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律「いつから友達じゃなくなったんだろう」

  1. 名前: 管理人 2010/10/23(土) 17:34:12
    2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/22(金) 15:11:34.48
    突然、おかしな衝動に襲われた。

    すぐそこにある長くてきれいな黒髪に。
    白くて柔らかなその肌に。
    濡れた赤い唇に。

    触れたい。

    伸ばしかけた手を、自分の中に残っている理性を総動員して止める。


    3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/22(金) 15:13:00.60
    まただ。
    澪と一緒に過ごす夜は、必ずこんなふうになってしまう。

    どれだけ必死に自分を保とうとしたって。

    「りつ……?」

    名前を呼ばれて。

    「したいの?」

    寝起きのぼんやりした表情で。

    「良いよ」

    そう言って微笑まれたら。
    私は澪に手を伸ばさざるを得なくなる。

    4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/22(金) 15:15:14.41
    同性に、澪に欲情していた。
    澪の身体に触れることが好きだった。
    澪も私を拒まないでいてくれた。

    だけどお互い、こんなことおかしいんだってわかってた。

    「いつから友達じゃなくなったんだろう……」

    事が終わると、私は必ずそう言って澪に背中を向けた。
    澪はただ、「わかんない」と答え、私の背中をその長い指でなぞってゆく。

    「ただ……」

    澪が何を言おうとしてるのか、わかっていた。

    8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/22(金) 15:17:05.47
    もう終わりにしよっか、こんな関係。

    澪がそう言えば、私はそうだなと頷ける。
    頷いて、友達に戻ろうと言えばいい。

    だけどいつも澪は、「ただ……」と声を発したきり、何も言わない。
    弱虫でへタレな私は、だから何も言えない。

    9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/22(金) 15:19:06.41
    澪が私の背中に寄り添うようにして、そのまま、夜がふけていく。
    好きだとか、そんな愛のコトバなんて、何もない。
    ただ私たちは、無言で重なり合うだけ。

    初めはそれだけで満足だった。
    今だって満足だと思ってる。

    だけど、こんな関係になってしまってから、心にぽっかり空いた穴は、
    いくら澪と行為を繰り返したって塞がらない。


    11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/22(金) 15:25:09.29
    私は何を求めているんだろう。

    最初はただ、悪戯のつもりで始めた。
    いつのまにかお互い本気でその行為をするようになった。
    何度も何度もそれを繰り返すうちに、澪の身体を求めるようになった。

    煙草や薬の依存性と同じなんだと思う。

    私は、澪の身体に依存している。
    たぶん、澪だってそう。

    澪だって、私の身体に依存している。

    だから私たちは行為を繰り返す。

    12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/22(金) 15:31:08.81
    身体は満足していた。
    なのに心はまだ満たされなかった。

    満たすどころか、もっともっとと求めるようになった。

    人間の欲求はいつまでも続くと聞いたことがある。
    まさにその通りだった。

    私は今、澪の身体が欲しいんじゃなく、澪の心が欲しい。
    澪に触れたいんじゃなく、澪の心に触れたい。

    もっともっと、求められたい。


    15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/22(金) 15:45:27.77
    だけど私たちは、きっともう、戻れないから、私は何も言わない。
    澪もきっと、そうなんだと思う。

    私たちは戻れない。
    澪の、私の心が在る場所へ、戻ることなんて出来ない。

    ただ、快感という名の海で、私たちは溺れるしかない。
    何も気付かない振りをして、溺れ続けるしかない。

    朝の光が、後ろで眠ってしまったらしい澪を照らした。
    私は寝返りを打つと、澪を見た。澪が微かに身動ぎした。

    その幸せそうな顔を見て、何となく澪で弄んでみたくなった。
    まだこんな関係じゃなかった頃、二人でじゃれ合っていたときのように。

    だから私は、「おはよう」の代わりに、「愛してる」と囁いてみる。
    ゆっくりと目を開けた澪は、居心地悪そうに「バカ律」と小さな声で言うと、
    私に朝の口付けを寄越してくれた。

    終わる。

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  1. 名前: 評論家 ◆OUu6VteM 2010/10/24(日) 04:37:03 URL [ 編集 ]
    短すぎワロタwwwwww

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