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俺「おはよう、田井中」 律「り、律って呼んでって言っただろぉ」

  1. 名前: 管理人 2010/11/23(火) 13:34:18
    10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 11:46:34.59
    俺「おはよう、唯!」

    唯「あ、俺くんおはよー!眠いねえ」

    俺「あ、おはようむぎちゃん」

    紬「ふふふっ、おはよ~」

    俺「澪も、おはよう」

    澪「あ…お、おはよう…」

    俺「おはよ、あずにゃん!」

    梓「おはようございます、俺先輩!」

    俺「…おはよう、田井中」

    律「り、律って呼んでって言っただろぉ」

    俺「あぁ、そっか。ごめんな田井中」

    律「うぅー…」


    12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 11:57:45.97
    放課後・部室

    律「なあ…私って俺に嫌われてるのかな?」

    澪「…どうした藪から棒に」

    律「いや、何となくな…」

    梓「そんなことないと思いますよ?俺先輩は誰にでも分け隔てなく接する人です」

    紬「そうね。私、男の人ってあまり得意じゃないけど、俺君だけは平気だもの」

    唯「うん!私も俺くん好きだよ!」

    律「唯!?そ、それって…」

    唯「ほえ?あ、違うよりっちゃん!も~、何勘違いしとるんですか~?」

    律「そ、そうだよな!なははは!なはははは!はぁ…」

    澪「…」

    14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 12:03:57.78
    帰宅途中

    澪「なあ、律」

    律「んー?」

    澪「お前、俺君のこと好きだろ?」

    律「ぶはっ!?な、なななななな!?」

    澪「やっぱりか」

    律「なななに言ってんだ澪!?そ、そんなはずないだろ!?あんなやつのことなんとも思ってないって!!」

    澪「律はこういう嘘は下手だよな、昔からさ。バレバレだぞ?」

    律「うぅ…そ、そうか…?」

    澪「うん。まあな…私は協力しろと言われれば、協力するぞ?」

    律「澪………ありがとう。でも、やっぱいいや。私は…恋なんて柄じゃないからさ」

    澪「…そっか」

    律「うん…」

    16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 12:10:08.53
    律「なあ、澪」

    澪「うん」

    律「俺ってさ…何で私のことだけ苗字で呼ぶんだろうな」

    澪「え?…あぁ、そういや今朝も…」

    律「…うん」

    澪「それで部活であんなこと聞いたんだな」

    律「ま、そういうことだな。…やっぱ嫌われてるのかな」

    澪「私は俺君じゃないから何とも言えない」

    律「…だよな」

    澪「…でもな」

    律「うん」

    澪「俺君ってああ見えて…結構照れ屋さんだと思うよ」

    律「えー?まっさか~」

    澪「私も照れ屋だからな。わかるんだ、何となく」

    律「…そっか」

    18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 12:16:47.87
    澪「そう。だから、もしかしたら照れてるからこそなのかもしれないよ」

    律「…うん、わかった。へへへ…ありがとな、澪」

    澪「…なーんだ」

    律「へ?」

    澪「やっぱり、恋、したいんじゃないか」

    律「ふぇっ!?い、いや、そんなことない!ないから!」

    澪「さっきの顔が何よりの証拠だ!白状しちゃえよ!」

    律「むぅぅ…はい、そうです!わ、私は俺と付き合いたいと思っています!」

    澪「あははっ!うん!よく言えました、えらいえらい!」

    律「子ども扱いするなよなぁ~」

    21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 12:24:50.45
    澪「まあ、さっきも言ったけど、協力してほしい時はできるだけ協力するからさ。頑張れよ?」

    律「うん…ありがと」

    澪「じゃ、また明日な」

    律「お、おお!またな!」

    澪「…」てくてくてく

    律「…」てくてくてく

    律「…澪!!…だ、誰にも言わないでくれよな!?」

    澪「ん?…ははっ!わかってるよ!」

    律「約束だぞー?」

    澪「ああ、約束だ!」

    律「絶対の、絶対だかんな!」

    澪「ああ!絶対の絶対の絶対だ!」

    律「…うん!へへへっ!じゃーなー!」

    澪「ああ、また明日なー!………まったく、世話の焼ける幼馴染だな」

    22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 12:31:57.11
    翌朝

    俺「おーっす!」

    唯「あ、俺くん!おっはよー!」

    俺「朝から唯は元気だなあ」

    律「お、おはよう!俺!」

    俺「おう田井中」

    律「!!だ、だから律って呼べってばさー!」

    俺「あぁー…はいはい」

    律「…何だよそれ」

    澪「…な、なあ俺君。あのさ…」

    俺「あ、澪ごめん!俺今日日直なの忘れてた!じゃな!」タタタタ…

    紬「ふふふっ、意外におっちょこちょいさんなのね~」

    律「そう…だな…」

    澪「…」

    23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 12:37:47.70
    放課後

    唯「でねでね!俺くんってば慌てて走ってったらがくってつまづいちゃったんだよ~!」

    梓「へ~、意外ですね、俺先輩にもそんなところがあるなんて」

    紬「でも、あの時間で日直に間に合ったのかしら?」

    梓「どうなんでしょうね。でも、うちの学校とはシステムが違うのかもしれませんし。ね、律先輩?」

    律「…」

    梓「律先輩?」

    律「へっ!?あぁ、そうだな!そうだそうだ!うん、そうだよ、な!」

    梓「…話聞いてませんでしたね」

    唯「なんか最近りっちゃんぼーっとしてること多いよね。何か悩みごと?」

    紬「たとえば恋の悩みとか!」

    律「ほへっ!?」

    澪「!!」

    唯「またまた~、りっちゃんに限って恋なんてねえ~」

    梓「何気にひどいこと言いましたよね、今」

    25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 12:45:49.97
    律「だはははは!ほ、ほんとに恋の悩みならよかったんだけどな~」

    唯「ほらほら!やっぱり!私の言ったとーりでしょう!」

    梓「何で偉そうなんですか」

    律「実はさ~、えーと、よ、よく行く楽器屋でいいペダルを見つけてさ、お小遣い貯めようかどうしようかと…」

    梓「ああ、結構普通の悩みですね…」

    律「うるせーやい中野!」

    唯「あははははは!なかの~!」

    紬「うふふふふっ!でもよかったわ、深刻な悩みじゃなくて~」

    律「当ったり前だろ~?私がそんなグジグジ悩むようなタマかっつーの!なはははは!なはははは…」

    澪「(随分…無理してるな…)」

    30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 13:02:29.32
    帰宅途中

    澪「なあ、律」

    律「んー?」

    澪「みんなにもさ、話してみたらどうかな?」

    律「…やだ」

    澪「でも、これから俺君の話題が出たときに…つらいんじゃないか?今日みたいにさ」

    律「…で、でも…唯や梓に…きっと…か、からかわれるよ…。そんなのやだよ…」

    澪「…あのさ、律。もっと仲間を信用したらどうだ?」

    律「仲間…」

    澪「お前が本気で心を開けば、きっと全力で受け止めてくれるよ。だって仲間なんだからな」

    律「…そうだな。ごめんな、澪」

    澪「謝るんなら唯や梓に謝っとけ。心の中だけでいいからさ」

    律「…うん」

    34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 15:11:33.47
    澪「まあ、別に無理強いはしないけどな。決めるのは私じゃない」

    律「うん…」

    澪「ゆっくり考えるといいよ。じゃ、またな」

    律「あ、ああ…また、明日な…」

    澪「ん…」てくてくてく

    律「……はあ…」てくてくてく

    澪「(意外と思い詰める性質だからな…)」てくてくてく

    36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 15:19:13.61
    翌放課後

    唯「今日のおやつはおせんべいか~、美味しいねえ~」

    梓「はあ…深い」

    紬「ふふふっ。取って置きの玉露よ~♪」

    律「…」ぼりぼりぼりぼり

    澪「…た、たまにはしょっぱいお菓子と緑茶もいいよな!」

    紬「でしょう?昨日、たまたま俺君に会ったのだけど…」

    律「俺…に?」

    紬「うん!商店街でお買い物をしていたら、偶然おせんべい屋さんから出てきて…」

    梓「俺先輩、おせんべい好きなんですかね?」

    紬「うん、そうみたいなの~♪たまに買いに来るんだ、って顔を赤くしていたわ~♪」

    唯「へえ~、かわいいねえ、俺くん!ね、りっちゃん?」

    律「ああ…かわいいよな~…」

    37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 15:25:59.82
    唯「やっぱり男の人って甘いのよりしょっぱいののほうが好きなのかな?」

    梓「どうなんですかね?私のお父さんは甘いものも結構好きですよ」

    澪「隠れた甘い物好きは多いんじゃないか?」

    唯「そっか~。でもなんで隠すんだろ?」

    梓「男の人は…甘いもの好きだって言うのは恥ずかしいんですかね?」

    紬「どうなのかしら~?今度男君に聞いてみようかしら」

    唯「じゃあこの際だから今聞いてみよう!メールメール~♪」

    律「!?ゆ、唯!?男のメアド知ってるのか!?」

    唯「うん!こないだ交換したんだ~♪」

    律「そ、そっか…」

    39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 15:31:34.60
    澪「ゆ、唯…まだ部活か何かしてる時間帯じゃないか?すぐには返事来ないと思うぞ?」

    唯「あ~、そっか~。まあ一応メールするだけしとこうかな。あ、そういえば初メールだよ!」

    律「…あ、あのさ!!」

    澪「!!」

    唯「ほえ?」

    梓「?」

    紬「りっちゃん?」

    律「お…お………れ、練習しようぜ!な?そろそろさ?」

    澪「り…律がそんなこと言うなんて珍しいな!よーし、やるか!」

    唯「じゃあ…練習しよっか。メールはあとででいいや」

    律「おーし!やるぞー!………ほぅ…」

    澪「…」

    41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 15:38:54.58
    帰宅途中

    澪「なあ、律」

    律「んー?」

    澪「…駄目だったな」

    律「へっ!?な、何がだ!?」

    澪「言おうとしたんだろ?唯がメールしようとしたときに」

    律「…もう澪にはぜーんぶ見透かされちゃうのな」

    澪「伊達にずっと一緒にいないからな」

    律「うん…言おうと思った。でも言えなかったな~、ちくしょ~!」

    澪「やっぱショックだったか?メールのこと」

    律「ん…。どっちが先に言い出したのかな」

    澪「ん?」

    律「メアドの交換」

    澪「ああ…、な…」

    43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 15:51:31.50
    律「やっぱり唯のほうから声かけたのかな…?」

    澪「まあ、でも大して深い意味もなく交換したんじゃないか?唯ってその辺のことはざっくばらんだし」

    律「…そうだな」

    澪「出遅れたな、律」

    律「…うん。私が知らないところでさ、唯と俺は…私の知らない話をして、私の知らないうちにメアドまで交換してるんだよな…」

    澪「唯の気持ちはわからないけど…たとえ今、恋愛感情がなくても…いずれどうなるか」

    律「…」

    澪「でも、出遅れはしたけど、まだ充分唯を余裕で追い抜ける距離にはあると思うよ」

    律「…」

    澪「…」

    55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 20:37:08.65
    律「でもさぁ、澪」

    澪「ん?」

    律「もし、もう唯が俺と付き合ってたりしたら…」

    澪「ないない、流石にそれはないよ」

    律「そう…かな」

    澪「そうだよ」

    律「あぁ…そういえば、昨日初メールだとか言ってたよな。付き合ってたらメールなんかいっぱいしてるはずだもんな?な?」

    澪「ああ、だから、その点に関しては心配するなよ」

    律「おう!」

    澪「まあ何にせよ、いつまでも自分の中だけで悶々とさせていても、事態は好転しないよ」

    律「…」

    澪「律、律の長所は、とにかく積極的なことだよ。そして、今までそれで何とかなっている」

    律「…うん」

    澪「ま、そこは短所でもあるんだけどな。あははっ!」

    律「おいっ!………澪、ありがと」

    57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 20:43:01.90
    翌放課後

    唯「でねでね、俺くんにメールしてみたんだけどね!」

    梓「どうだったんですか?」

    唯「俺くんは甘いものは好きじゃないから、恥ずかしいかどうかとかはよくわからないんだってさ」

    紬「やっぱり甘いものが好きな人に聞いてみないと駄目なのね。ねえりっちゃん、聡くんはどうなの?」

    律「…」

    紬「あ…」

    梓「む、むぎ先輩無視されましたよ!?」こそこそ

    紬「あ、違うの!りっちゃん、何だか朝から様子がいつもと違うの」こそこそ

    唯「そういえばそうだよね~。こないだの欲しいもののことでまだ悩んでるのかな?」こそこそ

    梓「でも、それでこんな状態になりますかね…?澪先輩、どう思いますか?」こそこそ

    澪「…私からは何とも、な」こそこそ

    梓「…?」

    律「……あ…あのさあ!!」

    澪「!」

    58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 20:50:32.67
    唯「?どしたのりっちゃん?」

    律「あの、あの…な?……うぅっ…!」

    紬「?」

    澪「…律」

    律「あ…澪…」

    澪「大丈夫だ」

    律「…うん。そうだな、うん!」

    梓「…?」

    律「私…私は…!」

    律「私は俺のことが好きなんだ!!付き合いたいと思ってるんだ!!」

    唯紬梓「!!」

    律「い…言えた…!言えたよ…澪…!」

    澪「うん。頑張ったな、律!文句なしの直球ストレートだ」

    律「えへへ…まったくだな」

    60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 20:59:01.90
    梓「り、律先輩…本当なんですか?ああ…でも澪先輩も知ってたみたいだしだから悩んでてああ本当なんですね!?」

    澪「お、落ち着け梓。本当だよ。律は今…恋をしてるんだ」

    紬「…びっくりしちゃった」

    唯「り、りっちゃんが、恋…。ごめんね!りっちゃんごめんね!」

    律「な、何だよごめんって…まさか…!?」

    唯「りっちゃんに恋が似合わないとかどうせ大した悩みじゃないとか思ってごめんね!私、私知らなかったから…」

    律「あぁ、なんだ…。いいよ、それくらい。私が唯の立場だったら同じようなこと思ってただろうしさ」

    唯「うん…あ!それに俺くんとメールとかしてごめんね!?ごめんね!?」

    澪「唯、もう謝らなくていいよ。そもそもそれに関しては謝ることじゃないよ」

    61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 21:10:57.66
    律「ということは、やっぱり唯は俺と付き合ってるわけじゃないんだな!?」

    唯「私が俺くんと?なんで?」

    律「いや、その…何となく。あの……むぎと、梓は…」

    紬「私は…まだ男の人とのお付き合いは考えていないわ♪」

    梓「安心してください、私もフリーですよ、律先輩!片思いでもありません!」

    律「そ、そっか…よかった」

    紬「それで…どうなの?」

    律「え?」

    紬「ただ、自分の気持ちを私たちに知らせたかっただけなの?それとも…」

    澪「今のところ律は、独りで悶々とした毎日を送ってるだけなんだよな。誰の力も借りずにいるんだ。もちろん私の力もな」

    律「べ、別に悶々となんかしてねーよっ!?」

    唯「ほほう…りっちゃんがねえ…」

    律「な、なんだよ…」

    唯「かわいい!」

    律「うぅぅ…」

    62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 21:33:23.74
    梓「なるほど、つまり今の告白は、全て自分の力だけで恋愛を成就させるぞ!という決意表明だったわけですね?」

    紬「な~んだ、私たちに相談したい、というわけではなかったのね。むしろ逆の意味だったのね~♪」

    律「お、お前ら…なんだよ、もう!」

    唯「りっちゃん!言われなくてもわかってるけど、でも言ってもらいたいことってあるんだよ!」

    澪「唯らしからぬ発言だな…」

    律「あーもう!!わ、私だけじゃどうすれば俺に好きになってもらえるかわからないから、みんな協力してください!!お願いしますっ!!」

    唯「おうっ!」

    梓「はい!できる範囲で力になります!」

    紬「うふふふふ~♪」

    澪「くすくす…」

    律「こ、このドSどもめぇ~…」

    73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 03:16:12.61
    唯「さあ行くよ、澪ちゃん!むぎちゃん!あずにゃん!今こそ我らの力でりっちゃんの初恋を成就させるのだ!」

    律「いや、別に初恋ではないんだけどな」

    梓「律先輩の最初で最後の恋です!実らせなければ浮かばれません!」

    紬「とりあえずお茶にしましょう!」

    律「おい澪!やっぱりこいつらふざけてないか!?」

    澪「…みんなも照れてるんだよ。察してやれよ」

    律「そう…なのか?」

    唯「えへへ~」

    梓「あはは…」

    紬「うふふふふ~♪」

    律「…照れてるなあ」

    74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 03:23:14.46
    唯「う~ん、でもねえ、正直なところ私、友達の恋愛相談とか受けたことないからなあ」

    律「あ~、やっぱそうか」

    紬「私も…男の子と女の子の恋愛については…小説からの知識しかないわ」

    澪「梓はどうだ?この中では一番恋愛経験ありそうだけど」

    梓「へ!?わ、私ですか!?…そりゃあもちろん、あ、ありますよ!?」

    唯「おおっ!さすがあずにゃん!」

    梓「ちゅ、中学のころはもう…ご意見番の梓ちゃんとして名を馳せて…」

    紬「素敵!」

    梓「と、友達の恋愛にアドバイスをしつつ、自分でもとっかえひっかけ…」

    律「ん?」

    唯「すごい…あずにゃんは恋愛仙人だったんだね…」

    澪「…梓」

    梓「…はい」

    澪「無理、しなくていいから」

    梓「…すいませんでした」

    75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 03:30:01.90
    律「えーと…要するにみんなあんまり頼りにならないってことか!」

    梓「随分とはっきり言いますね…」

    唯「でも大丈夫!3人寄ればモンジュの知恵だよ!そこにさらに2人も加われば、これはもう天才レベルだよ!」

    紬「まあ天才かどうかはわからないけど…みんなで考えればきっとうまくいくわ!」

    澪「そうだな!それが、私たち軽音部だ!」

    唯「うん!」

    梓「はいです!」

    律「みんな…ありがとう!じゃあ全力で私のために尽くしてくださいっ!」

    澪「調子に乗りすぎ」

    律「あいたー!!」

    77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 03:50:32.07
    唯「えーと、じゃあ…どうしよっか?」

    梓「や、やっぱり最終的には告白するんですよね?」

    律「あ、ああ…一応そのつもりなんだけど」

    唯「じゃあ、いつ告白しようか?」

    律「うぇっ!?」

    紬「唯ちゃん急ぎすぎよ~。ちゃんと作戦を練って、気持ちを作ってからじゃないと」

    梓「そうですよ。そんなにすぐ告白できるなら、わざわざこんな話合いしてないです」

    唯「あ~、そっか~。ごめんねりっちゃん」

    律「いや、別にいいけどな。…まあ、梓の言うとおりだ」

    澪「律は、恋愛は大の苦手みたいだ」

    唯「弱点発見だね」

    78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 04:14:41.96
    梓「恋愛って…どういう風にするものでしたっけ…?」

    唯「あずにゃんが何だかひどく切ないことを言ったよ」

    梓「いや、人と人ってどういう手順を踏んで交際まで漕ぎ着けるのかなあって思いまして」

    紬「手順?ええと…まずは出会いよね」

    澪「衝撃的な出会いがあると、その後の関係は恋愛に発展しやすいよな」

    律「もう手遅れだけどな」

    紬「それで…友人としての日常があって、その友人関係がだんだん形を変えていって…」

    唯「あ!その後は知ってるよ!事故が起きて記憶喪失になっちゃうんだよね?」

    梓「そ…れは極めて特殊なケースですね」

    紬「普通は友人関係が恋愛関係になって、告白して、お付き合いっていう感じかしら?」

    唯「普通だねえ」

    澪「普通なんだから普通だろうに」

    紬「小説とか漫画とか映画なら、関係性を深める大事件が必ずあるけどね」

    79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 04:44:09.62
    律「じゃ、じゃあやっぱり…まずは普通に友達のままでいたほうがいいの…か?」

    梓「まあ…それが無難ですかね」

    唯「あ、そうだ!えっと…ほら、これ!」

    律「雑誌か?」

    唯「うん!昨日買ったんだよ!確かこれに恋愛のコーナーがあったんだよね~」

    梓「意外ですね、唯先輩がこんな雑誌買うなんて…」

    唯「クーポンがたくさんついてたんだよ!」

    梓「納得です」

    澪「どれどれ?え~っと…あ、ここかな?『ちょー☆初心者向け!熱血ラブラブスクール!!』」

    梓「うわ…」

    紬「何というか…これをお手本にするのって…」

    律「せ、背に腹は代えられん!澪、読んでくれ!」

    96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 19:00:00.88
    澪「ああ…何というか日本語って感じがしないな…。よ、要点だけかいつまむぞ?」

    律「おう!何でもいいから頼む!」

    澪「えーと、テクニック①『自分の良いところを生かそう!』」

    梓「すごく基本的ですね…」

    唯「りっちゃんの良いところか~。何があるかな…え~と……」

    紬「…」

    澪「…」

    律「…ないのかよ!」

    紬「ご、ごめんね!?あ、あのね?ええと…」

    唯「なんかわかりにくいんだよね、りっちゃんの良いところって」

    梓「しかも男の人にアピールできるようなことじゃなくちゃ駄目なんですよね?ううん」

    律「おいおいマジですか」

    99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 19:08:42.05
    唯「う~ん、たとえば澪ちゃんなら、良いところなんかどんどん出てくるんだけどねえ」

    澪「へっ!?な、何だよいきなり!?」

    梓「確かに…美人、背が高い、胸が大きい、スレンダーに見えて実はグラマー…パッと見ただけでこんな感じですぐ出てきますね」

    澪「あ、梓…そんな風に見てたんだ…」

    梓「あ、いや、あくまで一般論としてですよ!」

    律「澪はいいんだよ!私の良いところを!メインコンテンツをお願いします!」

    唯「りっちゃんの良いところ…顔は…かわいいよね」

    紬「そうね。かわいいというか…りっちゃんは美人だよね」

    梓「…まあ、そこは認めざるを得ないですね。律先輩は実は美人です」

    律「あんまりそうはっきり言われるとおもはゆいもんだな…」

    100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 19:15:36.28
    唯「顔は合格として、次は肉体だけど…ねえ…」

    紬「…ねえ」

    澪「…だよな」

    梓「…ですよね」

    律「梓にだけは言われたくないぞ!!」

    梓「…俺先輩って巨乳好きなんですかね?ここ重要ですよ」

    紬「貧乳好きは…まだマイノリティだもんね…」

    律「はっきり貧乳って言われた!」

    唯「りっちゃん、そこはもうあきらめようよ!りっちゃんは貧乳だよ!巨乳でも貧乳でもない私が言うんだから間違いないよ!」

    律「うるせー!」

    梓「あ、でもそれはつまり、俺先輩が貧乳好きだったとしたら、この上ない武器になるということでもありますよね」

    紬「それは確かにね…それとなく探りを入れてみましょうか」

    澪「じゃあ貧乳に関しては保留ということで…」

    101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 19:23:48.95
    梓「あと律先輩の良いところは…げ、元気なところですかね?」

    律「…何で一瞬どもった?」

    梓「噛んだだけです!」

    唯「でも、りっちゃんはほんとに元気印だもんね!」

    紬「うん!りっちゃんと一緒にいると、何だか私たちまで元気が出てきちゃう気がするのよね~♪」

    律「そ、そうなのか…?」

    梓「まあ、確かにそういうところはあるかもしれませんね」

    澪「一緒にいる人を元気にさせることができる…と」

    律「考えたことなかったな…」

    唯「それからねえ…何事にも素早いこと!」

    紬「行動力がある、ということかしら?」

    梓「興味があること限定ですけどね」

    澪「…好きなことには一生懸命、と」

    律「……私って良いところ少ないんだな…」

    104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 19:33:49.29
    澪「ううん、一応律の良いところを書き出してみたけど…これをどう役立てればいいんだろう?」

    律「おいおい…」

    紬「敵を知り己を知れば百戦危うからず、よ。自分の良いところがわかっていれば、それを軸にしてアピールができるわ!」

    律「あー、なるほどな…顔、貧乳、元気、一生懸命さ…どーすりゃいいんだこれ?」

    唯「…とりあえず次いこっか?」

    律「えー!?」

    澪「テクニック②…『ギャップで相手の心に印象を残す』」

    唯「ギャップ?」

    梓「学校一の不良が実は大の猫好きだった、とかそういうことですかね」

    紬「普段のイメージに合わないような、隠れた一面がある、ということね」

    唯「普段は普通のサラリーマンだけど実は正義のヒーロー!みたいなことかな」

    澪「それは…どこか違うと思うぞ」

    108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 19:44:13.11
    梓「あ、でもこれなら律先輩にはうってつけじゃないですか!」

    律「そっか?」

    梓「はい!以前、律先輩の家にお邪魔した時に、ハンバーグを作ってくれたじゃないですか」

    唯「おいしかったよねえ~」

    梓「あれって私、実はすごく意外だったんですよね。律先輩が料理できるってこともそうだけど、みんなのためにご飯を用意してくれたってところに、なんというかキュンときました!」

    律「い、いやあ…そ、そうか?何か照れるな」

    梓「普段あまりいいイメージがないからこそ、素敵な面を見てしまったときの驚きと喜びが大きくなるんですよね」

    律「持ち上げるのか落とすのかはっきりしろい!」

    澪「まあ、でもそういうことなら…確かに律は色々ギャップのある女の子なのかもな」

    紬「カラッとしているようで実は意外とやきもち焼きさんなところとか」

    唯「恋愛に関しては実は乙女なところとか」

    律「恥ずい恥ずい!勘弁してくれっ!」

    110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 19:52:37.64
    紬「じゃあ、りっちゃんのイメージをどんどん挙げていきましょうか」

    律「私のイメージ?」

    紬「うん。あまり深く付き合っていない人がりっちゃんに抱いているような、そんなイメージをどんどん挙げていくの」

    唯「ほほう」

    紬「そうして、そのイメージのうちで武器にできそうなギャップのある部分を探すの~♪」

    梓「今度はさっきみたいに良いところばかりじゃなくても構わないんですよね?じゃあ楽です」

    律「どーせ私は良いところがありませんですよーだ」

    梓「あ、いえ、た、単純に良いところよりも悪いところのほうが見つけやすいんですよ!?人って!」

    唯「えー?私はあずにゃんの悪いところなんか全然思いつかないよー?あずにゃんのかわいいところならいくらでも思いつくのに~」

    梓「な、何をいきなり言い出すんですかぁっ!?」

    澪「ほら、いちゃいちゃするのは後に回せよな」

    112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 19:58:40.05
    唯「りっちゃんのイメージ…元気がいい!」

    律「またそれか」

    紬「運動神経がよさそう!あと、声が大きそう!」

    梓「がさつそうです。それから、ちょっと乱暴そうですよね」

    唯「あんまり勉強はできそうじゃないよね~。家事も得意じゃなさそうだし」

    律「唯にだけは言われたくないわ!」

    澪「趣味や嗜好なんかのイメージでもいいんじゃないか?コーヒーは絶対に砂糖とミルクを入れそうだとか」

    唯「そういうのでもいいの?じゃあねえ、スパゲッティーはナポリタンしか食べなさそう!」

    梓「あははははは!わかる!わかりますそれ!」

    律「それ何かバカにしてないか!?」

    115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 20:06:23.79
    唯「りっちゃんのイメージ、りっちゃんのイメージ…あんまり甘いものは好きそうな感じじゃないかな」

    梓「あ、それちょっとわかります」

    紬「お酒が似合いそうな感じもするよね」

    律「お酒…?」

    梓「ええと…あ、脱いだらすごそうですよね」

    律「へっ!?」

    梓「あ、筋肉の話です」

    紬「あ!腹筋が割れてそう!」

    唯「二の腕が固そう!」

    律「何だよそのイメージ…」

    澪「ドラムは重労働だからな、そんなイメージもつくんじゃないか?」

    律「ああ、そういうことか」

    118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 20:18:42.65
    梓「それから…私服でスカートは持っていなさそう」

    唯「スニーカー以外の靴も持ってない感じだね」

    紬「寝るときはラフな格好かジャージ!」

    澪「ん…とりあえず一旦まとめるか。……律のイメージは…こんな感じだ。読め」

    律「私が!?…えーと、明るい。元気がいい。運動神経がよさそう。カラッとしてる。恋愛に積極的…ああ、梓パス!」

    梓「おっと!…声が大きい。がさつ。乱暴。勉強ができない。家事ができない。ナポリタン。筋肉質。何かいきなり混沌としてきました」

    唯「それから…甘いものよりお酒。パンツルック。スニーカー。ジャージ…なるほどねえ…面白いね、これ!」

    律「これ…参考になるのか?」

    紬「充分!ここからだけでも、りっちゃんのイメージがありありと浮かんでくるわ!」

    律「本当か!?」

    119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 20:26:37.08
    紬「りっちゃんのイメージを一言でまとめるなら、ずばり、ボーイッシュ!」

    律「ボーイッシュ、か。やっぱそうか…」

    紬「うん。服のイメージや、好きな食べ物のイメージ、筋肉、性格…どれも女の子というよりは男の子の性質に近いもの」

    梓「そうですよね。律先輩は、いかにも女の子、って感じはしないです」

    律「そうかぁ?これでも意外と乙女チックなところもあるんだぜ?」

    唯「特に恋愛に関してとかね!」

    律「うわー藪蛇だったー」

    紬「つまりここから導き出されるのは…りっちゃんの武器は女の子らしさってことね」

    律「女の子らしさが…武器…」

    紬「ええ。普段の男の子のような振る舞いの中に、ときどき女の子らしい一面を盛り込んでいくの!」

    124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 20:46:52.54
    梓「なるほど、さっき私が言ったハンバーグのくだりのような」

    紬「そう!まさにそれなの!相手が予想もしていない時に見せる女の子らしさ…ああ、いいわ~」

    唯「なるほど…よおし、りっちゃん!女の子らしさを見せるんだよ!」

    律「ううん…で、でもどうやって!?俺と会うことなんて朝の通学路くらいのもんだぞ?」

    唯「放課後に一緒に遊んで、その時にでも」

    律「そぉーんなことができるかぁっ!?」

    梓「まあ確かに…俺先輩を遊びに誘えるようなら、わざわざこんな会議開いてないですよね」

    澪「機会に乏しい、か…」

    紬「とりあえず…そうだわ!お菓子を作ってみるというのはどう?」

    律「お菓子…?」

    紬「うん!たとえば昨日クッキーを作ったからおすそ分けに、と言って渡してみるの!これなら通学路でも楽にアピールできるわ!」

    律「なるほど…お菓子か。う、うん!それならいけるかも!」

    梓「でも俺先輩は甘いもの嫌いですよね」

    律「あ…」

    唯「あずにゃん!!」

    127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 20:54:37.55
    律「…」

    唯「で、でもでも!お菓子は甘いのばっかじゃないよ!ね?そうだよね?」

    紬「そ、そうよりっちゃん!おせんべいとか、おかきとか、ポテトチップとか…」

    律「自宅でせんべい焼く女の子がどこにいるんだよ!」

    唯「もう~、あずにゃんが変なこと言うから…」

    梓「す、すみません…でも、他にも方法は…あ!お弁当なんてどうですか?」

    律「弁当か…」

    梓「お菓子よりも、女の子らしいかわいいお弁当のほうが、家庭的なところをアピールできるのでは?」

    律「おお…それもありだな!」

    唯「でもただの友達がお弁当作って渡すって変だよね」

    律「あ…」

    梓「唯先輩!!」

    129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 21:02:37.59
    紬「俺君って…確かサッカー部だよね?」

    律「え?」

    唯「うん!確か副キャプテンだよね?」

    澪「そういえば…そんなことも言っていたな」

    紬「試合を見学に行って、その時にお弁当を食べてもらうことは可能じゃないかな?」

    唯「…それだよむぎちゃん!」

    律「お…おお…!」

    梓「それならお菓子を作って持っていくことも可能ですよね?俺先輩は食べなくても、他のサッカー部の人なら食べてくれるだろうし。アピールには変わらないです」

    澪「その際に甲斐甲斐しく立ち回れば、さらに女の子らしさアピールができるな」

    唯「すごい…完璧な作戦やあ…」

    梓「むぎ先輩冴えてます!」

    紬「うふふふふっ!褒めて!もっと褒めて!」

    132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 21:34:36.61
    律「な、何だか光明が見えてきた気がするぜ…!」

    紬「じゃあギャップ作戦はそういった感じで行きましょう!りっちゃんは日頃から、少しずつ女の子らしさを出すことを心がけるように!」

    律「はいっ!」

    唯「俺君の試合のこととかは…まあ本人に聞けばいいかな」

    澪「それは私が聞いておくよ。唯じゃボロが出ちゃいそうだしな」

    唯「うん!さすが澪ちゃん、よく気がつくね~♪」

    梓「会話内容に疑問を持ちましょうよ…」

    澪「律も、料理の勉強をちゃんとしなくちゃ駄目だぞ?レパートリーすごく少ないんだから」

    律「りょーかいですっ!むぎおせーてー!」

    紬「ふふふっ、もちろんいいわよ~♪」

    唯「じゃあ次のテクニック、いってみよー!」



    134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 21:46:31.52
    澪「じゃあ次の…ん?あ、もうこんな時間だ…そろそろ切り上げたほうがいいな」

    唯「えー?折角いい感じになってきてるのに~」

    紬「でも、仕方ないわよ唯ちゃん。また明日、頑張りましょう?」

    梓「そうですね。練習できないのはあれですけど、今回は大目にみるです」

    律「あ、あのさ!」

    唯紬梓「?」

    律「…ありがとな、みんな」

    紬「ううん、だって、りっちゃんのためだものね!」

    唯「あとで何かお礼に食べさせてね~」

    梓「まったく唯先輩は…まあ、お礼は告白が成功してからあらためてということで!」

    律「へへへ…よ~し、上手くいったらみんなにハンバーグ作っちゃる!」

    唯「え~?またハンバーグぅ~?」

    律「でっかいやつだ!」

    唯「わーい!」

    137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 21:52:53.13
    帰宅途中

    澪「なあ、律」

    律「んー?」

    澪「やっぱり、言ってよかっただろ?」

    律「あはは…まーな。だいぶみんな、楽しんでたみたいだけどさ」

    澪「しかつめらしくしてたって話が上手くまとまるとは限らないよ。砕けた雰囲気でも、中身があればそれでいいんだ」

    律「…だな」

    澪「そういうことだ」

    律「…なあ、澪」

    澪「ん?」

    律「もし、私が…俺と付き合ったらさ……澪は…」

    澪「…うん」

    律「…あっ、あ、やっぱいい!何でもない!ははは、何でもないや!」

    澪「…そっか」

    律「…うん」

    138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 22:07:32.84
    翌朝

    俺「うーっす!」

    紬「あ、俺君。お、おはよう!」

    俺「おはよー、むぎ!お、今日はあずにゃんもいるんだ。おはよう!」

    梓「おはようございます…」

    唯「お、俺くんおっはー」

    俺「おう、唯…どうかしたか?」

    唯「へっ!?い、いやあ、昨日夜更かししちゃってさあ…眠くて眠くて」

    俺「はははっ!まったく、授業中居眠りして怒られんなよ?おっす!澪!田井中!」

    澪「おはよう」

    律「あぅ…お、おはよう、俺…///」

    139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 22:10:04.99
    俺「ん?どうした田井中。顔赤いぞ?風邪か?」ぴとっ

    律「ひゃうっ!?お、おい!?」

    唯紬梓「!?」

    俺「熱…は…ないな。大丈夫か?」

    律「だ、大丈夫!ははっ、大丈夫だから!!」

    俺「そうか。まああんまり無理すんなよ?じゃな!」タタタッ

    律「あふぅ…びっくりしたあ…」

    唯「何という不意打ち…」

    梓「天然ですかね、あれ」

    澪「…律、顔真っ赤だぞ?」

    律「か、顔洗ってくるぅ!先、行くからな!」タタタタッ

    紬「…女の子だわ~♪」

    140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 22:18:52.51
    放課後

    唯「第2回!」

    梓「わ、わー…」ぱちぱちぱち

    律「サブタイないのかよ…」

    唯「えー、というわけで昨日に引き続きりっちゃんの女の子力を底上げするための話し合いを始めます!」

    梓「で、どうしますか?昨日の雑誌の続きから行きますか?」

    紬「それでいいんじゃない?」

    澪「そうだな。じゃあ唯、またあの雑誌、貸してくれ」

    唯「…んん?」

    澪「いや、んん?じゃなくて雑誌を貸してよ」

    唯「…んんん?」

    律「唯、まさかお前…」

    梓「忘れたんですね、持ってくるの…」

    唯「んんんん…」

    141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 22:28:27.71
    澪「まったく…ええと、確か…③は『守ってあげたくなる女の子になろう』とかそんな感じだったような…」

    唯「覚えてるなら最初から言ってよ~!澪ちゃんのいじわる!」

    澪「何で私が責められるんだよ!?」

    紬「まあまあ♪えっと、守ってあげたい、か…」

    唯「そこのところどうなの?りっちゃん?」

    律「…何で私に聞く?」

    唯「この5人の中で一番男の人に近い存在だから!」

    律「……これでも恋する乙女なんだけどな…」

    梓「で、実際どうなんです?か弱い女の子を見ると守ってあげたくなったりしますか?」

    律「えー?急に言われてもな~。……澪!今、お前の後ろに真っ赤な色の幽霊が…」

    澪「ひえっ!?ひああああああっ!?」

    律「天井には白髪のお婆さんがへばりついているぞ…?」

    澪「きゃああああああああ!!」

    律「あー駄目だ、ますますいじめたくなるばっかだ」

    143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 22:49:03.44
    澪「わ、私で実験するなあっ!!」

    梓「そういうことではないような…」

    律「えー?わっかんねーよ。たとえばどういうのさ?」

    梓「たとえば?えーと…肝試しで、ずっと腕を握ってきて震えている、とか…」

    唯「おお!じゃああずにゃん試しにやってみて!私男役やるねー!」

    梓「えっ!?や、やるんですか!?」

    紬「じゃあ私はお化け役をやるね!」

    唯「ほら、あずにゃん私の腕を掴んで!」

    梓「あ、はい…失礼します…」

    唯「そんなんじゃ怖がってる感が伝わってこないよ!?もっときつく激しく!」

    梓「こ、こうですかぁっ!?」

    律「なーにやってんだこいつら…」

    144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 22:55:12.43
    紬「ほらりっちゃん!スタートの合図を!」

    律「ほえっ!?あー…よーい、アクション!」

    唯「ほらあずにゃん、そんなに怖がらなくても平気だよ?」

    梓「は、はあ…」

    紬「ガサガサ!」

    唯「大丈夫!あれは風で草が揺れた音だよ!だからそんなに怖がらなくていいんだよ!」

    梓「…あ、そっか。怖がらなきゃ駄目なんだ」

    紬「ガモーッ!!」

    梓「きゃ、きゃあああああああっ!!」ぎゅうううっ!

    唯「おっ!おほおっ!?…あ、あずにゃーん!」がばぎゅぎゅっ!

    梓「何で唯先輩が抱きつくんですかぁっ!?」

    唯「あずにゃんかわいい~!!」

    律「はーいミニコントおしまーい」

    149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 23:36:13.21
    唯「りっちゃん!試してみたらほんとにあずにゃんがかわいく思えたよ!すごいよ!」

    律「説得力ねーなー」

    唯「えー?経験者が語ってるのにー?」

    律「だって唯はそもそも梓大好きっ子じゃないか」

    唯「それはそうだけどさあ…」

    紬「じゃあ次は私と梓ちゃんで!」

    律「いやいや、いいよもう。別に実証しなくても、守ってあげたいって気持ちが…その、恋愛感情につながるってのは、まあ納得できるしさ」

    澪「まあ、よくある話だしな」

    梓「じゃあ私は抱きつかれ損ですか…」

    唯「抱きつき得でした!」

    150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 23:48:17.00
    紬「守ってあげたい、っていう気持ちには…具体的にどういう時になるものなのかしら?」

    律「そりゃあ、今みたいな時だろ?」

    紬「うん…でも肝試しとかお化け屋敷に行く機会なんてそう何度もあるわけじゃないでしょう?」

    梓「確かにそうですね…」

    紬「私たちの目標はりっちゃんの恋の成就なわけだから…もっと日常的にそう感じられるケースが必要だと思うの」

    梓「今更、澪先輩みたいな極端な怖がりキャラを演じるわけにも行きませんしね…」

    唯「日常的にか…あ!りっちゃんが霊感がもの凄く強い女の子に」

    梓「却下です」

    唯「えー!?」

    澪「別に、怖がっているところを見せなくてもいいと思うぞ?『守ってあげたい』っていう気持ちは…要するに『自分がいなくちゃこの子は駄目だ!』っていう気持ちなわけなんだから」

    唯「えーと、つまり…」

    澪「憂ちゃんがいつも唯に対して持っている気持ちがいい例だよ」

    梓「なるほど…」

    182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 20:14:42.06
    唯「え~?わかんないよ~」

    梓「唯先輩、たとえば明日から一週間、憂なしで自分だけで家事万端すべてこなさなくちゃならなくなったとしたら…どう思いますか?」

    唯「う~ん………ふ、二日目で挫折しそうだよ…」

    梓「じゃあもし唯先輩が憂の立場なら、そんな唯先輩を見てどう思うでしょうか」

    唯「そ、それは、心配だから助けてあげなきゃって…あっ!」

    梓「そういうことです」

    唯「なるほど…!すごいよ!あずにゃんの説明で、心で理解できたよ!」

    律「あー、そりゃよかったー」

    紬「つまり、りっちゃんを生活の面でもサポートしたい、と俺君が思うような状況を作れればいいわけね」

    律「生活の面でったってなあ…俺といつも一緒にいるわけじゃないしな…」

    梓「やっぱりこれも、少ない機会を利用して小出しにアピールしていく感じですかね?」

    律「小出しになあ…」

    184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 20:19:48.02
    紬「…りっちゃんはドジっ子の素養はあるのかしら?」

    律「ドジっ子!?」

    紬「うん。手っ取り早いのはドジっ子アピールだと思うの」

    梓「なるほど…確かに、守ってあげたい、と思わせられる上に、可愛さもアピールできますね」

    律「ドジっ子…」

    唯「ドジっ子か~。あ、でもりっちゃんって結構ドジなところあるよね?」

    律「そ、そうか?あんまり自覚はないんだけど…」

    唯「うん!だってよく部活の書類を提出し忘れて和ちゃんに怒られたりしてるよね?」

    律「あ、なるほど!」

    澪「…それはドジじゃなくて、責任感に欠けるって言うんだぞ」

    唯「駄目か…」

    185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 20:26:29.01
    梓「…そう考えるとドジって結構難しいですね」

    紬「そうね…無責任、不真面目、いい加減、怠惰…どれもドジとは違うわ」

    律「ずいぶん酷い言われようじゃないですかね!?」

    梓「ドジっていうのは要するに…頑張っているのに失敗してしまう、みたいなことですよね?」

    紬「そうそう!お砂糖とお塩を間違えちゃったり…」

    澪「料理が完成して食卓に運ぼうとしたら、転んでお皿をひっくり返しちゃったりとかな」

    唯「お醤油を借りに行ったら間違えてお砂糖を借りてきちゃったりとかね!」

    梓「…それはドジの範囲を越えてるような気がしますが」

    唯「ええっ!?嘘ぉ!?」

    梓「すごい驚きようですね…」

    188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 20:34:06.94
    澪「そう考えると…律にはドジっ子の素養はないと見て間違いないな…」

    紬「そうよね…やらないことはとことんやらないけど、やることはきっちりこなすタイプだから…」

    梓「やれば出来る人ではあるんですね」

    律「褒められてるんだか貶されているんだか…」

    唯「両方じゃない?」

    紬「でも、今からでもちょっとしたドジっ子性をだしていくことは出来るはずだわ!」

    梓「たとえばどうするんです?」

    紬「ううん…あ、りっちゃんって、よく走るじゃない?」

    梓「走りますね」

    律「そうかぁ?そんなに走り回ってるか~?」

    梓「少なくともそういうイメージはあるということです」

    紬「それでね、走り出すとすぐつまづく、というのはどうかしら?」

    梓「おぉ……すみません、いまいち想像できないです」

    189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 20:39:45.28
    紬「じゃ、じゃあ、ちょっとやってみるね。唯ちゃん、いい?」

    唯「なあに?」

    紬「ちょっとそっちに立って私を呼んでみて欲しいの!」

    唯「おぉ!了解しました!」

    紬「はい、じゃあお願いします!」

    唯「は~い。おーい、むぎちゃ~ん!」

    紬「あ、唯ちゃん!待ってて、今行くね~……きゃっ!?」

    律「おっ!?」

    唯「む、むぎちゃん大丈夫!?」

    紬「えへへ…転んじゃった。じゃあ、またね!…ひゃっ!?」

    唯「むぎちゃん!?」

    紬「えへへ、失敗失敗!……ええと…こんな感じなんだけど、どうかしら?」

    梓「とりあえず可愛かったです」

    191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 20:48:16.32
    唯「な、なんかすごいハラハラしたよ!」

    律「確かに…ちょっと心配になるな」

    紬「ふふふっ、でしょう?」

    梓「これはアリかもしれないです!」

    紬「普段の振る舞いの中にこういうドジなところを少しずつ盛り込んでいけばいいんじゃないかしら?」

    律「なるほどなあ…よし、それもいただき!」

    紬「やった~!」

    梓「でも、ドジっ子っぽい仕草をいくつか考えないといけませんよね…結構難しそうです」

    澪「まあ、それは心配いらないよ。うちには天性のドジっ子が二人もいるしな」

    紬「え?本当に?」

    唯「だれだれ~?」

    193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 20:55:24.16
    梓「じゃあ、えっと、③の『守られたい系女子』についてはとりあえずこんなところですかね」

    律「そんな項目名だったか?」

    梓「現物がないんだからしょうがないんです!あ、澪先輩、④は…」

    澪「ごめん、それは覚えてないんだ」

    唯「え~?そりゃないぜ澪ちゃん…」

    澪「じゃあ今から取って来いよ!雑誌!」

    唯「むぎちゃんお茶のお代わりちょうだ~い♪」

    紬「は~い♪」

    澪「おい!?」

    梓「じゃあ…他に何かいい作戦がある人は挙手という感じでどうでしょうか」

    律「…はい」

    梓「え!?」

    唯「はい田井中さん!」

    律「作戦とかじゃないんだけどさ…ちょっと聞きたいことがあるんだよな」

    194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:03:06.60
    唯「聞きたいこと?」

    律「あのさ、みんなは…最初に俺に何て呼ばれてた?」

    澪「…」

    梓「俺先輩にですか…?どうでしたかね…」

    唯「私は平沢さんだったよ!それで、唯でいいよって言ったら、唯って呼ばれるようになったの!」

    紬「私は…唯ちゃんが『むぎちゃんでいいよ~』って言ってくれてから、むぎちゃんになったわ」

    梓「あ、私もちょっと似てますね。最初は梓ちゃんだったと思います。で、唯先輩があずにゃんあずにゃん言うのがうつって、俺先輩もあずにゃんって呼ぶようになったんだと思います」

    澪「私は最初は秋山さんだった」

    律「……そっか…ありがと」

    唯「でも、それがどうしたの?」

    澪「…律はさ、自分が俺君に田井中って呼ばれることを気にしてるんだ」

    梓「……そういえば…!」

    195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:15:02.30
    唯「確かにりっちゃんだけ苗字で呼ばれてるね…」

    紬「あ、でも!唯ちゃんみたいに『律でいいよ!』って言えば…」

    律「もう何度も言ってる」

    紬「あ…」

    律「でも、いつまでたっても田井中のままなんだよな…これってさ、どういうことだと思う?」

    梓「……り、律先輩だけ特別に思ってるから、名前で呼びづらい、とか…」

    律「…本当にそう思うか?」

    梓「…わかりません」

    律「…あ、いや、ごめんな梓。別に責めてる気はないんだ。ただ…何というかさ…落ち着かなくて」

    澪「…」

    197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:22:23.87
    律「何度も理由を聞いてみようとしたんだけど…勇気が出なくてさ」

    唯「…私が聞いてみようか?」

    律「え…?」

    唯「今度会ったときにさ、『何でりっちゃんだけ苗字で呼ぶの?』って聞いてみる!そうすれば理由がわかるんじゃないかな?」

    梓「そうですよね!考えてもわからないなら、聞くべきですよね!」

    紬「確かに唯ちゃんならそういう役にうってつけだわ~♪」

    澪「…」

    律「そうか…唯に聞いてもらえばいいのか…」

    唯「よーし、そうと決まればどんな言葉で聞けばいいかを考えよう!」

    梓「それ、考える意味ありますか?」

    唯「やってやりすぎることはない、だよ!あずにゃん!」

    律「…唯、ごめん。やっぱいいわ!」

    唯「え?」

    律「やっぱりこれは…私が聞くべきことなんだと思う。いや、私が、私が俺から直接聞きたいんだ!」

    唯「りっちゃん…うん、わかったよ!」

    198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 21:58:32.80
    帰宅途中

    澪「なあ、律」

    律「んー?」

    澪「…変わったな」

    律「そ、そうか…?」

    澪「ああ。自分で直接聞きたいって言ったとき…正直、少し驚いた」

    律「あー、あれか…いや、別に、深い意味はないんだけどな?」

    澪「深い意味はあるよ。ただそれに、律が気付いてないだけだ」

    律「そう…かな…」

    澪「そうだよ」

    199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 22:01:49.91
    澪「なあ、律」

    律「んー?」

    澪「憂ちゃんが唯に対して持っている思い、な」

    律「あー、あれな」

    澪「私も…持ってるから」

    律「…そっか」

    澪「うん」

    律「…私もだ」

    澪「…そっか」

    律「…」

    澪「…律」

    律「んー?」

    澪「頑張れよ」

    律「…ありがと」

    200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 22:04:36.63
    数日後

    梓「計画は着々と進んでいますね…」

    紬「うん!りっちゃんも長所を伸ばしつつ、ギャップとドジっ子性もいい感じに出せるようになってきたね♪」

    律「なんかここんとこすごい疲れるなあ…」

    紬「ふふふっ、ファイトファイト~!」

    澪「あ、俺君な、丁度今週の土曜に練習試合があるらしぞ?」

    梓「本当ですか?」

    澪「ああ。みんなで見に行っていいかって聞いたら、二つ返事だったよ」

    紬「やったわりっちゃん!チャンスがすぐそこに来ているみたいよ!」

    律「お、おう!」

    梓「でも結構急ですね…あと4日しかないですよ。お料理とか大丈夫ですか?」

    律「ま、まあな。ここのところ毎日練習はしてるし、最悪、得意な料理だけで攻めるって手もある!」

    梓「…まあ、チャンスは今回だけではないですしね」

    律「今失敗すること前提で言わなかったか?」

    201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 22:12:07.27
    紬「じゃあ、今度の土曜日に向けて…土曜日用の作戦を考えましょう!」

    梓「土曜日用の作戦ですか」

    紬「ええ!お弁当を持っていくだけでは不十分!サッカーの試合が始まるより先に、私たちの試合を始めるべきよ」

    律「ノリノリだな~、むぎ!」

    紬「ええ、もちろんよ!ドジっ子りっちゃん大作戦で、俺君のハートをがっちりキャッチするのよ!」

    梓「よーし、幾重にも張り巡らされた策略の糸で俺先輩を絡め取ってやりましょう!」

    律「おお!何だか私もテンション上がってきたぜ~!」

    澪「…とりあえず全員座りなさい」

    唯「う~ん…」

    梓「?どうしたんですか唯先輩?」

    唯「え?あ、いや、別にね、何でもないよ~」

    律「何だよ~、言いたいことがあるなら言えよ~」

    唯「ううん…あのね、なんかりっちゃんらしくないなあ、って思ってさ」

    律「…え?」

    203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 22:22:37.43
    唯「裏で細かいことをごちゃごちゃ考えて、無理して自分らしくないことやって…らしくないよ」

    澪「…」

    唯「りっちゃんのいいところ…私が好きなりっちゃんのいいところって、そうじゃないなあ、って思ったんだ~」

    律「唯…」

    唯「…へっ!?あ、いや、何となく!何となくそう思っただけだから!ふ、深い意味とかないからね!?ね!?」

    紬「…」

    唯「あ~もう、何でみんな黙っちゃうの~!?ほら、話し合いしようよ!ね?あずにゃん?」

    梓「…」

    唯「あうぅ…み、みんな怒ってる!?私が変なこと言ったから怒ってるの!?」

    律「…唯」

    唯「は、はひっ!?」

    律「…ありがとうな」

    唯「へっ!?」

    205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 22:32:13.96
    律「…みんな、ごめん!」

    唯「!?」

    律「私さ、ここのところいつも、何となく胸が苦しかったんだ。

      これ…いわゆる恋煩いってやつなんだと思ってた。でも、違うみたいだ。

      この胸の苦しさは…罪悪感、だったんだな」

    澪「…」

    律「俺になんとかして好かれよう好かれようって、無理して自分偽ってさ。俺にも、自分の心にも嘘をつこうとした…その罪悪感」

    梓「律先輩…」

    律「唯に言われて気付いた。それにさ…ありのままの自分を好きになってもらわなきゃ、意味ないじゃん?」

    紬「…」

    律「だから、ごめん!今日まで本当にみんなには世話になったけど…。

      でも、やっぱり私は、ありのままの私を、俺にぶつけたいと思うよ。だから…」

    206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 22:39:28.27
    梓「…まったくもう、折角練習の時間を割いてまで協力してあげたのに」

    紬「私だって、いつもよりたくさんお菓子を持ってきてたのにね~」

    律「梓…むぎ…ごめん」

    梓「罰として、律先輩には練習時間を増やしてもらいます!」

    紬「じゃあ私からは、一週間おやつを半分にするの刑!」

    梓「ただし、告白が成功したら免除です!デートの時間も取りたいでしょうしね!」

    律「梓…」

    紬「ふふふっ♪私のほうは減刑はなしよ?折角成功しても、太っちゃったら困るでしょう?」

    律「むぎ…じゃ、じゃあ…」

    梓「えへへ…」

    紬「ふふふふっ♪」

    律「ご、ごめん…ありがとう!」

    207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 22:45:35.00
    唯「私もりっちゃんの好きなやり方でいいと思うよ!」

    梓「当然ですよね。律先輩の気持ちを変えさせた張本人なんだから…」

    唯「あずにゃんは相変わらずシニカルだねぇ」

    律「唯…ありがと。…澪…は」

    澪「私は協力者だよ。いつでも、な」

    律「…うん…ありがとな」

    律「…よし!そうと決まれば…唯!」

    唯「な、何!?」

    律「メールして俺を呼び出してくれ!今から告白するから!」

    梓「ええっ!?いきなりですか!?」

    律「当ったり前だ!思い立ったら吉日だぜ!」

    紬「ふふふふっ!それでこそりっちゃん!」

    唯「よーし!じゃあメールするよ!ほんとにいいんだね!?」

    律「田井中に二言はない!」

    澪「……ふふふっ、まったく…」

    208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 22:57:18.84
    数十分後

    律「すぅ…はぁ…すぅ…はぁ…」

    唯「りっちゃん、大丈夫かなあ…?」

    梓「玉砕を覚悟した人間は強いですよ…唯先輩どこ触ってるんですか!?」

    唯「狭いんだからちょっと我慢してよ~」

    梓「わざとやってますよね!?わざとですよね!?」

    紬「二人とも静かにして!ほら、もっと下がらないと見えちゃうわ!」

    澪「シッ!…俺君が来たぞ」

    唯「おぉ…が、がんばれりっちゃん…!」

    俺「おーす、田井中!」

    律「よっ、俺!」

    210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 23:11:42.38
    律「ごめんな、急に呼び出して」

    俺「いや、部活終わって着替えてた時にメールもらったからさ。どの道あとは帰るだけだったからな」

    律「あー…そっか」

    俺「うん。で、何の用?」

    律「あ、いや…その、な…?」

    俺「何だよ、はっきりしないなあ。田井中らしくないぞ」

    律「!!…そう…だよな。あ、あのさ!」

    俺「お、おう」

    唯「おーっ!?い、いよいよだよ!?」

    梓「重いです、重いです!」

    214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 23:24:00.30
    律「一つ聞きたいことがあるんだ。何で…何で俺は、私のことを田井中って呼ぶんだ?」

    唯「なあんだ、まずはそっちか…」

    俺「何で…って…」

    律「ほかの軽音部のみんなのことは名前かあだ名で呼ぶのに、どうして私だけ苗字なんだ?律って呼んでって言っても…変えてくれないし」

    俺「あぁ、そういうことか」

    律「正直に言ってくれないか?どんな理由でも、私はちゃんと納得できるから」

    俺「好きだから」

    律「はぁっ!?」

    唯梓紬「!!」

    俺「田井中って苗字、言ってて気持ちいいじゃん?タイナカ!タイナカ!って感じでさ!」

    律「あぁ…そうかい…。…そ、それだけか…!?」

    俺「うん。…そっか、気にしてたんだな…ごめんな、気付かなくて。これからはちゃんと律って呼ぶよ。な?」

    律「あ、ありがと…うぅ」

    唯「ざ~んねん…じゃあ、今度こそ!」

    216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 23:31:10.07
    俺「えっと…律、これが聞きたくて呼んだのか?」

    律「そ、そんなわけあるかあっ!!」

    俺「な、何で怒るんだよ?えーと、じゃあ、本題があるんだな?」

    律「…ある!」

    唯「おお…おおお…」

    紬「頑張って…りっちゃん頑張って…!」

    梓「む、むぎ先輩まで…重いです…」

    澪「…」

    律「ちょ、ちょっとごめん!すぅー、はぁー、すぅー、はぁー…」

    俺「深呼吸…?」

    律「…よし!い、言う…言うぞぉ…!」

    219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 23:40:34.51
    律「お、俺!!」

    俺「お、おう…」

    律「私と付き合ってくれ!!」

    俺「…え!?」

    唯紬「言った!!」

    梓「苦しい…」

    澪「…」

    俺「た、田井中…」

    律「確かに私はがさつだし、いい加減だし、む、胸もあんまりない!け、欠点ばっかりだ!

      でも、一緒にいる人を元気付けて、笑わせて、楽しい気持ちにさせてあげることは出来る!

      もし俺が落ち込むようなことがあっても、きっと力になれると思うんだ!

      だ、だから、私は、いつも俺と一緒にいたい!俺のことが大好きだから、一緒にいたいんだ!

      だ、だから…だから…」

    律「だから、俺も、わ、私のことを大好きになってください…!」

    俺「田井中…」

    221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 23:48:06.65
    俺「…ごめん」

    唯紬梓「!!」

    律「………そっか」

    俺「田井中、あ、いや、律の気持ちは嬉しいよ。でも…付き合うことはできない。ごめん」

    律「…うん!わかった。ごめんな、こっちこそ。あとさ、田井中でいいよ、その方がいいんだろ?」

    俺「…ああ」

    律「はぁー、フられちゃったかー!ちっくしょー!ち、ちなみに理由は?もう彼女がいるとか?」

    俺「…ああ。………というか俺、澪と付き合ってるんだけど」

    律「…は!?」

    唯紬梓「えええっ!?」

    俺「もう1ヶ月くらい前から…」

    澪「律!!」

    律「…澪!?」

    澪「明日の議題は寝取りについてだぞ!!」


    おわり

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唯 「ぐっど ばい」
和「もしかして和って変換する時に、「わ」って打ってない?」
『マゾ猫梓の憂鬱』
  1. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/11/23(火) 15:20:24 URL [ 編集 ]
    誰得
  2. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/11/23(火) 16:24:24 URL [ 編集 ]
    俺得
  3. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/11/23(火) 16:41:57 URL [ 編集 ]
    長いから途中から飛ばしてオチだけ読んだら「!?」ってなった
  4. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/11/23(火) 17:02:16 URL [ 編集 ]
    おい。澪。
  5. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/11/23(火) 21:16:14 URL [ 編集 ]
    おい































    おい
  6. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/11/23(火) 21:30:22 URL [ 編集 ]
    おい



    マジで誰得だよ
  7. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/11/23(火) 21:34:20 URL [ 編集 ]
    ┓( ̄∇ ̄;)┏
  8. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/11/24(水) 05:11:19 URL [ 編集 ]
    俺じゃない俺を殺すしかないようだ
  9. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/11/24(水) 13:57:52 URL [ 編集 ]
    りっちゃん隊員怖い
  10. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/11/24(水) 14:01:22 URL [ 編集 ]
    りっちゃん隊員多いのにカップリングランキング低いぞ
    どういう事だ
  11. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/11/27(土) 20:22:25 URL [ 編集 ]
    この落ちは、ない。
  12. 名前: けいおん!中毒 ◆UzUN//t6 2010/12/10(金) 01:56:01 URL [ 編集 ]
    オリキャラで男を出す時点で萎える
    書き主だけが満足する自慰作品
  13. 名前: 2011/08/30(火) 07:40:19 URL [ 編集 ]
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