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けいおん!SSまとめブログ けいおん! このブログはVIPで立った「けいおん!SS」をまとめたブログです。

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紬「あと一作書いたら60作になるの!」

  1. 名前: 管理人 2010/10/24(日) 22:42:20
    23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 11:28:37.45
    紬「よく考えると私ってこれといった趣味がない気がする」

    紬「今日はすごい暇だしネットでもしてみようかな?」ぽちっ

    PC「ウイー」

    紬「とは言ったもののやりたいことがない。YouTubeっていうのでも見ようかな?」

    紬「あ、そういえば……」

    紬「たしか履歴っていうので前見てたサイトがわかるのよね」

    紬「たしか昨日はお父さんが使ってたから……」ぽちっ

    紬「なんだろう、百合ノート?」

    紬「見てみよ」


    24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 11:33:36.31
    紬「VIPのけいおん!SSサイト?」

    紬「SSってなんだろう……タイトルみたいなのがいっぱい並んでる」

    紬「ためしにひとつ見てみよ」

    紬「……小説?」

    紬「けど地の文がない……」

    紬「でも面白そうだし、見てみよう」

    25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 11:38:37.43
    一時間経過

    紬「面白い……とっても面白い!けいおん!SSとっても面白い!」

    紬「お父さんはやっぱり素晴らしい趣味を持ってるのね」

    ドア「コンコン」

    斎藤「紬お嬢様。まもなくお食事の時間です」

    紬「もうそんな時間?」

    斎藤「そうですが」

    紬(ご飯を食べたらまたSSを見よう)

    26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 11:44:13.43
    紬「パクパク」

    紬父「今日は妙に食べるのが早いな」

    紬「ほうへふは?」

    紬母「口の中のものがきちんとなくなってから食べなさい」

    紬「パクパクパクパク……そうですか?」

    紬父「うむ。それに心なしかソワソワしてないか」

    紬「ほんはほほはなひとほもひます」

    紬母「だから口の中のものがきちんとなくなってからしゃべりなさい」


    27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 11:49:46.78
    登校!

    紬「ふあ~あ、眠い」

    紬(昨日はけいおん!SSの見すぎで全然睡眠とれなかった)

    紬(でもすごく充実した時間だった)

    律「おーい、ムギー」

    紬「りっちゃん、おはよう」

    澪「ムギはなんだか眠そうだな」

    紬「うん。少し夜更かししちゃって」

    紬(結局ベッドに着いたたのは朝の4時だったから眠いのも当たり前かな)

    28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 11:59:46.70
    昼休み

    和「ムギはさっきからなにしてるの?」

    紬「……」ぽちぽち

    唯「ムギちゃん?」

    紬「え、あ……ごめんなさい」

    澪「珍しいな。ムギがケータイいじってるなんて」

    紬「そうかしら?」

    律「なに見てるんだ?」

    紬「ええと、秘密」

    律「えー!教えてくれよ!」

    澪「そう無理強いするなよ」


    29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 12:05:31.20
    一ヶ月経過

    律「最近ムギ学校休みすぎじゃないか?」

    澪「うん。なにかあったのかな」

    唯「な、なにかってなに?」アタフタ

    律「ああ~ムギのお茶が飲みたいよ~」

    唯「私もムギちゃんのお菓子が食べたいよ~」

    梓(実は先輩たちにとってはお菓子>ムギ先輩なんじゃ……)

    30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 12:12:53.82
    紬部屋

    紬「……」

    紬「……」イライラ

    紬「……ない」イライラ

    紬「最近面白いSSがない!」ガタッ

    紬「まとめサイトの面白いSSは見つくしてしまった」

    紬「ああ!イライラする!」

    ドア「ニコッ」

    斎藤「紬お嬢様。どうしたのですか。平日の昼間から学校にも行かないと」

    紬「それよりも聞いて!」

    斎藤「なんでしょうか?」

    32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 12:24:25.67
    紬「最近面白いSSがないのよ」

    斎藤「……」

    紬「私はそのせいでイライラしてるの!」

    斎藤「……ないのなら作ればいいのではないでしょうか?」

    紬「ないのら作る」

    紬「そ  れ  よ!」

    紬「こうなったら私がけいおん!SS名作を書いて盛り上げるしかない!」


    第一章「パラレルとけいおん!SSの出会い」

    34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 12:29:17.47
    少し休憩します

    39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 14:28:32.90
    紬「やっぱりやるなら奇抜なものをやりたいわね」

    紬「とりあえずスレタイを考えなきゃ」

    紬「スレタイは 唯「 にしたほうがいいわよね」

    紬「……」

    紬「よし、決めた。スレタイは唯「らぶ☆ビーム発動!!」」

    40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 14:33:28.45
    紬「スレタイを入力して、と」

    紬「本分を書いて、と」

    紬「よ、よし。できたわ…」ドキドキ

    紬「……」

    紬「え、エンター」


    ――ここからパラレルの伝説は始まった。

    42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 14:57:28.55
    結論から言うと紬の作品はまるで反応がなかった。


    紬「ま、まあ初めてだからこんなものなのかな?」

    けっこう紬はガッカリした。

    意外とSSの世界は厳しいのだとこの時彼女は初めて知った。

    ちなみに紬、もといパラレルの書いたSSはこれだ↓

    desktop2ch.net/news4vip/1279990683/

    43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 15:03:56.80
    紬「……けいおん!SSを書くのはそんな簡単じゃない」

    紬「こうなったら……」

    紬「私にはどうも文才はないみたいだから」

    紬「どんどんSSを量産するしかない!」


    彼女はそれから半年以上に渡りSSを書きまくるのだが、
    質より量をモットーとするあまり中には当然納得 のいかないデキになるものもあった。



    44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 15:12:45.20
    学校

    律「今日もムギ、学校に来てないのか?」

    澪「そうみたい。最近は一週間に一回くらいしか来ないし……」

    唯「ムギちゃん大丈夫かな?」

    梓「皆さんはどうしてムギ先輩が学校を休みがちになったのか知らないんですか?」

    澪「いや、何回か聞いたんだけど体調不良としか言わないし」

    唯「でもムギちゃん、学校に来てるとケータイいじるか寝てるかのどっちかだし」

    唯「本当に体調不良かも」

    澪「一回くらいお見舞いに行ったほうがいいかもな」

    45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 15:44:11.36
    紬部屋

    紬「や、やった……つ、ついに。ついに戯言ニュースに載った」

    斎藤「お嬢様やりましたな!」


    斎藤は部屋中をぴょんぴょん跳ね回る紬を見て涙した。
    なにせここのところの紬といったら見るからに憔悴していて、見ていて痛々しいことこの上なかったからだ。

    ちなみにそのSSは唯「エンドレス4月16日」という悪趣味な鬱SSである。

    自分にギャグセンスがないと判断した紬は鬱もので勝負に出たのだ。

    しかし、このSSの完成には意外と手こずった。
    スレストのジャマが入ったせいだった。

    ちなみにスレストにジャマされた彼女のSSには
    平沢唯の朝や紬「ねぇ…りっちゃん知ってる桜の花の落ちるスピード」
    などもある。

    46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 15:52:27.74
    それから紬は更に新作を次々と生み出す。


    くまだまさし「軽音部?」 唯「予知夢」などの良作を生み出し、紬のSSは徐々に知れ渡ることになる。


    紬「うん? またこのスレが立ってる」

    紬「カルーアミルク……?」

    紬「ちょっと見てみようかな」

    紬「あれ、SSじゃない?」

    紬「あ、なんでか知らないけど私のSSが話題になってる……」


    紬はこの時初めて「カルーア」の存在を知った。


    紬「なるほど。有名な書き手さんはここで話題になるのね」

    紬「よーし、もっと面白いSSを書こう!」

    47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 15:58:04.15
    紬「次はなんのSSを書こうかしら?」

    紬「鬱もの、うーん、でもどうせならもっとべつのお話も……」

    ドア「ニコッ」

    斎藤「失礼します」

    紬「なに? 今私は忙しいの」

    斎藤「……お嬢様。今日は学校に行かないのですか?」

    紬「今日は生理でお腹痛いから学校に行くのは無理よ」

    斎藤「なんなら私が送迎しますが」

    紬「そういうお嬢様扱いが嫌いだってことを斎藤は知ってるでしょ?」

    斎藤「……失礼しました」

    49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 16:04:19.52
    紬「とりあえず学校に欠席するって電話しておいて」

    斎藤「……はい」

    紬「いちおう、明日は学校行くつもりだから」


    斎藤が部屋に入ってから一度も紬が彼に視線を向けることはなかった。

    ちょっと泣きそうになった。


    50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 16:12:02.60
    紬部屋

    紬「う~ん……」

    紬「ここのところいいアイデアが浮かばないわね」

    紬(なにか面白そうな話はないかしら)

    紬(私にミステリとか難しい話は無理だし)

    紬(エッチなのはちょっと……///)

    紬「うーん……」

    紬「……」

    紬「……そうだ!」

    紬「パラレルワールドだ!」


    ――これが紬がパラレルと呼ばれる所以となる、パラレルワールドを思いついた瞬間だった。


    第二章「パラレル!」

    52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 16:27:22.10
    紬「間違いなくこの唯「パラレルワールド」は受けるわね」


    しかし紬は知らなかった。

    すでに似たようなSS、唯「鏡の世界!」があることに。

    そのせいかまとめサイトで叩かれまくって紬は憤慨した。

    紬「ファッキュー! この私がパクリなんてそんなゲスな行為をするとでも思ってるの!」

    紬「カルーアでも鏡の世界よりつまらないとか言って叩かれてるし」

    紬「私、パクってないよ……」

    紬「…………パクってないっけ?」


    もしかしたらパクったかも、と紬は自信をなくした。
    救いだったのはそれなりに擁護してくれる人間がいたことだろう。

    54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 16:36:22.10
    紬「まあ、なんだかんだ私のSSって話題になってる♪」

    すでに一回カルーアで晒しを経験していた紬だったがまた、晒したくなった。

    今なら話題作のパラレルワールドもある。

    ドア「パラッ」

    斎藤「お嬢様」

    紬「……なに」

    斎藤「担任の山中先生という方がお見えになっておりますが」

    紬「……」

    紬(どうせ学校に来いとかそういうことでしょ?)

    紬「……悪いけど、帰ってもらって。今ここからはなれられないから」



    57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 16:47:37.94
    斎藤「お言葉ですがたまには外に出られたほうがよろしいのでは?」

    紬「出てるじゃない。最近も近所のレンタルショップにDVDを借りに行ったわ」

    紬(SSのネタ探しのためにDVD漁りしてるのよ!)

    斎藤「……しかし、ここ最近は誰にも会ってないのでしょう?」

    紬「……」

    斎藤「無礼を承知でお嬢様の使っているパソコンを拝見しました」

    斎藤「SSとやらにハマっているそうですな」

    紬「……悪いの?」

    斎藤「いえ。私もかつては、らき☆スタSSにハマったことがありますので」

    58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 16:56:46.11
    紬「らき☆すたがなにかは知らないけど、だとしたら斎藤。あなたも私のこと言えないじゃない」

    斎藤「いえ、さすがにお嬢様ほど熱中はしませんでしたよ。それに……」

    紬「それに?」

    斎藤「SSはいずれは廃れます」

    紬「……!」

    斎藤「紬お嬢様。そのようなものよりもっと大事なものがあるはずです」

    紬「……黙りなさい。それ以上喋るならあなたをクビにすることも可能なのよ」

    斎藤「……失礼しました」

    斎藤の言葉は紬には届かなかった。

    実は斎藤がかのスレスト事件に大きく関わっていたことは、やはり紬に教えないほうがいいのだろう。

    60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 17:09:46.11
    斎藤「すみませんがお嬢様は体調が優れないため、会いたくないそうです」

    さわ子「そんな……ほんの少しでもいいので合わせていただけませんか?」

    斎藤「申し訳ございません」

    さわ子「……わかりました。無理を言ってすみませんでした」

    斎藤「いえ……」

    さわ子「それじゃ、失礼します」


    夏休みが迫っていた。

    けいおん!SSのことしか考えられなくなりつつあった紬は、学校に一ヶ月近く行ってなかった。

    61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 17:17:09.92
    紬「さて、また晒そうかしら」

    製作速報にカルーアスレが立つようになってから紬はことあるごとに晒していた。

    紬は自分が名作を書けないことを察していた。

    紬「だから私は晒しまくる」

    紬「いわゆる売名行為よ」

    紬「けいおん!SSは私が廃れさせたりしないわ」

    しかし、紬がパソコンでSSを書くことはすでになかった。

    両親にパソコンを没収されたのだ。

    紬「まあケータイでも余裕でSSは書けるから問題ないけど」

    62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 17:19:48.83
    紬「さて、次はなに書こうかな……って、メールだ」

    紬「りっちゃんからだ……」

    紬「……返すの面倒だから消しとこう」


    もはや紬にとっては学校や学校の友人のことなどどうでもよかった。

    64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 17:46:30.23
    紬「パラレルさんと~じょ~」

    紬「今日は私の話題になってないかしら?」

    紬はひたすらカルーアに張り付いていた。

    自分の名前があがればすぐにでもレスを返せるようにするためだ。

    紬「もちろんSSも書くけど」

    とは言ったものの、数で勝負する紬のSSは質は決して高くはなかった。

    そのため糞SS製造機と呼ばれることも少なくなかった。

    紬「私よりつまらないとSS書いてる人いっぱいいるのにひどいわね」

    65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 17:49:20.36
    紬「晒しまくらないほうがよかったかな……?」

    紬「晒してからというものの私が話題になっても全然SSには触れてもらえないし」

    紬「……目が痛い」

    紬「とりあえず保守させておこ」

    紬「最近平日にスレ立てすることが増えたかも……」

    成果がなかなかあがらなくて紬は以前より悪くなった目を擦る。

    紬「みんななにしてるんだろ?」

    紬「……私には関係ないか」


    66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 17:58:36.51
    この日も紬はカルーアに張り付いていたが、

    紬「はあ~、もうけいおん!SS書くのやめようかな……」

    紬「ゴールデンタイムズには相変わらず載れないし」

    紬「……ん?」

    紬「パラレルさんのSSがゴールデンに載ってる?」

    紬「……!」

    紬「……」ポチっ

    紬「……本当だ」

    紬「私のSSがゴールデンタイムズに載ったー!」

    紬は久々に喜んだ。

    紬が学校に行かなくなってから三ヶ月が経とうとしていた。

    67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 18:06:39.37
    ずっとVIPに張り付いていた紬は薄々感づいていた。


    紬「SSが減ってる……」

    紬「カルーアも全然進まない……」

    紬「う、うそよ……」

    紬「私のスレもまるで支援レスがつかないなんて……」


    けいおん!SSはけいおん!が映画化する前に既に衰退の一途を辿っていた。

    紬「私なんかのSSじゃあけいおん!SSに影響なんて与えられない……」

    紬は自分の視界が滲んでいるのにようやく気づく。

    68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 18:11:53.49
    紬はそれでも惰性でSSを書き続けた。

    泣きながら。

    その目は死んでいた。

    もとから色白の頬は病的な白になっていた。

    紬「自分が楽しいから書くって言ったけど」

    紬「誰も見てくれないなんて……」

    もはやけいおん!SSを書いているのはごく少数の人間だけだった。

    ある日、律からメールが来た。

    荒涼とした心に水を求めるように紬はメールを開いた。

    メールの内容はこうだった。


    70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 18:16:28.21
    ムギへ


    私と唯と澪と和は同じ学校へ行くことになったんだ。

    今日、私たち全員試験に受かったんだ。

    ムギ。お前がいなくなってからの軽音部はなんか物足りなかった。

    ムギは今なにしてるんだ?

    ずっと会ってくれないし。

    会いたく事情でもあるのかもしれないけど。

    私たちはまたムギに会いたい。

    急に直接会ってくれなんて無理があるけどさ。

    せめてメールだけでもほしいな。

    返事待ってるよ。

    71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 18:19:00.69
    紬「……」

    紬「……くっ」


    紬は今さらながら気づいた。

    もう自分が学校に行かなくなってから八ヶ月近く経過していたことに。

    紬は溢れる涙を止めることができなかった。



    72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 18:21:47.19
    紬「……メール」

    紬は返信しようとした。

    けれどもできなかった。

    今さらなにをしゃべればいいというのか。

    紬「……りっちゃん……みんな……!」



    73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 18:24:15.29
    紬「うっ……」

    紬「うわああああああああ」


    紬は声をあげて泣いた。

    けいおん!SSという虚構の世界にハマり、最後の最後まで現実に帰ろうとしなかった少女の末路だった。





    お         わ     り 

    75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 18:31:49.83
    斎藤「中野梓様でしたね」

    梓「はい」

    斎藤「お嬢様はすっかり部屋から出なくなりました」

    斎藤「最近は誰とも会話していません」

    梓「ムギ先輩……」

    斎藤「もしあなたが紬お嬢様の……」

    梓「……?」

    斎藤「……いえ、なにもです。この部屋がお嬢様の部屋です」

    梓は紬と会ってもう一度話しをしようと試みた。

    なんとかして紬を助けたかった。

    梓「失礼します」

    梓は扉を開けた。

    77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/24(日) 18:37:48.71
    梓「ムギ先輩……」

    部屋は真っ暗だった。
    独特の匂いが部屋には漂っている。

    梓「ムギ先輩」

    紬「誰……?」

    かすれた声。紬の声だった。
    かつての澄んだ声はどこにいってしまったのだろう。

    梓「私です。中野梓です」

    紬「梓ちゃん……」

    ムギが振り返る。
    その顔は憔悴しきっていて酷く不気味だった。梓は思わず目を逸らした。

    梓「ムギせんぱ……」

    紬「梓ちゃん……聞いて……」

    紬はだらし無く開いた口をさらに大きく開けて言った。
    その声だけは妙にハキハキとしていた。

    紬「あと一作書いたら60作になるの!」


    お         わ          り

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憂「お姉ちゃん、こっちにおいでよ」
唯「澪ちゃんって胸大きいよね~」
唯「憂のお姉ちゃんだもん!」
  1. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/10/24(日) 23:57:19 URL [ 編集 ]
    なんで
    ドア「ニコッ」
    って喋るんだよ
  2. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/10/25(月) 01:26:59 URL [ 編集 ]
    俺も今日からけいおんSS書くわ
  3. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/10/25(月) 15:19:40 URL [ 編集 ]
    むぎちゃんがさらにまっしろになったら、お人形さんみたいになるよ!
  4. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/10/26(火) 17:58:33 URL [ 編集 ]
    つまり、どういうことだってばよ
  5. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/11/14(日) 21:36:53 URL [ 編集 ]
    パラレルワールド書いた人の自分語りか
    自分語りって大概寒くって嫌いなんだけど、これはわりと面白い

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