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澪「NO,Thank You!」

  1. 名前: 管理人 2010/09/18(土) 22:31:21
    1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:32:01.13 ID:G+cW11v50
    「澪ちゃんほど片思いの似合う女子、他にいないね!」
    唯がそんなことを言い出したのは、皆に新しく出来た歌詞を見せた時だった。

    「ど、どういう意味だ!」
    ムギがクスクスと笑う。
    「だってさ~澪ちゃん、美人だし人気者なのに、
     あなたが好き!…でも言えない、言わない。
     みたいな乙女の心を、わたしは感じるのだよ~。」
    「ああ、何かわかりますね。それ。」
    「でしょ~?さすがあずにゃん。」
    「澪ちゃんが書く片思いの歌詞、ステキよ~。
     思いを胸にとどめる、乙女の歌詞。」

    梓に、ムギまで。
    片思いが似合うって…ちょっと失礼じゃないか?
    まあわたしの恋は、きっと叶わない、伝えてはいけないものだからな…。


    3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:37:19.76 ID:G+cW11v50
    片思いの澪か。
    唯がそんなことを言うもんだから、ちょっと考えてしまった。
    いつも澪は、誰より先にわたしに歌詞を見せてくれる。
    その歌詞はメルヘンちっくでいて、乙女。
    見てるこっちが痒くなるような…そんな詞だ。

    でも、澪は嘘がつけない。昔から。
    本当に好きな人が居なきゃ、こんな歌詞は書けないと思うんだ。
    誰を思って書いてるんだろう。
    ああ…演奏中にこんなこと考えてると、力んで余計走ってしまう。
    リズムキープ、リズムキープ。

    6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:40:45.52 ID:G+cW11v50
    「初めて合わせた割に、いい感じにやれたな!」
    「律のドラムは、いつも以上に走ってたけどな。」
    「わりーわりー。でも後半は持ち直しただろ~?」
    「ドラムが走ると、ベースも釣られるんだ。
     明日はもっと確認しもってやらなきゃな。」
    「明日…唯と追試なんだよな~。助けてみおしゃん。」
    「またわたしに頼るのか…」
    「お二人さん、運命共同体ってやつですな!
     ついでにわたしも助けてくだせ~...」
    「唯先輩、それだと意味が重すぎますよ。
     ていうか二人はまた追試ですか…。」
    「ふふふ。わたし幼なじみって居ないから、うらやましいわ~。」


    「じゃあまた明日な~!」
    「ばいば~い!」
    「唯もちゃんと勉強すんだぞ!」
    「じゃあね♪」
    「失礼します。」

    8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:46:06.45 ID:G+cW11v50
    みんなと別れ、律と二人の帰り道。
    5人で居ると楽しい。でも、律と二人っきりの時間が一番落ち着ける。
    この瞬間が大好きだった。オレンジ色の空、夕日に照らされる律。
    他愛もない話をして、また明日。

    「なあ澪。」
    「ん?」
    「いい曲になったな。」
    「ああ、ムギが作る曲は本当にいい。」
    「澪の歌詞も、よく合ってる。」
    「あ、ありがと。律に誉められるなんて、何か照れるな。」

    今のわたし、顔赤いだろうな。
    律を思って書いてる、なんて…言えない。

    9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:47:29.94 ID:G+cW11v50
    ちなみに後々、ややこしくなる予定です。
    今は会話文や誰の視点かを書いてないので、必要な場合レスつけてください

    11 名前:[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:52:07.92 ID:G+cW11v50
    二人きりになれる帰り道。
    それとなく、聞いてみようと思った。
    でも…ただ歌詞について誉めることしか出来なかった。

    わたしたちは、小さい頃からずっと一緒だった。
    ずっと側で、澪を見てきた。近すぎるくらいだ。
    だからこそ、照れ臭くて「恋」の話なんてしたことなかった。

    15 名前:[] 投稿日:2010/09/17(金) 23:56:39.19 ID:G+cW11v50
    「ねえ、澪ちゃんって彼氏とか居ないのかな~?」
    追試を受ける前、唯がわたしに聞いてきた。

    「さ~、聞いたことないな。」
    「中学の時も?」
    「わたしの知る限りでは居ないと思う。まあ、モテてはいたけどな。」
    「ほほ~、罪な女ってやつだね!」
    「すごかったんだぞ~澪。こっちは名前すら知らない相手とかな。
     …でもほとんど断ってた。」
    「ほほう!じゃあほとんどの残りは?」
    「澪が途中で逃げたり、呼び出しに怖がって行かなかったり。
     それも含めたら、全部だな。」

    澪はいつだって、断っていた。
    逃げ出した時も、呼び出しに応じない時も、誰も澪を責めない。
    話したことない奴もいるから、相手は玉砕覚悟ってことだ。
    強いて言うなら、責めるのはわたしだった。

    16 名前:律・回想[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:00:24.40
    律「澪さ、相手は相当勇気いったと思うぞ?
      断るにせよ、ちゃんと聞いてやれよ。」
    澪「だって、ほとんど知らない相手だぞ?怖いよ…。」
    律「はいはい、モテる奴も辛いな。」
    澪「やめてくれ…。」

    17 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:08:39.31
    唯「じゃあ次は澪ちゃんに聞いてみよう!」
    律「わたしのことをか!?」
    唯「?違うよ~、澪ちゃんのことを。
      りっちゃんのこと聞いてどうするのさ~。」
    律「お前今、結構失礼なこと言ってるぞ?」
    唯「へへ~。じゃありっちゃんはどうなんだい。好きな人、居るのかい?」
    律「いや~...」
    唯「ほら~、りっちゃんに恋する乙女は似合わんよ!」
    律「くそー!…そういう唯はどうなんだ?」
    唯「恋人が居ます!」

    律「ええええぇぇえ?」
    唯「ギー太だよ。ふふふ~。」
    律「…追試頑張ろうな。」

    好きな人か。 わたしにもちゃんと居るぞ。
    唯も、よく知ってる人だ

    19 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:13:26.70
    梓「先輩たち、まだですかね。」
    紬「結構時間経ってるね。先にお茶しとこう?」
    澪「…そうだな。」
    梓「ですね。」

    律と唯、ちゃんと追試頑張れたかな。
    二人とも、頑張れば出来るのに。何でやらないんだろう?
    まあ、中学の頃から律がよく泣きついてきて、慣れてるけどな。
    中学の頃…律って今と変わらず、明るくて気さくで、人気者だったよな。
    友チョコとか、結構貰ってたし。
    でも…律は友チョコすら、誰にもあげてなかった。料理好きなのに。
    聞いたことないけど、好きな人とか居ないのかな…?

    21 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:20:09.65
    律「すまん!遅くなった!かたじけない!」
    唯「ムギちゃ~んケーキちょうだい...」
    梓「あ、お疲れさまです。」
    紬「二人ともどうだった?」
    唯「じゃーん!無事1発合格でありんす!」
    律「やりゃ出来るんだよ、わたしたち~!」
    澪「2発合格だろ。わかってるなら初めから勉強しろ!」
    律「へいへ~い冷たいなあ澪は。」
    唯「頑張ったんだからちょっとくらい誉めてくれたっていいのに~。」
    紬「ふふふ、お疲れさま。今お茶入れるわね!」
    唯「ムギちゃん、天使とはあなたのことか~...」
    律「女神だ!澪と違ってムギは女神!うん!」
    澪「…バカ律。」

    今日の練習は、わたしが律を振り返りながら行なった。
    目が合う度に、律は笑う。
    そうすると唯の声で、わたしの書いた詞が耳に入ってきて…。
    思わず律から目を反らす。それの繰り返しだった。

    22 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:27:01.25
    梓「今日の演奏、ばっちりでしたね!」
    梓が興奮した様子で言う。

    澪「そうだな、本番でやれる時が楽しみだ!」

    何だよ澪の奴。こっち見ては目反らして。
    まだ根に持ってんのか?そりゃ、勉強教えてくれたのにあの態度はないか…。
    二人きりになる時、ちゃんと謝るか…。

    みんなと別れ、澪と二人きり。
    謝らなきゃ、その事で頭がいっぱいだった。

    澪「…りつ?どした?」
    律「や、別に…」
    澪「そうか…」
    なかなか言い出せない。会話も思い付かなかった。

    23 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:33:21.88
    あ、そうだ。今日…
    律「唯が澪のこと、興味津々に聞いてきたぞ。」
    澪「え?わたしのことか?」
    律「うん、澪ちゃんは彼氏いるのかな~?なんてさ。」
    澪「何で律に?」
    律「澪に聞いたら恥ずかしがるからだろ?」
    澪「ああ…」
    律「ちなみに知らないって言っておいた。」
    澪「そ、そうか…」

    律「あ、でも唯には居るらしいぞ、彼氏。」
    澪「マジか!?」
    律「その相手がな…なんと…!」
    澪「…!」
    律「ギー太らしい。」
    澪「だろうな。」

    律「で…さ。」
    澪「なに?」
    律「その…澪にも居るのか?彼氏。」
    澪「ベースはベースだ。」
    律「ちげーよ、ちゃんと付き合ってる人…居るの?」
    澪「…居ないよ。」

    正直、心の中でガッツポーズした。
    付き合ってる人は、居ない。
    今はまだ、澪を独り占めしてて…いいよな?

    24 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:40:43.99
    澪「…律はどうなんだよ。その…好きな人とか、居るのか?」

    彼氏、なんて聞けなかった。
    もし「居る」なんて聞いたら、泣いちゃいそうだ。

    律「あ~...居るよ。」

    律は照れたように、目を反らした。
    そうか…律には好きな人が、居る。
    誰だろう、わたしの知ってる奴か?
    何にせよ…もう律を独り占めは出来ないんだな…。

    澪「って何でこんな会話してんだ?唯もわたしたちも。」
    律「さーなー?思春期ってやつじゃねー?
      青春だよなー!」

    律はそこから、異様に元気になった。
    そんなにわたしに言いたかったのか?…幼なじみだもんな。
    もし…付き合いだしたら、わたしに会わせたりするのかな?やだよ…。

    25 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:41:26.87
    ・訂正 澪です

    澪「…律はどうなんだよ。その…好きな人とか、居るのか?」

    彼氏、なんて聞けなかった。
    もし「居る」なんて聞いたら、泣いちゃいそうだ。

    律「あ~...居るよ。」

    律は照れたように、目を反らした。
    そうか…律には好きな人が、居る。
    誰だろう、わたしの知ってる奴か?
    何にせよ…もう律を独り占めは出来ないんだな…。

    澪「って何でこんな会話してんだ?唯もわたしたちも。」
    律「さーなー?思春期ってやつじゃねー?
      青春だよなー!」

    律はそこから、異様に元気になった。
    そんなにわたしに言いたかったのか?…幼なじみだもんな。
    もし…付き合いだしたら、わたしに会わせたりするのかな?やだよ…。

    26 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:45:19.83
    家に帰っても、澪のことで頭がいっぱいだった。
    そりゃあ…いつかは覚悟しなきゃいけないけどさ。
    でも今は、いっぱい思い出作るぞ。
    次の日曜、誘ってみよう。
    最近は部活のみんなと一緒だったし、久々に二人きりで。

    何処がいいかな~?と、雑誌のページをめくる。
    ここもいい、なんて折り目を付けていくと、雑誌はとても膨らんだ。
    今日はなかなか寝れないや。

    27 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:48:32.48
    家に帰っても、律のことで頭がいっぱいだった。
    律には好きな人が居る。あんな風に照れた律、初めて見た。
    その人には、そんな顔してるのかな。
    もう…律を独り占め出来ないんだ。
    何で今まで気付かなかったんだろう?こんなに一緒に居たのに。

    今までを振り返る。
    楽しかった記憶がよみがえる度、涙が浮かんだ。
    思い出なんて、いらないよ。

    29 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:51:07.53
    律「おはよー!」
    澪「おはよ…元気だな。」
    律「いつものことだ!」
    澪「そうだな~...」

    今日の澪、元気ないな。
    でも、今日はいっぱい計画練ってきたんだ。

    律「今度の日曜、暇か?」
    澪「え…何で?」
    律「行きたいところがあるんだ!
      あ、でも澪が他に行きたい場所あればそこでもいいぞ!」
    澪「ん~...二人で?」
    律「そう!久しぶりだろ~?」
    澪「でも…ごめん、日曜は先約があるんだ。」

    30 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 00:57:01.62
    今日の律はいつにも増して元気だ。
    そんな顔しないでくれ…なんて思った。
    すると律は、次の日曜遊びに行こうと言い出す。何で?
    先約なんてない。でも好きな人の話…とか?聞きたくない。

    律「そっか~。じゃあ仕方ない。」
    澪「悪いな、また誘ってくれ。みんなで行こう。」

    31 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:00:13.77
    みんなで?急に二人きりで誘うと、やっぱ変か?
    律「何だよ、わたしと二人じゃ不満か?」
    澪「や、そうじゃないけど…。」
    律「ふ~ん…。」
    澪「ごめんな。でも、楽しみにしてるからまた誘ってくれ。」
    律「おう。澪も行きたいとこ考えとけよ!」

    失敗に終わった。先約あるなら仕方ないよな。
    次もあるし。でも・・・何でみんなと?
    そこばっかり引っかかった。

    その日、澪はあまりわたしとは話そうとしなかった。
    いや、その日から…澪はわたしを避け始めた。

    32 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:05:22.82
    律「なあ澪…最近わたしのこと、避けてないか?」

    律と話せなくなってから数日、律はわたしに問いかけた。

    澪「いや…別に、そんなことないよ。」
    律「そんなことあるだろ。わたしなんかしたか?」

    何もしてない。ただ…律はもう、わたしのモノじゃないんだよ。

    澪「気のせいだよ。」

    苦し紛れに言った。すると律はわたしを睨みつけた。

    律「おい、ちょっと話あるから昼休み部室来い。」

    33 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:10:20.36
    あの雑誌は、折り目もそのまま開かれることはなかった。
    あんなに楽しかった日々が、嘘のようだ。

    何でこうなった?
    やっぱり…澪に気持ちがバレた?
    今までのこと全部、わたしが壊してしまったのか?

    部室に呼びつけたはいいが、何から話していいのか。
    もう・・・戻れないのか?
    澪はまだ来ない。来ない気なのかな。

    35 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:16:03.12
    ドアノブに手を掛けた。
    ドアの向こうに律がいる。何話せばいいんだろう。
    この数日、たった数日なのにとても長く感じた。
    わたしたちが一緒に過ごした時間よりも、ずっと長く。

    何で好きになっちゃったんだろう。
    何で…律を応援してやれないんだろう。
    わたしが律を思う以前に、律は親友だっていうのに。
    でも、ダメなんだよ…律。
    わたし、好きなんだよ。律のこと。

    ドアを開けると、ソファに座る律がこちらを見る。

    36 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:23:08.05
    ドアがゆっくり開く。澪だ。
    澪は、初めて見るような顔をしてた。
    とっても悲しい目。ごめんな…そんな顔させて。
    もう多くは望まない。うまく、気持ち消すから。
    ただ、親友に戻ろう。

    律「呼び出して悪かった。まあ、ここ座れよ。」
    澪「…わたしも遅くなってごめん。待ったか?」
    律「いや、大丈夫。それより、話なんだけどさ…」
    澪「…何だ?」

    38 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:27:30.57
    律「こっちが聞きたいよ。」
    澪「わたしが律を…避けてたこと?」
    律「そうだ。何で?わたし…なんか悪いことしたか?」
    澪「してない。律は、悪くないよ。」

    わたしの頬を涙が伝う。
    涙は床に2滴、3滴と落ちて、小さなシミを作った。
    律には好きな人がいること。
    それに喜んで、笑ってあげなきゃいけないんだ。
    そう思う度、涙は奥から奥から流れ出た。

    40 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:32:34.40
    律「じゃあ何で泣くんだよ…
      ごめん、謝るから、だから泣かないでくれよ…」

    やめてくれ。もうそんな悲しい顔しないでくれ。
    澪が笑ってくれたら、それでよかったんだ。
    なのにわたしは、困らせて。今までを台無しにした。

    律「わたしが…好きな人が居る、なんて言ったからだよな…?」
    それが澪を、泣くほどまでに追い詰めたんだ。

    澪は何も言わず、頷く。
    やっぱり。澪は苦しんだんだ。
    わたしが澪を好きなこと。その事実。

    それが澪を、自ら遠ざけた。

    41 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:37:33.85
    言葉を発そうとする。
    でも声は出なかった。首を縦に振って、思いを告げる。

    律「そっか、ごめんな。わたし…澪を泣かせるつもりなんてなかったんだ。」

    何で律まで泣いてるんだ…?
    律は悪くないよ。わたしがもっと、強くならなきゃいけないんだ。
    今は一番近くに居たとしても、いつかは遠くから見守らなきゃ。

    律「この前さ、唯に『りっちゃんに恋する乙女は似合わん』なんて言われちゃってさ…
      あいつひどいよなー!でも…その通りなんだ。」
    律は涙を溜めて、ただ笑う。そんなことないよ。

    「好きな人が居る」
    その事実をわたしに告げた律は、あんなにいい顔をしてたんだから。
    だからわたしは、こんなに泣いてしまったんだ。

    42 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:42:03.37
    澪「わたしにもさ、『澪ちゃんほど片思いが似合う女子は他に居ない』だって…
      律も聞いただろ。失礼じゃないか?唯のやつ…憂ちゃんに叱ってもらわなきゃな…」

    今、ちゃんと笑えた?
    もう律を困らせない、そんな笑顔だった?
    これでもう、終わりにしよう。
    わたし、ちゃんと律を応援するよ。
    もし律が好きな人と付き合えたら、「律をよろしく」ってちゃんと言うよ。
    だから…

    43 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:45:18.27
    澪「片思い、やめるよ。いくら似合ってても。」

    澪はめいっぱい笑って言った。
    そうか、澪も好きな人いるんだな。
    でも…その言葉の意味はわからなかった。

    律「?いや…何でやめんだよ、やめるのはわたしの、似合わない恋する乙女だ。」
    わたしもめいっぱい笑った。

    そこからだ、話が噛み合わなくなったのは。

    44 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:50:56.90
    澪「え?何でやめんだよ。」
    思わず律と同じセリフを発していた。

    澪「律は頑張れよ、わたしが諦めるから。」
    律「何でそうなるんだよ、大体何を?わたしが諦めれば済むことだろ?」
    澪「律が諦めたら、わたしが泣いた意味ないだろ?」

    「は?何?ごめん、何の話?」

    ん?ちょっと話がわからなくなってきた…。

    45 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:54:56.36
    律「待て、話を整理しよう。」
    どこからだ、話がこんがらがり出したのは…。

    律「まずさ、何で澪はわたしを避け始めたんだ?」
    澪「そりゃあ…律に好きな人がいるから…。」
    律「泣かない。で、だからわたしを避けたんだろ?」
    澪「そうだよ?今言ったぞ?」
    律「じゃあ何で、わたしが諦めたら意味ないの?」
    澪「だって…ここは身を引けば…。」
    律「澪ひく?」
    澪「違う、わたしが、『身』を引くんだ。」
    律「何から澪は身を引くんだよ。」
    澪「ごめん、今わたしの名前呼ぶとややこしい。」
    律「秋山さん、何から身を引くんだ?」
    澪「律からだろ?」
    律「いや、わたしが身を引くんだよ、秋山さん。」

    澪「えっ?」
    律「えっ?」

    46 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 01:58:24.40

    澪「あのさ…律の好きな人って…誰?」
    律「もう言わせるなよ~。これだけ泣いたのに恥ずかしいだろ。」
    澪「いいから言え!誰だ!わたしの知ってる奴か!?」
    律「知ってるも何も…本人じゃん。」
    澪「えっ?えっ?」
    律「秋山澪だよ!わたしの好きな、でも身を引いた人。」
    澪「はあああああ?」

    律「何でキレんだよ今更。」
    澪「違う、待って、頭おかしくなりそ…」
    律「諦めさせて、そのくせまた言わせて、何故かキレて。相変わらずひどい女だな!」
    澪「違う!違う!わたしも律が好きだよ!」
    律「へっ?」



    澪「えっ?」
    律「えっ?」

    48 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:04:18.55
    「どういうこと…?」

    二人で問題を整理した。

    「澪はわたしが澪を好きだって気付いて、引いたんだよな?」
    「違う、わたしは律に好きな人がいるって言われて…落ち込んだ。」
    「だから避けた?」
    「そう、思い出なんていらない、とか言っちゃった。」
    「え?何それ?」
    「いやこれは今考えてる歌詞で…」
    「歌詞の話、後にしてくんね?」
    「ごめん…。」
    「で、話の続き。」
    「好きな人がいる律を、独り占めしちゃいけないって思った。」
    「ほう。」
    「そう思うと、うまく話せなくて…なあ恥ずかしいよ。律は?」

    「わたしは…澪に彼氏が居ないって聞いて…まだ独り占め出来るって思った。」
    「ほう。」
    「で、いつか彼氏が出来るまでに、いっぱい思い出作ろうと思って、誘った。」
    「それって…」



    「「うちら両思いってこと?」」

    52 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:10:03.63
    思わず重なる声。
    相当大きな声だったから、誰かに聞かれたかも。
    でもこの際…もうどうでもいい…。

    ポジティブ過ぎるわたし。
    ネガティブすぎる澪。
    同じ思いでいた二人。なのに捉え方が違い過ぎて、無駄にいくつもすれ違いあってた。

    そして無駄に疲れた。
    とりあえず…何だ?どうすりゃいい?

    「とりあえず、顔洗って教室戻ろうか。秋山さん、ひどい顔だぞ。」
    「澪って…呼んでくれよ…。」

    53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:11:33.06
    ごめん 会話文に名前入れ忘れた わかるよな?

    56 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:15:52.00
    唯とムギがこっちを見る。
    二人とも赤い目して何してたの?と聞かれる。
    説明する気力もない…いや、説明しちゃまずいだろ。

    律が適当にごまかした。
    アイツはそういうことが、昔からうまい。
    そして他の二人は、基本的に「疑う」ということを知らない。

    57 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:17:37.69
    授業中、澪を見ると、珍しくウトウトしていた。
    きっと泣いたことで、疲れて目がジンジンするんだろう。

    「澪の分、ノートとっておくか…」
    わたしは珍しく、ほぼ白に近いノートをめくり、せっせと黒板を写した。

    そして、いつも通りの部活をした。
    昼休み、わたしたちがたくさん泣いて、たくさん混乱して、気持ちを確かめ合った場所だ。
    ちゃんと新曲の練習もしたのに、リズム隊はグダグダだった。

    梓「律先輩も澪先輩も…どうしたんですか。」
    梓、ごめん先輩お答え出来ません。

    58 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:21:20.02
    部活が終わり、澪と二人きりになった。

    澪「すっかり、夕方だな。」
    律「だな。今日は何かすぐ寝れそうだ…。」
    澪「わたしも…。」
    律「でも、嬉しかったよ。」
    澪「それも、わたしも…。」

    澪が腫らした目で、笑った。

    律「ははっ、ひどい顔ですよ秋山さん。」
    澪「うるさい。で、澪って呼んでくれ。」
    律「はいはい、みーおーちゃん。」
    澪「でさ…部のみんなには、話すのか?」
    律「澪、やだろ?」
    澪「あ…うん、出来れば黙ってたい。」
    律「仕方ないか~。」
    澪「ごめん…。」
    律「でもその代わり…次の日曜、遊んで?二人きりで。」
    澪「うん、楽しみにしてる。」

    59 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:25:18.78
    大好きなこの時間。
    オレンジ色の空、夕日に照らされる律。

    澪「わたし、この時間好きなんだ。」
    律「でも日が落ちるの早くなっちゃったな。もう時期暗くなる。」
    澪「暗くなったらさ…見えないと思うんだ。
    律「?うん。」
    澪「手、繋いでもいいか…?」
    律「もっちろん。」

    家を通り過ぎて、わけもなく歩き続けた。
    辺りが暗くなった途端、律が黙って手を差し伸べてくれた。
    律が腕をブンブン振り回すから、何度か手が離れたしまった。
    でもその度、次は離れないように強く、握りなおした。

    61 名前:[] 投稿日:2010/09/18(土) 02:31:38.76
    約束の日曜。
    律は折り目だらけの雑誌を片手に、
    「次の約束、その次の約束…」とたくさん丸を付けた。
    でも、約束なんていらないよ。

    わたしたちには、必要ない。


    新しく書いた歌詞も完成した。
    いつも通り、律に見せた。

    律「澪…『思い出なんていらないよ』ってあの時の…。」
    澪「まあまあ、その後読んで。」




    だって“今”強く、深く愛してるから






    終わり。

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澪「ピックゥ!! ピック買って下さああァい!!!」
唯「ひとくち交換しよ~」
梓「どんなに寒くても、僕は幸せ…っと」
  1. 名前: 2010/09/20(月) 16:28:22 URL [ 編集 ]
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