北斗「わかればいい。引き続き楽器を見せてもらうからな」

    店員「は、はぁ……」

    店員(なんだかすごいメンバーだなあ。ドラム本体に、ボーカルっぽい人に)

    店員(どういう音楽をやってるのかな?)

    ドンッ

    店員「あ、す、すいません。ボーッとしていて……」

    ゴリラ「ンゴ」

    店員「……」

    林田「おーい、こっちに来いよゴリ」

    子分「でっけえドラムのセットがあるぜ」

    ゴリラ「ンゴ」

    店員「……」


    店の裏

    店員「ゴリラじゃねーか……」

    ゴリラです。

    76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 06:55:48.46
    店員(いやいやいや、ゴリラはおかしいだろ、ゴリラは)

    店員(だってゴリラだぞ……仕方ない、北斗さんの知り合いとは言え、ここはビシッと……)

    店員「あ、あの、北斗さん?」

    北斗「む?」

    店員「ほ、他の方はいいんですけどね……あの、ゴリラみたいな方だけはちょっと……」

    北斗「……」

    店員「お店を壊されちゃったりでもしたら、万が一と言う事もありますし」

    神山「あの、ちょっといいですか?」

    店員「は、はい?」

    神山「先ほどから聞いていると、あのゴリラがこの楽器店にいるのは好ましくない、と」

    店員「え、ええまあ……」

    神山「それは偏見という物です。少なくとも、あのゴリラには音楽を理解し愛する……心があります」

    店員「心……」

    77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 07:01:12.69
    神山「見てて下さい」

    ゴリラ「……」スッ

    店員「ち、ちょっと。売り物のドラムとスティックを勝手に!」

    北斗「いいから、そこで見ていろ」

    ゴリラ「……」カッ カッ カッ カッ

    ダダダン ダダダン

    店員「こ、これは……」

    ジャーン ダン ダン ダダダン

    店員(す、すごい。ゴリラらしい力強い音楽……それでいてどこか繊細さが溢れるような……)

    店員「この安定感はセミプロ……いや、プロでも滅多にいませんよ!」

    神山「これが、僕たちのドラマーのゴリラです。これでもまだ、ゴリラはこの店に不要ですか?」

    78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 07:06:42.56
    店員「……いえ、僕が間違っていました。こんなに素晴らしい音を聞けるなんて」

    神山「店員さん……」

    店員「良いものを聞かせてもらえました。ありがとうございます」

    北斗「礼ならゴリラに言うがよい」

    店員「そうですね。あんなに気持ちいい音を出してもらえて、ドラムだってさぞかしいい気分で……」クルッ

    林田「こ、こらゴリ。それはバナナじゃないぞ」

    ゴリラ「ンゴ?」シャグ シャグ

    前田「昼飯食べてなかったからなあ」

    神山「あ、スティックがかじられてる」

    店員「……」


    店の裏

    店員「音楽って難しいなぁ……」

    あんたで二人目。

    81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 07:12:18.79
    店員「だーかーらー、ゴリラはやっぱりダメですってば!」

    北斗「先ほどはあんなに感動していたではないか」

    店員「スティック食べられたら感動もなにもありませんよ、全く……」

    客「おおい、ちょっとこれを弾いてみたいんだけど」

    店員「あ、は~いただいま伺います」

    店員「と、とにかく、あのゴリラは店の外に出して下さい! いいですね!」

    ゴリラ「……!」ビクッ

    ゴリラ「……」スタスタ

    神山「あっ、ゴリ」

    林田「お、おい待てよゴリ」

    子分「ああ、行っちまった」

    北斗「まあいい。店の外で待っているだろう」

    店員「……」

    客「おお~い」

    店員「は、は~いただいま!」

    83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 07:21:12.69
    店員「……で、こちらのキーボードにはマルチエフェクターが付いていまして」チラッ

    神山「このギターカッコいいなあ」

    北斗「神山はギター……ストラトか」

    神山「まだちょっと迷っているんだけどね」

    店員(さっきはちょっと言い過ぎたかなあ……スティックさえかじらなければ、いい人だったかもしれないし)


    前田「なあ、このギターの形で何が変わるんだ?」

    林田「雰囲気だよ雰囲気。作りは同じなんだからよ」

    フレディ「……」

    店員(ハァ……どうしよう)

    ジャーン

    店員(?)

    ギュイーン

    店員(な、なんだこの力強いギターは)

    84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 07:26:39.91
    客「おいキミぃ、エフェクターがなんだって?」

    店員「あ、は、はい……」

    ジャジャ ギュゥーン

    店員(この……まさにロックな……これは、シアハートアタックの……)

    店員(ま、まさかさっきの外人さんが?)

    客「ああ、ありがとう。また後で見に来るよ」

    店員「あ、はい」

    店員(い、一体誰が!)クルッ

    林田「うおー、お前ギターまで弾けるのかよ」

    子分「曲名とか全然わかんねえけどスゲーな」

    ゴリラ「……」ギュ ギュ ジュィーヤ

    店員「……」


    店の裏

    店員「どこ行ってたんだよ……」

    トイレだってさ。

    86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 07:38:32.98
    デストラーデ工業

    山口(チッ、最近は猫も杓子もけいおん、けいおん……)

    石川「でよ~、あずにゃんがよ~、こう……」

    山口「……」

    山口(なあにがあずにゃん、だ。お前高校にもなって何をニャンニャン言ってやがる)

    石川「なあ、山口。お前もけいおん知ってるだろ!」

    山口「……知らねえ、アバヨ」

    ガラガラッ

    生徒「山口って硬派だよなあ」

    生徒「けいおんなんて全然興味ねえんだろうな」

    87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 07:43:31.71
    山口「……」

    山口(石川よお、同じ年下なら……やっぱり憂ちゃんだろうよ)

    山口(いや、そんな事をあいつに語っても仕方ねえか。けいおんは派閥争いが只でさえ激しいんだ)

    山口(そこで誰がいい、こいつの魅力はこうだ、なんて言っても火に油……)

    山口(大体、憂ちゃんがいなきゃあ主人公の唯は何もできねえ……いや、現実的に考えてできるんだろうけどよお)

    山口(あえて、姉には何もさせない事で憂ちゃんのしっかり具合が目立つ……古典的だが、俺はそうしっかり見せるキャラに弱い)

    山口(泣かせるじゃねえか……U&I、なんてよ)

    88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 07:46:57.57
    山口(でよ……恥ずかしい話、俺はけいおんに影響されて楽器を買ってしまった)

    山口(ギター……レスポールだ。コツコツ練習してそこそこ弾けるようにはなっている)

    山口(だが、最近一人で弾いていても、どこか虚しい。石川も何か影響で楽器を始めたりしてないだろうか?)

    山口(きっかけはちょっと恥ずかしいかもしれねえが、話してみる価値はある……)

    89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 07:50:39.63
    次の日

    山口「なあ、石川よ。その……ちょっと、けいおんについて聞きたいんだけどよ」

    石川「え? ど、どうしたんだよ山口……」

    山口「……」

    石川「え、えっとだな。けいおんって言うのは女子高に通うメンバーが音楽を通して……」

    山口(違う、そんな事を聞きたいんじゃねえ)

    山口「なんでも、楽器を使うらしいじゃねえか?」

    石川「あ、ああ。メンバーが使っているのと同じ楽器が飛ぶように売れたって話だ」

    山口「ほう……当然、お前も買ったんだろうな?」

    90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 07:55:32.22
    石川「あ、ああ。でもよ……けいおんがきっかけで楽器を買ったなんて恥ずかしくてよ……」

    山口「……いいんじゃねえか、別によ」

    生徒「お、おいあの山口が……」

    山口「いいじゃねえか。きっかけはけいおんです、好きなら堂々としていろや」

    石川「や、山口……」

    山口「……なあ、石川よ。その気持ちはちょっと俺にもわかるぜ。その、胸が燃えるような衝動って言うかな」

    石川「わ、わかってくれるのか?」

    山口「おうよ、好きならそれでいいじゃねえか。実は俺も……ちょっと買っちまったもんがあってな」

    石川「や、山口もか!」

    91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 08:00:24.01
    山口「ああ、俺のこの……」スッ

    山口(石川を誘って正解だったな。あいつの反応……本物だ)

    石川「じ、実は……ほら、見てくれよ山口。このタクアン!」

    石川「不思議だよなあ、けいおん見てから何かタクアンが食べたくて食べたくて……なんでだろうな」

    石川「いやあ、けいおんってホントにすげえよな」ポリ ポリ


    山口「……」


    ベンチ

    山口「お前のがすげえよ……」

    楽器→タクアン。

    92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 08:06:58.74
    神山「楽器は買えなかったけど、いい勉強にはなったね」

    林田「やっぱり本物は違ったよな」

    フレディ「……」

    ゴリラ「……」

    子分「お前ら、楽器はどうするんだよ」

    林田「どうするも何も、ポンと買える値段じゃないからな」

    北斗「ううむ。ベースなら二本余っているが……」

    前田「そうなのか?」

    北斗「うむ、澪と同じではないが……一応ある」

    林田「でもよお、ベース二人って多いんじゃねえの?」

    神山「そうなのかい、北斗君?」

    北斗「う、ううむ……」

    ガラッ

    マスクド「音楽の事なら……俺に任せな」

    神山「え?」

    94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 08:11:58.90
    林田「マスクド」

    マスクド「さっきから聞いてれば……なんだお前ら。音楽なら一声かけてくれよ」

    北斗「貴様は経験者か? 即戦力以外はお断りだ」

    マスクド「フッ……」

    ギュ ギュ ギュィーン

    林田「マ、マイギターだ」

    子分「それも、ちゃんとアンプにまで繋いでやがる」

    マスクド「……この程度で驚くようじゃあ、レベルが知れるぜ」

    北斗「ぐ、ぐぅ……」

    林田「結構弾いてる感じだな」

    マスクド「ああ、もう二十年間このギターとは一緒さ……」

    前田「いや、俺たちまだ高校生なんだが……」

    神山「これでギターの心配は無いね」

    95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 08:16:51.93
    マスクド「で、さっきベースがどうとか言ってたが……そもそもお前ら、どういう曲がやりたいんだ?」

    林田「曲?」

    マスクド「ただ楽器弾いておしまい、じゃねえだろ。何か曲をみんなでだな……」

    子分「……」

    マスクド「おい、まさか何も考えてないんじゃないだろうな」

    北斗「やりたい曲なら、ある」

    マスクド「ほう……その曲は? やっぱりロックか? 思いきってパンクでも俺はいいぜ」

    北斗「……ふわふわ時間、だ」

    マスクド「……は?」

    北斗「ええい、何度も言わせるな! ふわふわ時間だ!」

    マスクド「いや……なんだよそれ」

    96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 08:22:53.31
    唯『ああか~みさま、お~ねがい。ふたり~だ~け~の~♪』

    マスクド「……」

    唯『ふわっふわタ~ァイム♪』

    北斗「どうだ、素晴らしい曲だろう」

    子分「憧れますよね」

    マスクド「……なあ北斗よ、これは何の冗談だ」

    北斗「む?」

    マスクド「俺は音楽をやるためにここにいる。それなのに、なんだこの腑抜けた曲は」

    北斗「貴様、HTTを愚弄するとはいい度胸だな。そういう時は決まっていう台詞がある……『屋上』とな」

    マスクド「……」

    マスクド「チッ、ギターまで持ってきてバカみたいだったぜ」クルッ

    北斗「ま、待て貴様。逃げるのか」

    マスクド「馬鹿馬鹿しくてやってられん、じゃあな」

    マスクド「お前らも、そんなガキっぽいアニメは卒業するんだな」

    97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 08:32:16.96
    その夜

    マスクド「チッ、あんなことがあったせいか眠れねえ」

    マスクド「……テレビでも見るか」

    ピッ

    唯『けいおん!』

    マスクド「うおっ! ……ちっ、脅かすなよ。ふん、深夜アニメか……まあ、他に見るのも無いしな」

    唯『……U&I!』

    ワー ワー

    マスクド「フン、学園祭でバンドか。アニメにはありがちなパターンだな」

    ジャーン ジャーン

    マスクド「……最近のアニメは、イヤに楽器の描写にまで拘っているんだな」

    唯『キミがいないとなにもできないよ』

    唯『キミのご飯が食べたいよ』

    マスクド「……」

    99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 08:38:26.34
    唯『目を閉じれば、君の笑顔輝いている……』

    マスクド「……」



    次の日

    マスクド「……」

    北斗「む? なんだ貴様、まだ俺たちの音楽活動に文句があって……」

    マスクド「北斗、俺を殴ってくれ」

    北斗「む?」

    マスクド「昨日、偶然けいおんを見てな……その、不覚にも感動してしまって……」

    マスクド「偏見で変な事ばかりを言ってしまい、すまなかった。俺を殴ってくれ、でないと気が済まん」

    北斗「……フン」クルッ

    マスクド「な、なぜだ北斗。なぜ殴らない!」

    北斗「けいおんを分かり合える者同士で殴って何になる。俺たちは楽器で語ればいい……違うか?」

    マスクド「北斗……」

    101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 08:47:34.76
    神山「そうだよ、これで僕たちは仲間だ」

    マスクド「神山……」

    林田「ギター、教えてくれよな」

    マスクド「林田、もちろんだとも」

    前田「経験者はありがたいな」

    子分「全くだぜ」

    フレディ「……」コク

    ゴリラ「ンゴ」

    北斗「よおーし! クロマティ高校新けいおん部……ファイトだ!」

    全員「おおー!」

    前田「……あれ、メカ沢は?」

    神山「……あ、楽器屋に忘れてきちゃったみたい」


    メカ沢(ドラム)『……』

    店員(……どうすんだコレ)

    さすがの店員も困惑気味。

    103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 08:51:28.76
    客「このシールド下さい」

    店員「あ、はい。ニ千円です……ありがとうございました~」

    店員「ふぅ……」

    メカ沢(ドラム)『……』

    客「あ、すいません。このドラムなんですけど、値段が貼ってなくて……」

    店員「あ、すいません。それ展示してるだけなんですよ~」

    客「あ、そうなんですか、分かりました」

    メカ沢(ドラム)『……』

    店員「そろそろ閉店かなあ……」

    店員「今日も一日、お疲れ様、と」

    ガラガラ

    104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 08:56:04.41
    店員「……って、違う!」

    メカ沢(ドラム)『……』

    店員「もう、なんでずっとここにいるの! ねえ、君歩いてたよね、お店入る時!」

    メカ沢(ドラム)『……』

    店員「あれからずっと喋らないし、でも北斗さんの連絡先も知らないし……ハァ」

    店員「まあ、必要なら取りに来るよね?」

    ウィィーン

    店員「あ、すいません、今日はもう閉店で……」

    ゴリラ「……」

    店員「あ、あなたは……あの時の?」

    ゴリラ「……」コクッ

    店員「あっ、ドラムの方に向かって……」

    105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 08:58:49.93
    ゴリラ「……」

    店員「む、迎えに来たんですね。よかったあ」

    ゴリラ「……」フル フル

    店員「えっ、何か運ぶための台車ですか?」

    ゴリラ「……」コクッ

    店員「ま、待ってて下さい。店の裏から持ってきますんで……」タタタッ



    106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 09:05:18.46
    店員「よかったあ、このままずっと置いておくわけにもいかないし……あのゴリラ、いいとこあるんだな」ガラガラ

    店員「……やっぱりスティック食べなければいい人なんだな、うん」

    店員「スティックの弁償も考えていたけど……もういいや、へへっ」ガラガラ


    店員「お待たせしました! こちら台車になりま……」

    メカ沢(ボロボロ)『……』

    店員「……」


    店の裏

    店員「あいつ何しにここまで来たんだよ……」

    そして誰もいなかった。

    107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 09:11:05.98
    次の日

    神山「あのおすいません。ここにメカ沢君はいるでしょうか」

    店員「あ、クロマティ高校の……」

    林田「ん、神山。あれじゃないか?」

    メカ沢(ボロボロ)『……』

    神山「これはひどい。あちこちにかじられた痕があるよ」

    店員「い、いやあ。お宅のゴリラがね……昨日どうやら噛んじゃったみたいでして」

    林田「ああ、またゴリラか」

    神山「ま、何にしても……こうしてまた会えて嬉しいよメカ沢君」

    ドラム『』

    店員「あ、あの。それは普通のドラムなんですけど……」

    林田「ははっ、神山。間違えるなんてらしくないぞ。な、メカ沢も笑ってやれよ」

    トランペット『』

    店員「いや、それも違いますし……ていうか、形も全然……」

    108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 09:16:34.33
    神山「林田君、ふざけてないで。早くメカ沢君を連れて帰ろうよ」

    ドラム『』

    店員「だから、違うって言ってるでしょうが! ワザとやってるんですか!」

    客「すいません~、レジお願いします」

    店員「……とにかく、台車がありますから、早く連れて帰って下さいね」

    神山「はい」


    ……

    店員「ありがとうございました~」

    店員「フゥ……さて、あのドラムが無くなって空いたスペースは、と」

    メカ沢(ギター)「……」

    店員「……」


    店の裏

    店員「ギターって何だよ……」

    一体何があった。

    115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 09:35:10.53
    北斗「……で、結局この新型ドラムを持ってきたわけか」

    神山「はい」

    子分「いや、普通に犯罪だろ……」

    林田「こ、このトランペット音が出ねえんだけど……」

    前田「林田は放っておくとして、メカ沢は結局どうするんだよ」

    神山「彼なら大丈夫でしょう。楽器としてたくましく強く生きていけるはずです」

    前田「お前ってたまにひどいよな……」

    北斗「しかし、これで大体楽器の担当も決まってきたな」

    マスクド「……どういう振り分けなんだ」

    北斗「うむ。まず俺がボーカル兼キーボードだ」

    マスクド「……まあ、まずは聞こう。他は?」

    北斗「以上だ」

    マスクド「は?」

    116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 09:40:43.98
    北斗「俺の担当はもう決まっている。あとはお前たちが好きにやればいい」

    マスクド「……そいつは賛成できねえな。なあ北斗よ、そもそもバンドをやるからにはよ……皆を引っ張るリーダーがいるんじゃないのか?」

    北斗「リーダーだと? それはもちろんこの俺こそがリーダーに」

    マスクド「音楽の知識も無いのに、リーダーシップなんてはれるのかよ?」

    北斗「無論だ。俺は帝王学を学んでいるからな、この程度のリーダーなど……」

    マスクド「なあ、お前はよ。リーダーなんて簡単だと思ってやしないか?」

    北斗「何だと?」

    マスクド「確かに、けいおんを見てりゃあリーダーなんて名前ばかり……りっちゃんもそんなにリーダーらしい働きはしてないように見えるかもしれねえ」

    117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 09:45:32.80
    マスクド「でもよ、実際は練習の描写が省かれているだけであって……相当な練習をしないとあんな演奏はできないぜ」

    北斗「む」

    マスクド「もちろんアニメだからって部分はある。だがな……楽器をやるからには、練習しないと上手くはならない」

    マスクド「その練習を効率よく運ぶ事、それがお前に出来るのか?」

    北斗「うぬぬ、言わせておけば……」

    神山「……あの。ちょっといいでしょうか」

    マスクド「神山か」

    神山「実は、僕もずっと疑問に感じていた事があるんですけど、いい機会なのでぶちまけたいと思います」

    北斗「この際だ、何でもこい」

    神山「ではですね……このグループの名前はどうするんですか?」

    119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 09:49:40.02
    マスクド「なるほど、名前か」

    神山「放課後ティータイム、のような気のきいた名前があればやる気も変わると思うんですけど」

    北斗「ううむ、その辺りも話さねばならないな。よし、今日はこのまま会議だ」

    マスクド「俺たちの将来のためだ。トコトン話し合おうぜ」

    神山「では、まずこのグループの名前から。何か意見のある人はいますか?」

    前田「なんでお前が仕切ってるんだよ……」

    神山「そこ、私語は止めて下さい」

    北斗「やはり、俺たちだとアピールできる名前がいいだろうな」

    120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 10:04:01.52
    神山「そもそも、グループには色んな名前があります」

    神山「ただ単語だけのグループもあれば、例えば名前の頭文字を並べていたりとか……言葉遊びになっているモノとか」

    北斗「頭文字か」

    神山「僕たちの頭文字は『KKMMMHFG』になりますね」

    前田「偏ってるな」

    神山「これは却下ですね」

    北斗「ではこういうのはどうだ。『北斗と愉快な仲間達』だ」

    神山「ええと、他に何か意見がある人はいませんか」

    北斗「ぐぬっ、無視とはいい度胸だ」

    林田「……なあ、彼女たちはよく放課後にお茶を飲んでたから『放課後ティータイム』なんだろ」

    121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 10:09:41.26
    子分「まあ、さわちゃんが勝手に決めた名前だけどな」

    北斗「それがどうしたと言うのだ?」

    林田「じゃあよ、俺たちのよくやっている行動を名前にすれば分かりやすいんじゃないか?」

    マスクド「なるほど、似た感じにはなるかもしれんがかえって覚えやすいかもしれん」

    神山「では、意見をお願いします」

    北斗「本家が『放課後』と時を示す言葉なのだから俺たちも当然……」

    前田「でも最近は一日こうやって音楽の事を話しているよな」

    マスクド「じゃあ……『丸一日音楽タイム』か?」

    林田「それはさすがにダサくねえか?」

    神山「ううむ、響きも考えるとなると難しいね」

    122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 10:15:54.03
    ゴリラ「……」サラサラ

    フレディ「……」サラサラ

    神山「んっ、二人とも何を書いているんだい?」

    ゴリラ・フレディ「……」スッ
    神山「これは……バンドの名前? なになに……『青春クロマティー』に『クイーン』?」


    マスクド「へえ、二人とも意外とセンスあるじゃねえか。俺の意見より全然マトモだぜ」

    前田「どっちか一つか」

    北斗「ふむ、他に意見がなければその二つのうちの……どちらかに決定だ」

    ……。

    神山「では多数決をとります」

    124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 10:23:38.23
    神山「名前は青春クロマティー、がいい人は挙手をお願いします」

    ……ススッ。

    神山「ん、全員挙手かい?」

    林田「ああ、なんかクロマティの汚ならしいイメージを拭ってくれるような……そんな感じがしてな」

    北斗「うむ。学生の時は少しくらい恥ずかしいので丁度いい」

    子分「雰囲気も放課後ティータイムに似てますしね」

    前田「て言うかクイーンんてよ……」

    神山「では、僕たちのグループ名は『青春クロマティー』に決まりました。意見を出してくれたのは……えっと?」

    フレディ「……」スッ

    神山「では、フレディに拍手をして今日はお開きとしましょう」

    パチパチ パチパチ

    前田「……」


    ベンチ

    前田「なんだろうなあ、この気持ち……」

    クイーンて書いたのゴリラかよ。

    128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 11:01:07.92
    誤字はごめんね

    夜まで出かけます。
    残っていたら

    158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 20:10:00.50


    北斗「ふむ、結局あのまま解散という形になってしまったな」

    子分「この後どうします?」

    北斗「そうだな……楽器屋は前も行ったし、帰るか」

    子分「あ、ちょっとベースとか練習したりしないんですか?」

    北斗「たわけ。もう部活の時間は終わったんだ、練習の必要などあるまい」

    子分(うわあ、出たよこういう性格)

    北斗「まあ、何もなければこのまま帰って……」

    スッ

    佐田「……よう、久しぶりだな」

    北斗「な……」

    子分「あっ……」

    北斗「お、お前は……」

    161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 20:16:24.76
    北斗「……すまん、誰だっけ?」

    佐田「……おいおい、俺を忘れてるのか?」

    北斗「おい子分、お前はこいつを知ってるか」

    子分「確か、肉屋の……」

    北斗「肉、だと……」

    佐田「そして北斗軍団のナンバー2……佐田だ」

    子分「て、てめえ。今さら何しに来やがった!」

    佐田「なあに、偶然さ。ちょっと挨拶でもと思ってな」

    子分「ふざけんな! お前がノコノコと北斗さんの前に出て来られると思ってるのか!」

    北斗(……こいつ、もう肉の事は気にしていないようだな)

    佐田「おいおい、そんなにいきり立つなよ」

    子分「うるせえ! さっさとここから去りやがれ!」

    佐田「……ん、お前が背負っているの、もしかしてギターか?」

    163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 20:21:17.45
    子分「それがどうしたってんだ!」

    佐田「……いや、じつは最近俺も楽器を始めてな。ちょっと気になっただけさ」

    北斗「ほう……」

    佐田「恥ずかしい話、漫画がきっかけでよ……まあ、身内でちょくちょく練習とかもしてるわけよ」

    北斗「佐田よ、それはもしやけいおんという漫画では無いのか?」

    佐田「……さすがだな。当たりだ」

    北斗「ふっ、当然だ」

    北斗(佐田もけいおんに影響されて楽器を始めていたのか……案外、この話題で俺たちの溝は埋まるのかもしれん)

    北斗「佐田よ。今時間はあるか? よければそこのファミレスでけいおん談義をだな……」

    子分「北斗さん!」

    北斗「むっ?」

    164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 20:28:33.61
    子分「こんな奴とけいおんを語る事なんてないですよ! 身内で練習してるって言ってもどうせ雑談だけに決まってます!」

    佐田「いやあ、今度小さなライブハウスで歌うんだよ、よければ北斗も暇潰しに来てくれよ」

    北斗(むう、敵対している俺でさえ誘うか……やはり佐田は大した奴だ)

    子分「へっ、死んでもお前とは語り合う口は持たねえからな!」

    北斗(それに比べてこいつは……なんと小さい)

    北斗(……まあ、肉に釣られる事が無くなっただけマシか)

    166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 20:35:18.54
    佐田「あ、そうだ。そのライブでちょっとだけ臨時収入が入るんだ……っても本当に雀の涙程度だけどな」

    北斗「ほう、金が取れるなら大したモノじゃないか」

    佐田「ま、はっきり言って使い道もねえんだ。どうだい、これから飯でもいかねえか? 勿論俺が奢るぜ」

    北斗「佐田……見上げた奴だ」

    佐田「ついでに、けいおんや音楽の話でもしながら、よ」


    168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 20:35:58.08
    子分「だーかーら! 俺たちは行かねえってんだろうが! 何がけいおんを語ろうだ、ふざけんな!」

    佐田「……落ち着けよ。バンドのメンバーがやっている焼肉屋があるんだ。どうだ、そこで話さないか?」

    子分「えっ」


    焼肉屋

    子分「あ、すいません、カルビ五人前追加で」

    店員「はっはっはっ、じゃんじゃん食いねえ食いねえ」

    北斗「……」


    トイレ

    北斗「結局肉じゃねえか……」

    肉>>>>けいおん

    170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 20:40:54.91
    焼肉屋

    北斗「……」ジュウッ

    子分「……」ヒョイッ パクッ

    佐田「どうだ、うめえかよ」

    子分「ああ、最高だぜ!」ヒョイッ パクッ

    北斗「……」ジュウッ

    佐田「そいつはよかった。ま、音楽っていう共通の趣味があるんだ……しばらくは休戦といくかい、北斗さんよ」

    北斗「う、うむ」ジュウッ

    子分「いやあ、けいおん様々ですね、北斗さん」パクッ

    北斗(だから、俺が焼いてるそばから食ってるんじゃねえ!)

    佐田「……ん、どうした北斗。あまり箸が進んでないようだが」


    171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 20:56:19.53
    北斗「い、いや。今は食うよりも語りたい気分なんだ」ジュウッ

    佐田「ああ、音楽……もとい、けいおんの話か」

    子分「あ、北斗さん。そこのタン塩焦げそうですよ」

    北斗(……もうこいつは無視だ)

    北斗「で、佐田よ。お前は何の楽器を担当しているのだ」

    佐田「俺は、ベースとボーカルさ」

    北斗「ほう、澪と同じポジションか。では、好きなキャラも澪なんだな」

    佐田「……いや、そいつはちょっと違うんだ」

    北斗「む?」

    子分「……あれ、ミノなんて頼んでないですよ。北斗さん、ちょっと店員に文句言ってきて下さいよ」

    北斗(いいからお前は焦げたタン塩でも食っていろ)



    173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 21:03:03.77
    佐田「確かに、澪は可愛いだが……俺は和ちゃんやさわちゃん先生の方に心を惹かれる」

    北斗「ほう……」

    佐田「けっしてよ、人気があるキャラが苦手とかじゃねえんだ。ただ、俺は……」

    子分「ああ~、確かに競争率は低い方がいいもんな」

    北斗(ええい、無視だ無視)


    北斗「佐田よ……お前の気持ちはよくわかるぞ」

    佐田「なにっ?」

    北斗「好きになってしまったものは仕方ないだろう。それを気にやんでいても杞憂というモノだ」

    佐田「北斗……」

    北斗「生徒会、先生、クラスメイト、モブキャラ、結構ではないか。胸を張って好きと言える……それだけの魅力がけいおんキャラにはあるのだ」

    北斗「主役たち意外にも、な」

    佐田「北斗……」

    174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 21:12:04.14
    佐田「……」ガタッ

    北斗「む、どうした、トイレか?」

    佐田「いや、今から練習だ……お前のお陰で、胸の奥のモヤモヤが吹き飛んだみたいだぜ」

    北斗「佐田……」

    佐田「ライブ、よかったら見に来てくれよな」

    北斗「うむ、貴様のデビュー姿を見せてもらうぞ」

    佐田「フッ……」


    子分「……なんだか、あいつ変わりましたね」

    北斗「そうみたいだな。これもけいおんの成せる技か」

    子分「……俺たちも、少し練習したくなりましたね」


    175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 21:12:55.58
    北斗「奇遇だな、俺もちょうどそう思っていたところだ」

    子分「へへっ、じゃあ……」

    北斗「うむ。行くぞ、俺たちのけいおん部へ……」

    子分「あ、あとホルモンだけ食べたいんで。すいませ~ん、網交換してくださ~い」

    北斗「……」


    トイレ

    北斗「あいつメンバーから外そうかな……」

    ホルモン>>>>練習

    178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 21:20:46.05
    マニエル高校

    生徒「……でよお、そいつスイカと天ぷら食っちまってマジで腹痛起こしてんだよ」

    生徒「ぎゃははははっ」

    藤本(……チッ、相変わらずつまんねえ会話してやがる)

    生徒「なあ、藤本もおかしいと思うだろ~。スイカと天ぷらなんてよお」

    藤本「……お前ら、そんな会話していて楽しいのか」

    生徒「え?」

    藤本「スイカと天ぷら食ったら腹が痛くなった? その話を俺にしてなんの得があるってんだ、あ?」

    生徒「い、いや、面白いかなって……」

    藤本「面白けりゃあなんでもいいのかよ。そんな生産性の無い……ガキみてえな会話していて恥ずかしくねえのか」

    生徒「う、うう……」

    生徒「相変わらず藤本は考え方が硬派だな……」

    付き人「……」

    182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 21:26:47.34
    藤本宅

    藤本「ふう……やっと学校が終わったな」

    付き人「……」

    藤本「そして、今の俺の手元には、今巷で大人気と言われている、けいおんの漫画があるわけだ」

    藤本「サトリンさんを始め色んな人がネットでオススメしていたのに釣られて…ついに俺もけいおんデビューだ」

    付き人「……」

    藤本「見たところ、この女の子達を中心に話が進むようだな。以前の俺なら表紙で毛嫌いをしていたが……」

    藤本「プラズマ戦記を読み続けている俺には、大抵の『萌え』要素のクリアは可能だろう」

    付き人「……」

    藤本「では、早速……」

    ペラッ。

    185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 21:31:11.05
    藤本「ふむ、桜ヶ丘高校……女子高か。なるほど、余計な男キャラを出さない舞台設定だな」

    藤本「ほう……これが唯か。少し幼いがそこが可愛らしいのだろう」

    唯『うんたん♪ うんたん♪』

    藤本「……なるほど、これがうんたんの元ネタか」

    藤本「チャットで、俺以外のユーザーがうんたん、と言い出した時はさすがに焦ったが……知ってしまえば何てことはない」

    藤本「……今度俺も使ってみるかな」

    付き人「……」

    187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 21:35:06.03
    藤本「……」ペラッ

    藤本「ふむ、人見知りで大人しい澪、元気っ娘な律、お嬢様の紬と……唯以外にも個性的な子が揃っているんだな」

    藤本「それぞれ根強いファンがいるのにも納得ができるな」


    付き人「……」

    藤本「まあ、メインキャラはとりあえずこんな所か。とりあえず、この一巻しか持っていないからな……後はじっくりと話を読むとしよう」

    ペラッ

    ペラッ

    188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 21:39:47.24
    藤本「ふぅ……ライトノベルと違い、漫画なのでスラスラと読めてしまった」

    藤本「……」

    藤本「とりあえず、この一巻だけでは掲示板のみんなが言っていた『感動』には巡り会えなかったわけだが」

    藤本「しかし手元には二巻以降が無い……」

    付き人「……」

    藤本「ん?」


    ……。

    藤本「よし、これで全巻だな」

    付き人「……」←買ってきた


    191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 21:44:17.69
    藤本「ほう、新キャラはあずにゃんと言うのか。更に幼い雰囲気で……ツインテール娘か」

    藤本「……そうか。今までメンバーが全員集まっていなかったから本編が始まってなかったんだな」

    藤本「これからは、しっかり後輩……あずにゃんにもギターを教えて本格的に音楽活動をしていくんだろうな」

    藤本「全く、一巻は前座みたいなものか。いや、確かに音楽も多少はやっていたが……如何せん四コマ漫画では分かりにくい」

    藤本「……まあ、全てはこれからか」ペラッ

    付き人「……」

    193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 21:50:32.33
    藤本「ふぅ。これで全部か」

    藤本「確かに、音楽っぽい事もしていたが」

    藤本「基本的にこいつらお茶飲んでダベっているだけじゃねえか……」

    藤本「いやいや……プラズマ戦記に耐えた俺でも……」

    藤本「……まあ、確かにギャグや日常の雰囲気がいいんだ、と言ってしまえばそれまでだが」

    藤本「感動……ううむ……」

    付き人「……」

    藤本「……こんな時の掲示板か」

    195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:00:51.92
    イレブンPM『今晩は! 皆さんにオススメしてもらった『けいおん』を一気読みしてテンションの高いイレブンPMです(笑)』

    イレブンPM『いや~、女の子可愛かったですね。でも、プラズマ戦記などの冒険物と違ってちょっとマッタリしすぎてるのが……(汗) 皆さんが、感動したシーンってドコですか? ぜひぜひ教えて下さいませ☆』


    藤本「……とりあえずこんな所だろう。批判だけでなく、質問とキャラを誉める。これなら反応が荒れる事もあるまい」

    藤本「……ん。早速レスか、さすがけいおん、食い付きも早い」

    澪タソモエ『冒険物? 何言っちゃってんの? けいおんはあの部室に女の子がいるだけで充分なんですよ?』

    澪タソモエ『それをマッタリしすぎだとか、ただ女の子が可愛いとか……本当に全部読んだんですか? 澪タソがいるだけで感動シーンでしょうが!』

    藤本「……」

    196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:08:27.19
    藤本「むう……この変なHN(ハンドルネーム)の奴に始まり誹謗中傷の嵐が……な、なぜだ!」


    イレブンPM『だって、中身が無さすぎますよ! ただ話してお茶を飲んで……たまに音楽をするだけなんて……少なくとも感動はできません!』

    『中身(笑) 感動できません(キリッ)』

    藤本「くっ……こいつらあ!」

    管理人『お待ちください』

    藤本「む……とうとう管理人さんまで出てきてしまった。ヤバい、掲示板を荒らしたと見なされたらアクセス禁止になってしまうかも……」

    藤本「……とりあえず謝ろう」

    イレブンPM『すいません、僕がけいおんに対して変な事を言ったがタメに……』


    管理人『……いえ、いいんですよ。作品の感想は個人の自由ですから。正直私は全く怒ってはいませんよ』

    藤本「……よかった」

    198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:13:15.59
    管理人『ですが……』

    藤本「む、何だ」

    管理人『確かにけいおんは、プラズマ戦記に比べてしまえば冒険もしないで、ただ女の子がほのぼの話しているだけの普通の漫画です』

    管理人『ですが、けいおんにはけいおんの良さがあります。プラズマ戦記を読み終わった時とは別の……暖かい気持ちがイレブンPMさんの胸の中にあるのではないのでしょうか?』

    イレブンPM『……確かに、僕の気持ちは安心というか、とてもポカポカした気持ちになっているみたいです』

    管理人『ええ、例え中身が無いと周りに言われても……イレブンPMさんの胸の安らぎは本物……それでいいじゃありませんか?』

    藤本「管理人さん……」

    199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:16:36.91
    イレブンPM『今回は僕が子供でした。中身が無いなどと言わず、純粋にけいおんを楽しんでいればよかったのですね』

    管理人『イレブンPMさんは自分でそれに気付けた、それだけでもう立派なHTTの一員だと思いますよ』

    藤本「俺が……一員」

    イレブンPM『はい、ありがとうございます。また掲示板が落ち着いたら顔を出します……今度は、マッタリと中身のないトークでもしましょう(笑)』

    管理人『はい、楽しみにしております。では、また……ノシ』


    藤本「今回はけいおんに色々教えられたな……」

    付き人「……」

    201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:28:15.35
    次の日

    藤本「ふっ、あんな事があったのに、学校に来れば清々しい気分だ。これもけいおんのお陰か」

    藤本「程よい、中身の無さも必要なんだな」

    付き人「……」

    生徒「あ、いたいた。おーい藤本」

    藤本「んっ、こんな朝からどうしたんだ?」

    生徒「いやあ、昨日藤本に言われた事反省してよ……バイト先の店長に、ちょっと中身のある話をしてみたんだよ」

    藤本「」ピクッ

    生徒「そしたら、時給が上がってよ……いやあ、藤本のお陰だよ、ありがとな」

    藤本「……ほう」

    生徒「中身の無い話をするやつはバカだってつくづく感じたよ……」

    藤本「……」ピクッ

    付き人「……」

    202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:30:48.41
    生徒「あ、そうだ、上がった給料で漫画買ったんだけど間違えて二冊買っちまったんだ……お礼として藤本にやるよ」

    藤本「ほう……漫画か、いいな。どんな作品なんだ?」

    生徒「けいおんって言う、スゲー感動する話なんだってよ。中身の無いそのへんの本とは訳が違うって噂の……」

    藤本「ペラッペラだよ馬鹿野郎!」バキッ

    生徒「お、朝から藤本に殴られてるぞ」

    生徒「この光景も久しぶりだなあ」

    付き人「……」

    楽しむ心はどうした、藤本。

    207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:46:54.23
    バンチョーちゃん「……」

    神山「んっ、こんな所でどうしたんだい」

    バンチョーちゃん「……!」

    神山「……ああ、君もけいおんを見たんだね」

    バンチョーちゃん「……」コクッ

    神山「僕たちでバンドをやってるんだけど、よかったらバンチョーちゃんも一緒に……」

    バンチョーちゃん「……!」パァァァ

    208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:52:13.33
    ガラガラ

    林田「おう神山……と、バンチョーちゃんも一緒じゃねえか」

    神山「実は彼がけいおん部に入りたいって言うんだ」

    バンチョーちゃん「……」コクッ コクッ

    北斗「うむ、よかろう」

    前田「嫌にあっさりと決めるんだな……」

    北斗「丁度子分が一人クビになった所だ。それに、このけいおん部は来るもの拒まず、だ」

    林田「えっ、子分がクビ?」

    北斗「ああ、あいつはダメだ。楽器に対する情熱が感じられんからな」

    前田「そうは言っても……いきなりは、なあ?」

    神山「じゃあ、何の心配も無くバンチョーちゃんが入部できるね」

    バンチョー「……」オロオロ

    北斗「はははっ、よし、では今日も活動開始だ」

    209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 22:57:09.10
    バンチョーちゃん「……」ゴニョゴニョ

    神山「えっ、何をすればわからないって?」

    北斗「ふむ……貴様は初日だからな。大人しく見学でもしてるがよい」

    林田「……待てよ北斗、バンチョーちゃんにピッタリの仕事があるぜ」

    北斗「む?」

    林田「ほら、アニメでもやってた……ビラ配りだ。俺たちけいおん部もそろそろ知名度が欲しい所だからな」

    前田「いや、知名度も何も練習すらまともに……」

    北斗「うむ、新入部員でもくれば儲けものだ。よし、では早速ビラ配りだ」

    バンチョーちゃん「……」コクッ

    212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:02:47.81
    北斗「おい、バンチョーちゃんとやら。今日のノルマはビラ配り五十枚だ。全部渡すまで帰ってくるなよ」ドンッ

    バンチョーちゃん「……!」

    北斗「どうした、この程度の仕事が出来ないのか、ん?」

    バンチョーちゃん「……」スッ

    北斗「よし、行ってこい」

    バンチョーちゃん「……」コクッ ダダダッ

    神山「……ちょっと厳しいんじゃないかい?」

    北斗「いや、アイツの目は本物だ。あの程度で音はあげまい」

    前田「いや、目っていうかよお……」

    神山「僕たちも負けずに練習しないとね」

    林田「おう」

    214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:07:32.19
    バンチョーちゃん「……!」

    子分「……ん? そのチラシ……そうか、お前新しくけいおん部に入ったのか」

    バンチョーちゃん「……」コクッ

    子分「そうか……クビになった俺の分まで頑張ってくれや」

    バンチョーちゃん「……」ガシッ

    子分「なんだよ、引き留めるなよ。北斗さんにクビって言われたんだ……もう俺には何もできねえよ」

    バンチョーちゃん「……」スッ

    子分「こ、これは……新入部員届け? 俺に……?」

    バンチョーちゃん「……」コクッ

    子分「……考えとくよ。じゃあな、バンチョーちゃん」

    バンチョーちゃん「……」

    215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:12:13.89
    >>213
    NO


    生徒「おっ、バンチョーちゃん。ん、ビラ配り? へえ、けいおん部ねえ」

    バンチョーちゃん「……」ピラッ

    生徒「あー、最近暇だから冗談で入ってみるかな」

    バンチョーちゃん「……」ピラッ

    生徒「いやあ、バンチョーちゃんが可愛いからつい受け取っちまうぜ」

    バンチョーちゃん「……」ピラッ

    生徒「入部希望者は明日の放課後に北斗の所に行けばいいのか」

    バンチョーちゃん「……」ピラッ

    バンチョーちゃん「……」ピラッ

    ……。

    216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:18:53.55
    次の日

    神山「……昨日はバンチョーちゃん、戻ってこなかったね」

    北斗「俺の見込み違いだったか……」

    林田「まあ、いいじゃねえか。少数精鋭で今日も頑張ろうぜ」

    フレディ「……」

    ゴリラ「ンゴ」

    北斗「うむ……では今日も練習をするとしよう」

    ガラガラッ

    生徒「おい、北斗がいねーぞ」ギュウギュウ

    生徒「あ、足踏むなバカ野郎」ギュウギュウ

    生徒「お、押すな、落ちる落ちる」ギュウギュウ

    生徒「あー、あちー、あちー」ギュウギュウ

    北斗「……」

    ガラガラッ ピシャッ

    217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:21:41.19
    北斗「おい、なんだ今の学生服の塊は!」

    神山「新入部員じゃないの? ここに集合のはずだから」

    北斗「……いや、教室にすし詰めはおかしいだろ。バカかあいつら」

    バンチョーちゃん「……」スッ

    神山「あっ、バンチョーちゃん。え、ビラを配ったらほぼみんな入部希望者になっちゃった?」

    バンチョーちゃん「……」コクッ

    北斗「ふん……下僕が増えたのはいい事だ。今からリーダーの俺が挨拶をしてやる」

    前田「本当に全員入部させるのかよ?」

    北斗「当然だ、来る者は拒まずだからな」

    北斗「よし、場所を体育館に移すぞ。そこで新生けいおん部の集会だ!」

    219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:27:39.13
    体育館

    北斗「……」

    神山「どうしたのさ北斗君」

    北斗「いや、いざ集めてみたはいいが……今からけいおん部の集会をやるという空気では無いという事に気付いてな」

    神山「不良が四十人集まっているだけだからね」

    生徒「早くはじめろよぉ~!」

    生徒「そうだそうだ~!」

    北斗「くっ、うるさい蝿めが……」

    神山「……ねえ北斗君。ハッキリ言って、これだけバカが集まってたら部活どころではないと思うんだけど」

    北斗「……うむ、最もだ」

    神山「僕に考えがあります。やっぱり彼らをテストして必要な人材だけを残しましょう」

    北斗「テスト? しかしこれだけ人数がいたら時間が……」

    神山「まあ、任せておいて下さい」

    224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:37:49.70
    神山「はい、注目して下さい。今から皆さんに一つだけ質問をします。その質問に対して答えが『はい』だったら体育館の左。『いいえ』だったら右側に寄って下さい」

    神山「ちなみにこれは全員参加です。旧けいおん部の皆さんも協力お願いします」

    神山「ちなみに、質問の答えによっては入部を見送らせて頂く可能性がありますので、悪しからず」

    生徒「なんでもいいぜ!」

    生徒「早くしろ~!」

    神山「では……行きます」

    神山『ズバリ、あなたは何か楽器が弾けますか! です。弾けない人は体育館の右に寄って下さい!』

    ……。

    ……。

    225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:39:43.53


    ゴリラ「ンゴ」

    マスクド「……」

    北斗「……」



    残り全員


    神山「……はい、では左にいる人は今回はご縁が無かったという事で。ありがとうございました」


    ベンチ

    北斗「……」

    マスクド「……」

    ゴリラ「……」

    二人と一匹の青春クロマティー。

    228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:47:29.42
    次の日

    北斗「おい神山。昨日のあれはなんだ!」

    神山「えっ、何がだい?」

    北斗「……何がと聞ける貴様の根性が気に入らん」

    神山「……」

    神山「ねえ北斗君。君は一応青春クロマティーのリーダーだったよね」

    北斗「うむ、当たり前だ」

    神山「僕たちがバンドを結成してから何週間も経ったけど、結局君からは何も教わらなかったね」

    北斗「き、貴様が昨日の騒ぎを起こさなければだな!」

    神山「本当なら、旧けいおん部のメンバーはみんな同じ場所に立っているべきだった……違うかい?」

    北斗「ぐっ……」

    230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:51:09.61
    神山「もちろん、リーダーだからといって君だけの責任じゃあない。でも、みんなで音を楽しむ事は出来なかった……それだけじゃないのかな」

    北斗「音を……楽しむ、だと?」

    神山「……だから、北斗君の子分だって離れていったんじゃないのかな。北斗君が音を楽しむ事が出来ないのを見て、ね」

    北斗「……」

    神山「じゃあ、僕は帰るから。また明日」

    スタスタ

    北斗「あ、ま、待て……!」

    ……。

    北斗「……くっ」

    231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/01(水) 23:54:37.36
    教室

    ゴリラ「……」

    北斗「……むっ、今日はゴリラだけか。マスクドはどうした」

    ゴリラ「……」スッ

    北斗「これは……退部届けだと!」

    ゴリラ「……」

    北斗「……」

    北斗「今日は、もう解散にしよう。お前も家に帰るがよい」

    ゴリラ「……」

    北斗「行け、この北斗に同情など無用だ」

    ゴリラ「……」スタ スタ

    233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:00:26.43
    楽器屋

    店員「あ、いらっしゃい。お久しぶりですね北斗さん」

    北斗「うむ……しかし、俺がここに来るのも今日で最後になるだろうな」

    店員「えっ、何かあったんですか?」

    北斗「うむ、実はな……」

    ……。

    店員「そうですか、部が壊滅状態に……」

    北斗「全て自分で招いた結果だ。後悔などはしていない」

    店員「いやあ、楽しみだったのになあ。北斗さんたちの演奏聞くの」

    北斗「仲間がいなければ……けいおん部は終わりだ」

    店員「……」

    北斗「というわけで、このキーボードとベース二本を引き取ってくれ。金などいらん……近くにあると辛いんだ」

    店員「北斗さん……」

    北斗「では、さらばだ店員よ。世話になったな」

    234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:08:14.56
    北斗「ふふっ、これで本当に手ぶらか。この方が体が軽くて済む」

    北斗「……」

    北斗「……この俺がバンドを組むなど、バカな夢だったのかもしれんな」

    店員「そんな事ありませんよ」

    北斗「むっ、いつの間に……。なんだ、まだ何か用か?」

    店員「これ……僕には受け取れません。返しにきました」

    北斗「……いらん。ベースもキーボードも、もう必要ない」

    店員「キーボードもベースも、かなり練習していた跡がありまして……お店では受け取れませんでしたよ」

    北斗「……下らん」

    店員「みんなの前で発表とかはしたんですか?」

    北斗「俺は帝王だ。半端な状態で発表などはできん」

    店員「……」

    235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:15:28.82
    店員「とにかく、これは返しますよ。一度みんなに発表を見てもらえば……あるいは」

    北斗「俺一人では何もできん。もういいんだ、終わった事だ」

    店員「……」

    ダダダダダッ

    北斗「む……」

    子分「北斗さーん! 俺を新入部員として入れてくださーい」

    北斗「お、お前は……!」

    子分「あれから、必死でギター練習したんですよ! これで俺をけいおん部に……」

    店員「北斗さん」

    北斗「……ふふっ、店員よ。ベースとキーボードを貸せ!」

    店員「はいっ。あとこれを……」

    北斗「このギターケースは?」
    店員「お守りみたいな物です。中身も入ってますから、注意して下さいね」

    北斗「……礼を言う」

    236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:21:39.09
    次の日

    北斗「……」

    子分「……」

    林田「どうした北斗。まだギターなんて持ってるのか?」

    前田「けいおん部は無くなったんだからよ……早くそんな物……」

    神山「林田君、前田君……」

    林田「……わかったよ、そう睨むなって」

    北斗「……みんなに言いたい事は色々ある。だが、俺はけっしてこの場で謝罪はせん!」

    神山「……」

    北斗「今の俺に出来るのは、音を楽しむ事だけだ! それでしか語る口は持たん!」

    子分「北斗さん!」

    北斗「うむ」ジィィーッ

    北斗「頼むぞメカ沢」

    メカ沢(ギター)「ヘヘッ、盛り上がってきやがったぜ!」

    北斗「行くぞ! これが俺たち、青春クロマティーの『ふわふわ時間だ』」

    240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:27:57.65
    ……。

    北斗「ハァ……ハァ……」

    メカ沢(ギター)「いいソウルだったぜ……」

    神山「……」スッ

    北斗「か、神山……」

    神山「……」パチ パチパチ パチパチ

    林田「カッコよかったぞ!」パチパチ

    ゴリラ「ンゴ、ンゴ」パチパチ

    フレディ「……」パチパチ

    マスクド「……やるじゃねえか、北斗」

    神山「リーダーらしい、素晴らしい演奏だったよ北斗君」

    北斗「神山……」

    神山「それで、実は僕たちも青春クロマティーに再入部したいんだけれども」

    241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:30:00.28
    林田「今度はちゃんとギター教えてくれよ!」

    バンチョーちゃん「……」ウルウル

    前田「頼むぞ北斗」

    北斗「ああ……ああ」

    北斗「よし、じゃあ……青春クロマティー……ファイトー!」
    全員「おおー!」

    243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:35:31.35
    前略 お袋様。

    今日も僕たちは元気です。

    放課後いつものように集まっては、いつもと何も変わらない雑談をする日々なのですが。

    これもアリかなと思っています。

    では、今度のライブの練習があるのでこの辺で失礼します。


    P.S 実はライブなんて嘘です。

    P.SのP.S 今度プータンがギター片手にメジャーデビューをするそうです。


    では、ごきげんよう。


    おわり

    246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:47:11.99
    ギャグ路線でずっとやりたかったけど、眠気でダウン。

    読んでくれた、保守の人ありがとう

    249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 00:55:06.19
    正直、藤本ネタはもっとたくさん書きたかった。それだけが無念

    263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 13:09:36.52
    >>262

    野中「……という漫画を描いたんだけどどうかな?」

    編集「……いや、ダメに決まってるじゃないですか」

    野中「どうして?」

    編集「どうしても何も、他誌のキャラクター出ちゃってるじゃないですか」

    野中「名前だけだよ、俺描いてないし」

    編集「いや、八頭身のけいおんキャラなんて見たくないですよ」

    野中「いや、だから俺描かないってば」

    編集「いや、だからそういう問題じゃなくてですね……」

    272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 20:18:20.11
    野中「……」

    野中「じゃあよ、一体どうすればこれは本誌に載るんだよ」

    編集「とりあえず、けいおんキャラの名前がある時点でダメですよ。許可って言っても、他誌ですからやはり……」

    野中「……」

    野中「け○おん、とか」

    編集「いや、○使ってる時点で本物名指ししている状態ですから……」

    野中「……」

    野中「漫画ってめんどくせーな」

    編集「けいおんキャラにこだわらなければ大丈夫ですってば」

    野中「いや、だから八頭身のけいおんキャラなんて描かないよ」

    編集「ああっ、もうっ!」


    話進まねえ。

    275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 21:19:43.36
    藤本「……」

    生徒「でよお、澪ちゃんが最高なんだって!」

    生徒「いやあ、そこはやっぱり律だろー」

    藤本(いつの間にかうちのクラスでもけいおんがブームになってしまっている。それもこれもアイツが漫画なんぞを買って広めるから……)

    アイツ「いや、唯に決まってるだろ! 憂も最高だし、マジ半端ねえよ!」

    生徒「いやあ、お前がけいおん薦めてくれたお陰だよ」

    アイツ「はははっ、俺敏感には流行なんだよ」

    藤本(くっ……なにが敏感だ。もうアニメは二期までやっているのに、つい最近けいおんを知ったばかりじゃねえか!)ピリピリ

    生徒「なあ、藤本もけいおん読んでみろよ」

    藤本「……!」

    ドガッ!

    生徒「い、いてえ!」

    アイツ「バカだな、藤本はけいおんが嫌いなんだよ。それに、藤本がけいおん読むわけないだろ~」


    276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 21:25:54.36
    藤本(違う……俺はけいおんが嫌いじゃない。むしろ大好きなくらいだ)

    藤本(既に、アニメ一期は保存用と鑑賞用で購入済み。最近漫画でハマった貴様らとはワケが違うんだ)

    アイツ「ほら、こっちで唯の素晴らしさについて語ろうぜ!」

    生徒「おっ、けいおん談義か、いいねー」

    藤本(……出来る事なら、俺も交ざりたい、が)

    アイツ「だから唯ちゃんがよ~」

    生徒「あずにゃん最高に決まってんだろ!」

    藤本(……今さらキャラについてこいつらと語り合う気にはなれん)

    藤本(だが、こいつらをニワカと笑ってはいけない。あいつらにはあいつらの楽しみ方がある)

    藤本(俺は俺で、一人けいおんの魅力を噛み締めるだけだ)

    278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 21:47:13.45
    藤本(しかし、アニメで見るとやはりまた違った魅力があるものだ。最近は楽器を購入する事を考えているくらいだ)

    生徒「はははっ」

    アイツ「……なあ、ちょっと相談があるんだけどよ」

    生徒「ん、どうしたよ?」

    アイツ「せっかくけいおんにハマったんだからよ、俺たちもバンド組まねえか?」

    藤本「……!」

    生徒「お、いいねえ!」

    生徒「じゃあ俺、あずにゃんのマスタングやるぜ!」

    アイツ「じゃあ俺レスポールゥ!」

    藤本(……バカ野郎、マスタングじゃなくてムスタングだ。それにアイツがレスポールだと!)


    藤本(俺の欲しい楽器と被っている……)

    280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 21:55:09.48
    アイツ「よおし! 早速今日の放課後、楽器を見に行こうぜ!」

    藤本(な、なに! もう楽器を買いに……くっ、このままでは俺が楽器を手に入れたとしても、二番煎じみたいになってしまう)

    藤本(……それだけは嫌だ!)

    生徒「あ、悪い。今日は俺都合が」

    生徒「俺もちょっと用事があって、悪いな」

    アイツ「……じゃあ、今日は俺もいいや。明後日みんなで行こうぜ!」

    全員「おう!」

    藤本(……チャンス)

    付き人「……」

    282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 22:10:02.65
    楽器屋

    藤本「……というわけで楽器を見に来たわけだ」

    付き人「……」

    藤本「なるほど、実物を見るとやはり胸から込み上げてくる物があるな」

    藤本「さて、ギターのコーナーは、と」

    付き人「……」

    ……。

    唯『唯のギターだよっ♪』

    藤本「フッ、等身大ポップか、なるほど。さすがブームだけあるってもんだ」

    藤本「しかし、これで探す手間が省けたというものだ。さて、気になる値段だが……」

    『30万円』

    藤本「うむ。けいおんに書いてあった通りだ」

    付き人「……」

    藤本「……よく考えたら、アイツにこれをポンと買えるだけの金があるとは考えられないな」

    283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 22:17:30.47
    藤本「フッ。けいおんで言えば、どこかのお嬢様がこのギターを値引きして数万円にしてくれたりするんだろうが」

    藤本「まあ、俺はそんな妄想はせずに地道に貯めた金でこいつを買う事ができる」

    藤本「……まあ、本当は最新のパソコンを買うための資金だったんだが」

    藤本「しかし、今日は買うつもりが無かったので持ち合わせが無い。次の休みでいいか……」

    藤本「どうせアイツらもこんなに高いギターはすぐには買うまい」

    藤本「よし、決めた。今日はパンフレットだけ貰って帰ろう」

    付き人「……」

    285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 22:23:05.77
    二日後

    アイツ「よし、今日から早速練習するぜ!」

    ピカピカ

    藤本「な……」

    藤本(あ、あれは……間違いない。楽器屋にあった、唯と同じレスポール! アイツ、買いやがったのか)

    アイツ「うおお、なんか興奮するぜ! よおし、早速コードを覚えて……」

    生徒「すげえイキイキしてんなあ」

    生徒「ああ、周りの俺たちまで楽しくなってきたぜ!」

    藤本(……)

    286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 22:26:51.50
    スッ

    アイツ「うっ、藤本……」

    生徒「ふ、藤本が……あんな険しい顔をしてるぞ」

    生徒「アイツ殺されるんじゃねえか?」

    藤本(……)

    ポンッ

    アイツ「え……」

    藤本「いいギターじゃねえか。お前をちょっと見直したぜ」

    アイツ「藤本……」

    藤本「30万もするギターをポンと買っちまうなんてな。お前のレスポールに対する情熱には頭も下がるぜ」

    アイツ「藤本……お前、楽器が好きなのか」

    藤本「……」

    スッ

    アイツ「ま、待てよ。それなら一緒にバンドしようぜ!」

    287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 22:30:47.76
    藤本「……俺が?」

    アイツ「ああ、このギターの値段を知っているくらいだ。興味あるんだろ?」

    藤本「……」

    アイツ「な、藤本!」

    藤本「俺もレスポールを弾くぞ?」

    アイツ「いいじゃねえか。とにかくみんなで集まって楽器をやればいいんだ! 被りなんて気にするなよ」

    藤本「……」

    藤本「わかった」

    アイツ「藤本……」

    ガシッ

    生徒「藤本が握手か」

    生徒「あいつも楽器が好きだったなんて意外だな」

    288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 22:40:28.67
    藤本「じゃあ、次の日曜日に早速俺もレスポールを買ってくる」

    アイツ「ああ! その前によ……これ、ちょっと弾いてみないか?」

    藤本「それはお前のレスポールだろ。俺が触るわけにはいかない」

    アイツ「遠慮すんなって、ほら!」グイッ

    藤本「……」

    藤本「これがレスポールか……なるほど、確かな重量感。素晴らしい……」

    アイツ「だろ!」

    藤本「……しかし、よく30万も金があったな」ギュイーン


    藤本「しかし、お前30万もよく金があったな」

    アイツ「……ああ、実はそのギターそんなに高くなかったんだよ」

    藤本「なに?」

    289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 22:44:40.30
    アイツ「いやあ、昨日みんなで楽器を見てたらよ、いかにもお嬢様、って子が俺たちに声掛けてきてよ」

    藤本「……」ピクッ

    アイツ「俺がレスポール見てたら、その子が店員に何か話してくれたみたいでよ。このギター5万円で買えたんだよ」

    藤本「……」

    アイツ「ほら、こいつのムスタングも5万円だぜ」

    生徒「本当にラッキーだったよな」ギュイーン

    アイツ「はははっ、じゃあ、藤本は30万のレスポールで来週から一緒に練習を……」

    藤本「そんな漫画みたいな話あるわけねえだろ!!」バキッ

    生徒「……いや、あったんだってば」

    生徒「わざわざ30万なんて言うから」

    藤本、それレスポール。

    291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 22:47:47.31
    藤本宅

    藤本「……と言うわけで、今俺の手元には30万円があるわけだ。これでレスポールは買える」

    藤本「だが、アイツの言葉が気になる……楽器を見ていたらお嬢様が値引きしてくれた、だあ?」

    付き人「……」

    藤本「馬鹿馬鹿しい、そんな事本当にあるわけが……」

    藤本「いや、だがアイツは確かに、お嬢様と言った。もしかしたらあの楽器屋には本当にムギちゃんみたいなお嬢様が来るのか?」

    藤本「……」

    藤本「よし」

    294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 22:56:47.40
    店員「あ、いらっしゃ……」

    藤本「おい店員。ちょっと聞くが」

    店員「はい?」

    藤本「先日、この店でレスポールとムスタングを買った学生がいただろう」

    店員「……あ、はい。お知り合いですか?」

    藤本「いや、そいつらはどうでもいい。そいつらに楽器を値引きしてくれたお嬢様について聞きたい」

    店員「?」

    藤本「唯と同じレスポールを値引きしたん人間がいるんだろう?」

    店員「い、いえ……あの、そのレスポールならまだ売れてませんよ?」

    藤本「なにい?」

    店員「あの学生さんが買ったのは確かにレスポールですけど……ほら、唯のやつはあそこに」

    藤本「……」

    店員「あの学生さんは、アレと同じやつでもっと安いのは無いか、と聞かれただけなので」

    295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:04:27.08
    店員「レスポールは似た色合いの物が多いですからね。パッと見ただけでは、素人さんにはちょっと見分けられないでしょうね」

    藤本「……では、声をかけてくれたお嬢様と言うのは?」

    店員「さあ……確かに、その日は女子高生も来てましたけど、最近は珍しい事じゃないので」

    藤本「ほう?」

    店員「やはりけいおんの影響ですかね。最近はこの店のスタジオを借りる女子高生も増えてるんですよ」

    女子高生「キャッキャッ」

    藤本「……確かに、いるな」

    店員「何かちょっとしたきっかけで雑談した後に、カウンターの僕のところまで来たとか?」

    藤本「……なるほど、漫画の見すぎで勘違いしたパターンか」

    店員「多分……その学生さんもギターに詳しくなかったみたいで、唯と同じギターだ、と興奮してましたからね」

    296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:13:54.55
    店員「それに、そんなお嬢様がいたら本当にムギちゃんじゃないですか」

    藤本「うむ、俺もそれが気になってな。こうして聞きにきた……そしてあのレスポールを買いに来たんだ」

    店員「あ、そうなんですか!」

    藤本「また何かあったら呼ぶ。ちょっと待っててくれ」

    ……。

    藤本「……」

    『30万』

    藤本「ふふっ、ついに唯と同じレスポールを買えるのか」

    藤本「しかし、まだ趣味にもなっていないギターに30万もかけるなんて……俺もすっかりHTTの一員だな」

    付き人「……」

    藤本「しかし、本当に俺にもムギちゃんみたいな子が声をかけてくれたり……ははっ、そんなわけないよな」

    ポンッ

    藤本「……ん? 誰だ」クルッ

    ゴリラ「……」

    藤本「……」

    299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:19:21.25
    店員「あ、ゴリラさん。来てたんですね」

    ゴリラ「……」コクッ

    店員「……あ、頼まれていた楽器揃ってますよ、はい」

    ゴッチャリ

    藤本「な……あんなにたくさんのギターやアンプにマイクを……。あのゴリラ、まさか……」

    ゴリラ「……」スッ

    店員「……はい、ちょうど40万。ありがとうございます」

    藤本「なんて奴だ、あれだけの大金をポンと……あいつは富豪か?」

    ゴリラ「……」ツイッ

    藤本「お、俺の方を指差して……これはまさか」

    店員「え、え……あ、はい。わかりました」

    ダダダダッ

    藤本「む、店員がこっちに来る、これはもしや本当に……」

    301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:25:11.15
    店員「あ、あのすいません」

    藤本「どうした。まさか……あの富豪ゴリラが本当にこのレスポールを値引きしてくれるのか?」

    店員「いえ、唯ちゃん等身大ポップと写真が撮りたいみたいで……」

    藤本「……」

    ゴリラ「ンゴ」

    店員「あ、はい、じゃあ撮りますよ。藤本さん、もう少し真ん中寄って下さい」

    藤本「……」スッ

    店員「はい、チーズ」カシャッ

    店員「じゃあ、写真できたら学校に届けますね」

    ゴリラ「ンゴ」

    藤本「……」


    ベンチ

    藤本「なんで俺まで一緒なんだ……」

    いい笑顔。

    303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:32:51.53
    神山「あ、お帰りゴリラ」

    ゴリラ「ンゴ」

    北斗「うむ、買い出しご苦労だったな」

    林田「これでやっと俺たちも音楽ができるぜ!」

    子分「とりあえず人数分はあるはずだぜ」

    北斗「うむ。では、まずフレディから好きな楽器を選ぶがよい」

    前田「フレディがバイトした金でこの楽器を買ったんだから、当然だな」

    林田「全額出して貰えるなんて、さすがフレディだぜ」

    フレディ「……」スッ

    北斗「む……マイクとは。ボーカル希望か」

    フレディ「……」コクッ

    305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:40:18.79
    林田「フレディは歌がうまいもんな」

    神山「キーボードとかもできそうなのにね。どうだい、フレディ」スッ

    フレディ「……」フル フル

    神山「やっぱりキーボードやギターは弾かないんだ」

    北斗「うむ、では次は……」

    ……。

    北斗「……よし、これでみんな楽器は持ったな」

    神山「はい」

    林田「おう」

    メカ沢「俺はドラムだしな」

    ゴリラ「ンゴ」

    バンチョーちゃん「……」コクッ

    前田「あれ……なあ、俺の楽器が無いんだけどよ」

    北斗「なに?」

    306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:46:01.58
    林田「バカだなあ、まだこんなに余ってるじゃねえか。ほらよ、ちょっと重いけどよ」ゴトッ

    北斗「林田、それはアンプだ。楽器じゃない」

    前田「おい、どうすんだよ。人数分楽器があるんじゃねえのかよ」

    北斗「……」

    林田「もうフレディも金無いって言ってるぜ」

    フレディ「……」

    北斗「仕方ない、貴様はこのカスタネットで我慢してるがよい」

    前田「いや、俺そもそもドラムだったんじゃあ……」

    北斗「よおし、楽器が決まった所で練習開始だ!」

    前田以外「おー!」

    前田「いや、あの……」

    308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:54:01.82
    ゴリラ「ンゴ」スッ

    前田「え……」

    神山「ゴリが君にドラムを譲ってくれるそうだよ」

    前田「い、いいのかゴリ?」

    ゴリラ「ンゴ」

    スッ

    前田「お、おいゴリ! どこへ行く!」

    北斗「……きっと新しい楽器を調達に行ったのだろう。奴の事だ、すぐに戻ってくるはずだ」

    前田「ゴリ……」

    北斗「さあ、俺たちは俺たちで練習だ! 青春クロマティー、ファイトだ!」

    全員「おおー!」

    309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/02(木) 23:54:37.88
    数日後

    唯『唯のギターだよっ♪』

    ゴリラ「ンゴ」

    北斗「……」

    前田「……」


    ファミレス

    北斗「何持ってきてんだよ……」

    前田「楽器ですら無い……」

    唯(等身大ポップ)来たる。

    311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 00:03:20.00
    唯『唯のギターだよっ♪』

    神山「さて、今日も練習頑張ろうか」

    前田「……」

    林田「なあ、なんで唯ちゃんがここにいるんだよ」

    北斗「ゴリラが例の店から貰ってきたらしい」


    ゴリラ「ンゴ」

    林田「しかもこんな写真まで……ていうか、隣のこいつ誰だよ」

    神山「林田君、唯ちゃんがいるならそれだけでいいじゃないか。気合いも入るってものだよ」

    林田「うう~ん……」

    唯『唯のギターだよっ♪』

    林田「……」

    林田「なあ、唯ちゃんで思い出したんだけどよ。俺たちお茶会をやってないんじゃねえか」

    北斗「お茶会だと?」

    312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 00:07:36.49
    林田「ああ、放課後に集まって練習はいいんだが……けいおんみたいに菓子を食った事は一度も無いだろ」

    前田「……それはあまり練習には関係ないだろ」

    神山「いや、そうとも言い切れないよ」スッ

    前田「神山?」

    神山「練習前にお菓子を食べて雑談をする。それだけで部全体の雰囲気も良くなると思うんだ」

    林田「だろ? けいおんのみんなだってただダラダラしていたわけじゃないんだしよ」

    前田「いや、あれは本当のダラダラだと思うが……」

    北斗「ふむ、神山の言うことにも一理あるか」

    北斗「よし、今日から青春クロマティーのメニューにもお茶会タイムを盛り込む事にしよう」

    林田「えっ、本当かよ北斗」

    314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 00:14:04.90
    北斗「よし、早速ティーセットの用意だ!」

    全員「……」

    子分「ま、待ってくださいよ。この教室にそんなセットあるわけないでしょう」

    北斗「む、では早速買ってこい。別に高級品で無くてよい、雰囲気さえ出せればな」

    林田「いや、だから金は楽器買ってスッカラカンなんだってば」

    北斗「ぬうう……では青春クロマティーの放課後ティータイムどうするのだ!」

    神山「とりあえずは諦めるしかありませんね」


    バンチョーちゃん「……」グッ

    315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 00:19:12.85
    工事現場

    監督「え、日雇いのバイト? どうしてもすぐ金が必要だって?」

    バンチョーちゃん「……」コクッ

    監督「でもウチはキツいよ? その辺より日給はいいかもしれないけどさ」

    バンチョーちゃん「……」メラメラ

    監督「……やる気はあるみたいだな。来な、最初からガンガン働いてもらうぜ」

    バンチョーちゃん「……!」

    ……。

    監督「バカ野郎! そんなスピードじゃあ日が暮れちまうぞ!」

    バンチョーちゃん「……」ヨロヨロ

    監督「ああっ、貸せ! もうここはいいから、向こうを手伝ってろ!」

    バンチョーちゃん「……」ショボン

    316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 00:23:13.05
    バンチョーちゃん「……」

    神山『ありがとう、君がティーセットを買ってくれたんだね』

    北斗『はははっ、これで青春クロマティーの放課後も安定するというものだ』

    林田『ありがとうよ、バンチョーちゃん』

    前田『よし、これ飲んだらしっかり練習しようぜ!』

    全員『おー!』

    モク モク

    バンチョーちゃん「……!」グッ


    監督「おい、バンチョー!」

    バンチョーちゃん「……」ヨタヨタ

    監督「バンチョー!」

    バンチョー「……」フラフラ

    監督「ほら、これが最後だ、頑張れ」

    バンチョー「……」ググッ

    317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 00:29:32.92
    監督「よーし、今日はあがりだ! お疲れさん」

    バンチョーちゃん「……」ハァ ハァ

    監督「……ほら、今日の分だ。よく頑張ったな」

    バンチョーちゃん「……!」

    スッ

    監督「なに? ちょっと多いだって?」

    バンチョー「……」コクッ

    監督「頑張っていたからな、オマケってやつだ。……怒鳴って悪かったな、帰ったらゆっくり休めよ」

    バンチョー「……!」

    監督「この金、そのけいおん部とやらのために使ってやりな」

    バンチョー「……」ペコッ

    ダダダダッ。

    319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 00:34:40.99
    クロマティ高校

    バンチョー「……」ワクワク

    ダダダダッ

    ガラガラッ

    北斗「さあ、ジャンジャン飲むがいい」

    メカ沢(ポット)「お茶なら任せておけ」

    林田「あちちっ、でもお茶ってうめえな」

    フレディ「……」ズズズッ

    メカ沢β(湯飲み)「メカラッタ」

    バンチョーちゃん「……」



    ベンチ

    バンチョーちゃん「……」

    負けるなバンチョーちゃん。

    321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 00:40:29.83
    北斗「……む、もうこんな時間か。ではそろそろ帰るか」

    バンチョーちゃん「……」ズズズッ←結局混ざってる

    林田「だなあ、じゃあみんな、またな」

    前田「ま、待てよ。ただお茶を飲んで終わりってわけにもいかないだろ」

    神山「前田君、もう下校時間だよ。学生は帰らないと」

    前田「だ、だってよ……」

    北斗「今日はこうして親睦が深められただけで充分ではないか。明日から本気を出せばよい」

    前田「そんなもんかなあ……」

    北斗「では、解散だ」

    前田「ん~……」

    ゴリラ「……」

    323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 00:45:57.93
    前田「……結局みんな帰っちまった」

    前田「こんなんで本当に楽器弾けるのかな~。まだギターもドラムも一度も鳴らしてないんだけどな」

    前田「……あずにゃんもこんな気持ちだったのかな」

    前田「いや、向こうはまだ練習していただけマシか。こっちは本当にお茶を飲んで終わったからな」

    前田「ハァ……」

    ゴリラ「……」ポン

    前田「ん……ゴリ。まだ残っていたのか」

    ゴリラ「……」スッ

    前田「ギターなんか背負って……ま、まさか居残り練習か!」

    ゴリラ「……」

    325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 00:53:48.83
    前田「そうだよな、けいおん部になったからには練習しないとな……」

    ゴリラ「……」

    前田「よしわかった、やろうぜゴリ! じゃあ……俺は何をどうすればいい。何でも協力するぜ」

    ゴリラ「……」スッ

    ……。

    前田「……はい、チーズ」カシャッ

    ゴリラ「……」ギュィーイ



    ベンチ

    前田「ギター持って撮りたいとか……しかも同じポーズ……」

    ゴリラ、お気に入り。

    326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 01:01:14.96
    次の日

    北斗「では、今日もまずお茶会から練習を始めるとしようか」

    バンチョーちゃん「……」シュタッ

    北斗「む、どうした。何か意見でもあるのかか?」

    バンチョーちゃん「……」スッ

    林田「こ、これはティーセット? まさかバンチョーちゃんが……」

    バンチョーちゃん「……」ポリポリ

    北斗「むう、お前の気持ちしかと受け取った。このティーセットは我がけいおん部で大切に使わせてもらうぞ」

    バンチョーちゃん「……」コクッ

    神山「じゃあ、早速これでお茶を入れよう」

    前田「なあ北斗……練習はいいのか?」

    北斗「お茶会の後でも遅くはあるまい。やる気を出してから練習した方が能率もいいと言う物だ」

    前田「はぁ……」

    マスクド「……いや、ちょっと待てや北斗」

    327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 01:10:33.00
    北斗「なんだ、マスクド。いたのか」

    マスクド「最近練習をしてないみたいなんでな、ちょっと邪魔するぜ」

    林田「マスクド……」

    前田「これは、また喧嘩になるパターンか……?」

    北斗「なんだ、この活動に文句があるのか?」

    マスクド「……確かに、以前の俺ならギターを叩きつけて帰っていただろう。だが、今は違う」

    北斗「む?」

    マスクド「俺は一応楽器経験者だからな。今日はみんなにちょっとギターの基本を教えようと思ってな」

    マスクド「と言っても、本格的にギターを弾くわけじゃない。みんなはお茶でも飲みながら、見ていてくれればいい」

    北斗「ふむ。講習みたいなものか、それはいい考えだ」

    前田(大丈夫かな……)

    329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 01:15:43.38
    マスクド「いいか、まずはこのギター。このままでも弾きたい所だが……」ギューイ

    マスクド「まずはメンテナンスも兼ねて音合わせ、正しい音に調整するんだ」

    神山「あの、僕たちにはそんな技術も経験もないんだけれども」

    マスクド「心配するな、音を合わせるために……このチューナーを使う」スッ

    神山「……」

    マスクド「これを付けて、音階を調整してだな……」ビィィーン

    神山「あの……」

    マスクド「ん、まだ何か質問か?」

    神山「それはチューナーじゃなくてメカ沢βなんだけれど」

    メカ沢β(チューナー)「メ、メカラッ……」

    マスクド「ああっ!」

    前田「……不安だ」

    330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 01:20:51.15
    マスクド「……音を合わせたら、次はいよいよ弾き始めるぞ」

    マスクド「さて、ギター単体でも音は出るが、このままの音では少し寂しい」

    マスクド「ここで、このギターをアンプに繋ぐ事にする」

    林田「アンプ?」

    マスクド「ああ、シールド……まあ、ケーブルだな。これをギターと……アンプに繋いで、と」カチッ カチッ

    331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/03(金) 01:25:01.09
    マスクド「さ、これで迫力あるサウンドがアンプから」ピィィーン

    マスクド「あ、あれ?」ピロリィー

    マスクド「おかしいなあ、全然音が響かねえぞ。このアンプ壊れてんじゃねえのか!」カチッ カチッ

    神山「あ、あの……」

    マスクド「ああ、ちょっと待ってくれ。ここをしっかり接触させれば多分……」

    神山「さっきからケーブル挿しているそれ、アンプじゃなくてメカ沢君なんだけども」

    メカ沢(アンプ)「ピロリィー ビィィーン」

    マスクド「ああっ!」

    北斗「……いや、そもそも挿すとこあるのかよ」

    前田「やっぱりダメだ……」


    青春クロマティー、未だに楽器に触らず。

    372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 03:08:44.07
    林田「合宿に行きたい」

    神山「え?」

    林田「いや、部活には夏の強化合宿が付き物だと思ってな。けいおん部で何か合宿ができればいいな、と」

    北斗「ふうむ……確かに」

    前田「でもよ、そのためにはちゃんと計画を立てないと意義のある合宿にはならねえんじゃねえか?」

    神山「それならみんなで考えればいいじゃないか。僕たちは青春クロマティーなんだから」

    ゴリラ「ンゴ」

    フレディ「……」

    北斗「よし、では今日の放課後は合宿について話し合う事にしよう」

    375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 03:17:55.69
    神山「えー、では何か意見のある人」

    子分「やっぱりけいおんみたく、別荘を借りて練習したいと思うんだけどよ」

    前田「別荘か……」

    林田「待て待て。とりあえず山に行くか海に行くかを決めようぜ?」

    子分「いや、なんで山か海なんだよ」

    林田「夏の合宿やキャンプと言えばどっちかだろ。まあ、今行き先が決まれば随分場所を絞れると思うんだがな」

    北斗「うむ。俺たちには別荘を提供してくれる金持ちのお嬢様などいないからな」

    神山「……」

    神山「あの、金持ちで思い出したんですけど」

    北斗「む?」

    神山「確か北斗君の家ってお金持ちだった気がするんだけれども」

    377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 03:25:39.52
    林田「……そういや、何度か北斗の家には行ったが結構豪華だったな。執事までいたし」

    神山「それくらいの家なら、別荘の一つや二つは持っているんじゃないかい?」

    北斗「確かに、俺は貴様らの家庭よりは数倍、いや数十倍の資産があるだろう」

    北斗「もちろん別荘もいくつか持ってはいるが……音楽の練習には使えない」

    林田「ん? どうしてだよ」

    北斗「周りに他の別荘が密集しているのだ。この時期なら、避暑地にある別荘は大体埋まる」

    北斗「いくら開放的とは言え、日中の騒音は許してくれまい」

    林田「そんなに人がいるのかよ?」

    北斗「まあ、音楽をやる別荘で無いと言うのは確かだな」

    神山「……」

    神山「あの、ちょっといいですか?」

    378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 03:31:12.75
    北斗「む?」

    神山「確かに音楽も大事ですけど、僕たちは何のために合宿に行くんでしょうか」

    前田「いや、だから楽器の練習のためだろ」

    神山「いえ、僕はここにいるみんな……青春クロマティーで同じ時間を過ごす事に価値があると思うんです」

    林田「……」

    神山「楽器が使えない? それでも、音楽について友と語る事はできます。むしろ練習なんて、放課後いつでも学校でできるじゃないですか」

    北斗「……」

    神山「大事なのは、やはりみんなで思い出を残せる事にあると思うんですが」

    北斗「……ちょっと待っていろ」ピッ

    北斗『あ、うむ。北斗だが……あの別荘を……うむ』

    ピッ

    379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 03:32:20.95
    >>376
    イガちゃん以外がキャラゴッチャになってて書けない。
    今手元に本ないから、書くとしたら明日

    380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 03:38:38.39
    神山「北斗君?」

    北斗「……合宿の場所が決まった。俺の別荘を使ってくれて構わない」

    林田「お前……」

    北斗「うむ。思い出を残せれば……確かに、楽器だけにこだわるのは良くないかもしれんな」

    前田「……」

    北斗「けいおん、で音楽をやっているシーンが少ないのは、こういう意味も込めての事かもしれんな」

    林田「へへっ、お前らがいればいいってか。ちょっと恥ずかしいセリフだけど……それが青春クロマティーだもんな」

    北斗「そういう事だ。では、合宿の日には遅刻するな……以上で今日は解散だ!」

    全員「おおー!」


    ベンチ

    前田「こだわらないでどうすんだよ……」

    旅行って計画立ててる時が一番楽しいよね。

    382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 03:43:12.13
    バス停

    北斗「よし、ここからは歩きだ」

    林田「ふう、楽器を背負いながら移動するのは辛いな」

    神山「一応けいおん部だからね。とりあえずは持っていないと」

    子分「でも森林に囲まれているから空気は最高だぜ!」

    ゴリラ「ンゴ! ンゴ」

    神山「ははっ、ゴリラも合宿だからはしゃいでるんだな」ポンッ

    フレディ「……」

    北斗「別荘までは、ここから20分も歩けば着くはずだ」

    前田「……なあ、別荘までの道のりは?」

    北斗「ん。ここを真っ直ぐいけばいいだけだが?」

    前田「そう、か」

    384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 03:51:03.91
    ザッ ザッ

    前田(いつぞやの時は森で迷子になって遭難した事もあったが……)

    前田(さすがに一本道ならいくら俺たちでも迷う事はないだろう)

    前田(とりあえず、着いたらゆっくりしてえ……どうせこいつらは練習する気なんか無いだろうからな)

    ……。

    20分後。

    林田「なあ、なんか道がデコボコで進みづらいぞ。木だって多くてよく前が見えねえし」

    北斗「……ここは一体どこだ」

    前田(……)

    前田(普通に迷っている……)

    神山「この辺りに別荘があるのかい?」

    北斗「……いや、こんな場所は知らん」

    林田「ああ? また俺たち遭難したのかよ!」

    北斗「ええい、騒ぐな。所詮は別荘地周辺の森だ。来た道を戻ればそれらしい家や道が見えてくるはずだ!」

    前田(……)

    386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 03:56:51.43
    更に20分後。

    北斗「……迷った」

    林田「やっぱりかよ! 畜生、また俺たち遭難しちまったじゃねえか!」

    神山「林田君、落ち着いて」ポンッ

    林田「神山……」

    神山「確かに僕たちは一度遭難している。だけど言い返せば経験がある……」

    林田「……そうだな、確かに。俺たちのサバイバルテクがあれば、今だって大丈夫なはずだよな」

    前田(いや、遭難の経験値なんて欲しくねえだろ……)

    北斗「うむ、みんなで協力すればこんな森など怖くあるまい」

    ゴリラ「ンゴ」

    フレディ「……」

    子分「でも北斗さん。もう大分森は暗くなってきてますけど……」

    387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 04:05:23.07
    北斗「むう、こう足場が悪くては歩き回っても危険か。よし、今日はここで野宿だ」

    林田「まあ、野宿でも、一晩くらいなら余裕だよな」

    北斗「うむ。では完全に暗くなる前に火をおこす準備と寝床の確保、そして最後に持ち物の確認だ」

    全員「おー!」

    ……。

    北斗「さて、火はおこした。寝床も作った。最後に全員の持ち物を確認していく」

    林田「まあ、サバイバルでは常識だよな」

    北斗「うむ、ではまず前田からだ」

    前田「お、俺? 俺はこのリュックに……チョコとビスケットだけだ。正直、荷物はほとんどねえよ」

    北斗「うむ。食料があるのはありがたい。では次に神山だ」

    神山「僕は、このギターとアンプです」ドンッ

    北斗「……で?」

    神山「以上です」

    388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 04:10:40.35
    北斗「他の荷物はどうした?」

    神山「僕はけいおん部です。これがあれば他には何もいりません」

    北斗「言ってる事は立派だが……まあいい、次は林田だ」

    林田「俺はこのアンプだ」ドンッ

    北斗「……」

    北斗「他は?」

    林田「これだけだ」

    北斗「なっ、貴様……!」

    林田「俺も神山と同じ考えだ。この楽器がありゃあ、俺は他に何もいらねえ……これは音楽の合宿なんだからよ」

    子分「だから、アンプは楽器じゃねえって言ってんだろ!」

    北斗「そういう貴様はけいおんのブルーレイディスクしか持ってきていないではないか……」

    林田「肝心の北斗はどうなんだよ?」

    北斗「俺の荷物は宅急便で別荘に送ってあるので、何も無い」

    神山「残るはフレディとゴリラか……」

    389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 04:15:06.88
    フレディ「……」スッ

    神山「ん、これは……タクアンかい?」

    フレディ「……」コクッ

    北斗「よし、これで食料が増えたな」

    前田「いや、タクアンのみってのもおかしいだろ……」

    北斗「では最後にゴリラだ。貴様は何か食料を……」

    ゴリラ「……」ドッチャリ

    林田「リュック一杯のバナナと……おい、缶詰めやお菓子もあるぜ」

    ゴリラ「ンゴ」

    前田「これだけあれば三日は何とかなりそうだぜ」

    フレディ「……」コクッ

    391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 04:19:10.81
    北斗「でかしたぞゴリ。この件が落ち着いたら貴様は我が青春クロマティーの副部長にしてやろう」

    ゴリラ「ンゴ」

    神山「おめでとうゴリ」パチパチ

    林田「おめでとう」パチパチ

    前田「もう、ツッコム気も起きん……」

    392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 04:23:08.68
    北斗「よし! ではこの食料を大事に……」

    ゴリラ「……」ツン ツン

    神山「えっ、まだ荷物があるのかい?」

    ゴリラ「……」コクッ

    北斗「さすがは副部長になっただけの男だ。そこまで準備がいいとは……やるな」

    ゴリラ「……」ガサゴソ

    ゴリラ「ンゴ」スイッ

    唯『唯のギターだよっ♪』

    北斗 神山 林田「……」


    森の外れ

    北斗「等身大ポップはいらねえだろ……」

    林田「どうやって持ってきたんだアレ……」

    唯(等身大ポップ)樹海デビュー!

    394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 04:30:53.97
    北斗「……まあ、とにかく。これでやる事は終わったわけだ」

    林田「状況は最悪だがよ、こうして火を囲みながらの野宿もなんだか……ちょっといいかもな」

    神山「そうだね。なんだか青春って感じがするよね」

    子分「へへっ、少し恥ずかしいけどな」

    フレディ「……」コクッ

    ゴリラ「ンゴ」

    唯『唯のギターだよっ♪』

    北斗「……ではついでた。今夜はここでミーティング、けいおん談義といかないか」

    子分「さんせい~! じゃあテーマは唯の可愛さについて話しましょうよ!」

    北斗「いや、記念すべき第一回目のテーマには紬こそが相応しいだろう」

    前田「いや、やっぱりリーダーの律がだな……」

    神山「もっと広いテーマで話すのがいいんじゃないですか?」

    北斗「む、どういう事だ神山」

    397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 04:39:06.12
    神山「例えばそう、憂ちゃんがあんなに姉を甘やかしている理由とかを議論するのはどうでしょう」

    林田「議論っつてもよ。そんな事話してなんか意味あるのかよ?」

    子分「それによ、そういう情報は本編で小出しに語られるからいいんだろ!」

    神山「……与えられた情報だけで満足なんですか?」

    子分「うっ……」

    神山「なにも僕は、そこまで本格的に討論をするつもりはありません」

    神山「ただ、あんな事があったからかな、とか……唯と憂の生い立ちをちょっと想像して話に華を咲かせたいだけです」

    全員「……」

    林田「……確かに、そういうのも面白いのかもしれねえな」

    子分「まあ、語るだけならタダだしな」

    北斗「うむ、では今夜のテーマは主に、唯と憂の性格について話し合いをしよう」

    400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 05:17:31.26
    子分「はいはい! 唯ちゃんと憂ちゃんはもう昔からずっと仲が良くて、そのまま現在に至ってると思うんだ!」

    神山「昔から?」

    子分「だってよ、あんなに仲がいいんだ。ありゃあ筋金入りだろ」

    神山「つまり、君は彼女たちは一切喧嘩もせず、ここまで育ったと言いたいのかい?」

    子分「いや、そこまでは言わないけどよ……でもあれだけ仲が良いんだ。よほど順風満帆な姉妹関係を……」

    林田「ふっ、人間ってのはそんなに甘いもんじゃねえ。幼い頃に紆余曲折したからこそ、今の彼女たちがあるんだと思うぜ?」

    北斗「俺もそう思う」

    子分「紆余曲折?」

    林田「例えば、唯が憂ちゃんのオヤツを横取りしたり、お姉ちゃん風を吹かせてオカズをたくさんもらったり……機会はいくらでもあったはずだ」

    神山「小さい頃は、やはり姉としての力が強いんだろうね」

    401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 05:22:46.66
    林田「そう、最初は憂ちゃんは姉のワガママにそうとう腹をたてたはずだ。しかし、唯だって年齢的にはそう変わらない、いきなり出来たお姉ちゃんにはなれやしない」

    北斗「うむ。いまだになれてはいないしな」

    林田「ある日、憂ちゃんは気付くんだ。私がしっかりしないとダメなんだ……ってな」

    前田「……」

    林田「つまり、姉は結果的に生きる上での厳しさを教えてくれた、ってわけよ」

    神山「なるほど、いつまでも甘えてばかりはいられない、と感じたんだろうね」

    子分「でもよ~、だったら性格があまり変わっていないであろう、唯ちゃんの方はどうなんだよ」

    林田「少なくとも、高校生の間はあのままだろうな。受験で少しは変わるかもしれないが……まだ妹に頼る部分も大きいはずだ」

    403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 05:30:23.27
    前田「……まあ、キャラの過去なんてどうでもいいよな。所詮漫画なんだしよ」

    神山「前田君、それは違うと思うよ。いくらほのぼの漫画だからって、キャラがいる以上は多少の設定……もとい歴史は必要だと思うんだ」

    神山「例えば。君はりっちゃんがカチューシャをしたキッカケを知ってるかい」

    前田「……澪が笑顔になってくれたから……ハッ」

    神山「そういう事だよ。それによって律と澪の絆が時間の流れとアイテムを使う事によって表現されている」

    前田「そうか……確かに、キャラである以上いらない設定なんていうのは無いのかもしれねえな」

    404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 05:36:32.37
    前田「そうだな、昔色々あって今そこにいる。その昔を全部知りたいのは、確かにファンの心理かもしれねえ」

    前田「たとえそれが漫画であっても……いや、漫画だからこそ、そういう情報は大事なんだろうな。改めてそれがわかった気がするよ」

    神山「前田君……」

    北斗「うむ。それがわかっただけでも今夜の収穫だ。これで青春クロマティーの絆はまた深まったわけだ」

    前田「ああ、そんな気がするよ」

    406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 05:40:55.73
    子分「昔に何があっても、今が可愛けりゃそれでいいんだ!」

    林田「おうよ、そこにいる理由や生い立ちなんて関係ねえ!」

    北斗「本日の議論の結果は『そこにいる理由など関係ない』だや」

    林田「へへっ、まとまったな」

    子分「唯ちゃんもちょっと笑顔になっている気がするぜ」

    唯『唯のギターだよっ♪』

    北斗「よし、では本日は就寝だ!」

    全員「おおー!」

    フレディ「……」

    ゴリラ「……」


    森の外れ

    フレディ「……」

    ゴリラ「……」

    過去は関係無いってさ!

    409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 05:47:21.57
    就寝

    ……。

    ガサガサ……ワオーン!

    北斗「む、今の遠吠えは……まさか野犬か?」

    子分「け、結構近くから聞こえましたよ!」

    林田「こういう時のために、さっきまでのたき火の火種は残してあるぜ」

    北斗「よし、小さな枝と風で火を大きくしろ。野犬が近付けないようにするんだ」

    林田「……あれ? おかしいな、あまり火が大きくならないぞ」

    神山「少し枝が湿っているみたいだね。もう少し燃えやすい物から、くべてみてくれないかい?」

    林田「わ、わかった。この辺の葉っぱならどうだ!」

    ワオーン!

    410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 05:52:08.58
    北斗「おい、さっきより声が近いぞ! 早く火を強くしろ!」

    林田「んな事言ってもよ……なかなか明るくならねえから作業もしづらくて……」

    ガサガサ ガサガサ

    子分「な、なんか動いてるぜ!」

    神山「林田君!」

    林田「くっ……よし、これならどうだっ!」カサッ シュッ

    ボウッ!

    北斗「おおっ、一気に炎が広がったぞ」

    前田「真っ昼間みてえに明るくなったな」

    メラメラ

    411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 05:56:55.14
    シーン。

    子分「物音もしなくなったし、これで一安心だな!」

    メラメラ

    神山「ふぅ、それにしてもよく燃えてるね。何を入れたんだい?」

    林田「夢中で手を伸ばしてよ、適当にその辺の物を入れたんだが……いやあ、よく燃えてくれてるな」

    神山「そうなんだ」

    北斗「しかし、よくやったな、林田よ」

    林田「へへっ、照れるぜ」

    413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 06:03:11.09
    メラメラ メラメラ

    前田「……しかし、この燃え方は異常じゃねえか? なんか火柱が人の身長くらいあるし」

    子分「ははっ、怖い事言うなよ。人間が燃えてるわけじゃあるまいしよ」

    ゴリラ「……」

    子分「……あれ、そう言えばここにあった唯ちゃんのポップは?」

    メラメラ メラメラ

    ゴリラ「……」

    神山「どうしたんだいゴリ。さっきからそんなに炎ばっかり見つめて……あっ」

    林田「ん。どうしたか、かみや……あっ」

    唯『……の……ギ……よ♪』メラメラ メラメラ

    全員「……」


    森の外れ

    林田「すまん、ゴリ……」

    ゴリラ「……」

    唯ちゃん(等身大ポップ)夏のおもいで!

    415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 06:08:29.31
    翌朝

    唯『』

    神山「これは、完全にもうゴミ……いや、灰だね」

    林田「うう、すまんゴリ……」

    ゴリラ「……」サッ サッ

    北斗「灰など集めてどうする気だ、ゴリラよ」

    ゴリラ「……」ザック ザック

    神山「そうか、ここにちゃんと埋葬してあげるんだね」

    ゴリラ「……」コクッ

    北斗「……終わったら、出発だ。今日こそ人のいる所に出るぞ」

    416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 06:13:03.24
    別荘

    北斗「……というわけで、なんとかたどり着けたな」

    神山「いやあ、険しい道のりだったね」

    ゴリラ「……」

    前田「まだ落ち込んでんのか?」

    林田「くっ……すまん、俺のせいで……」

    ゴリラ「……」ポン ポン

    林田「ゴリ?」

    神山「もう、ゴリラは君の事を許しているみたいだよ。気にするな、って」

    ゴリラ「……」コクッ

    林田「……ありがとう、ゴリ」

    ゴリラ「ンゴ」

    北斗「よし、一休みしたら早速練習だ。荷物を置いて全員居間に集合だからな」

    全員「おおー!」

    ゴリラ「……」

    417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 06:18:18.82
    一時間後。

    林田「いやーこのお茶はうめえな」

    北斗「まずはお茶会をせねばこの部活は始まるまいな」

    前田(結局、練習なんかしやしねえ……)

    フレディ「……」ズズッ

    子分「……あれ、フレディ。そう言えばゴリラは?」

    フレディ「……」フル フル

    神山「そう言えば、いつの間にか見ないね」

    前田「……あ、玄関のドアがいつの間にか空いてる」

    子分「も、もしかしてアイツ、傷心のあまり出ていったのか?」

    林田「……楽しんでいる俺たちの姿を見るのが辛かったのかな」

    神山「林田君……」

    林田「俺、ちょっと探して来るよ」ダダダッ

    北斗「……行ったか」

    419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 06:23:41.98
    神山「……遅いね、もう一時間だよ」

    北斗「まさかまた迷ってるのではないだろうな」

    ガチャッ

    北斗「む……」

    前田「は、林田」

    林田「……まだゴリは戻ってないのか」

    神山「そうみたいだね」

    林田「バス停まで戻って町の辺りを探してみたが……それらしい奴はいなかったぜ」

    前田「まあ、いたらいたで騒ぎになってるだろうしな」

    子分「と言うことは、やっぱり森に?」

    神山「……もしかしたら、唯ちゃんと心中する気なのかもしれないね」

    林田「な……!」

    神山「だって、合宿にまで彼女を連れて来ていたんだよ。そんな彼女がいなくなって、相当傷付いたに違いないよ」

    北斗「彼女と共に、この森で死ぬつもりか……」

    420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 06:28:30.18
    林田「くっ……!」

    神山「ダメだよ林田君。もう夜になる、また遭難しちゃうよ」

    林田「は、離せ! 俺は、ゴリを……ゴリを!」

    北斗「ええい、落ち着け林田!」

    林田「ぐっ……」

    北斗「奴も本当に死ぬつもりなら、迷惑にならないよう何か残していくだろう。だが、何も無いと言う事は、まだ死ぬと決まったわけじゃない」

    林田「で、でもよ……」

    神山「もしかしたら、一人になりたいだけかもしれないよ。あるいは唯ちゃんのお墓にもう一度行ったとか」

    北斗「……何にしろ、もう少し待とう。ゴリラの事だ、森には強いはずだからな」

    林田「北斗……わかったよ」

    北斗「うむ」

    422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 06:32:11.08
    ……。

    林田「もうすぐ日付が変わる……くっ!」

    神山「ダメだってば。森は危険だよ」

    林田「は、離せ!」

    子分「あっ、ま、待て。窓の外を見ろ」

    北斗「……む」

    ゴリラ「……」

    林田「ゴ、ゴリ。よかった……」

    神山「よかったね林田君」

    北斗「フッ、ずいぶん堂々とした姿で歩いて来てるものだな」

    424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 06:35:45.51
    神山「きっと、彼女にちゃんとお別れが言えたんだよ」

    林田「ああ、ああ……」

    前田「泣くなよ、ほら、ティッシュ」

    林田「すまねえ前田」

    ガチャッ

    ゴリラ「……」

    林田「おかえりゴリ!」

    ゴリラ「……」コクッ

    北斗「ふふっ、これでめでたしめでたしだな」



    426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 06:42:58.03
    子分「じゃあ、深夜はけいおんブルーレイパーティーといこうぜ!」

    林田「へ、へへっ、お前もたまにはいい事言うじゃねえか」

    神山「彼女もきっとこの森から僕たちを見守ってくれているはずさ」

    フレディ「……」コクッ

    北斗「よし、では今から帰って来たゴリと、俺たちを助けてくれた唯ために宴会だ!」

    全員「おおー!」

    林田「さあ、ゴリラもそんなとこ突っ立ってないでこっちに……」

    ゴリラ「……」スッ

    梓『私とセッションしましょう!』

    全員「……」


    ソファー

    北斗「また等身大ポップか……」

    神山「ていうかドコからあんな物を……」

    林田「俺の涙は一体……」

    ゴリラ、とっかえひっかえ。

    430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 06:55:13.44
    帰りのバス

    神山「合宿も終わっちゃったね」

    林田「遭難なえなけりゃあもっとゆったりとした気分になってたのによ」

    北斗「ははっ、それも含めていい思い出になったではないか」

    子分「結局、楽器は全く弾きませんけしたけどね」

    北斗「まあ、絆が深まったと思えばいいではないか。新しい仲間も増えたしな」

    梓『私とセッションしましょう!』

    フレディ「……」コクッ

    433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 07:04:13.10
    前田(……まったく、元気な奴らだ。ゴリの一件なんてもう忘れてやがる)

    ゴリラ「……」

    前田(あれ、こいつ。なんで手ぶらなんだ?)

    前田「なあ、ゴリラよ、お前荷物は一体どうしたんだ。ギターやらリュックやらよ」

    ゴリラ「……」プイッ

    前田「……話したくなかったら、深くは聞かねえよ。悪かったな」

    434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 07:09:11.16
    ゴリラ「……」

    前田(ま、俺にとってはどうでもいい事か)

    ゴリラ「……」

    バスはどんどん森から離れ、みんなを元いた街まで運んで行く。

    その、忘れられたように小さくなった森のある場所に、彼女は眠っている。

    同じけいおん部の仲間を助けてくれた、平沢唯。

    そんな彼女の傍には、大好物なお菓子がたくさん入ったリュック。

    さらに『いい笑顔』で写っているゴリラと彼女の写真が一枚。

    そして……彼女がずっとギー太と一緒にいられるようにと、アンプに繋がれたままのレスポールが一本。

    そのお墓の場所は、写真に写っている二人しか知らない、秘密の場所。

    その場所で、今日も彼女はギターを弾きながらお菓子を食べて……ずっと変わらない笑顔で、彼と笑っている。

    青春クロマティー、合宿編 完

    コメントを書き込む コメントを読む(0) [×色々] ブログランキングへ 人気ブログランキングへ このSSをはてなブックマークに追加


関連?商品

過去の名作たち

律「な、なにするんだ!?」 喪黒「罰を受けてもらいましょう」
澪「や、やめろ!イカ娘!!////」
律「へぇ~、じゃあアンタがむぎのピアノの先生なの?」殿馬「ズラ」

コメントの投稿(コメント本文以外は省略可能)




管理者にだけ表示を許可する

<<紬「鬼ごっこ、うふっ」 | トップページ | 唯「ふぁいなるふぁんたじー?」>>
テンプレート: 2ちゃんねるスタイル / 素材サイト: 無料テンプレート素材.com / インスパイヤ元:2ch.net /
これより下はないよ・・・
消費者金融比較
キャッシングローン
消費者金融 利息
ブログパーツ

ギャルと女子高生

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。