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律「もしもの話をしよう」

  1. 名前: 管理人 2010/12/21(火) 20:48:39
    1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:18:46.51
    澪「なんだ急に」

    律「いや、せっかくの年末に軽音部皆が揃ってるんだからさ。ちょっと話したいなぁ、と思って。
      ほら、平日の昼にやってるサイコロトーク的な? もしばな! 的な?」

    梓「思っても何も律先輩、受験勉強は良いんですか? 私に聞かないといけないところがあるぐらい切羽詰まってますよね?」

    律「時には息抜きも必要だよ? 梓くん」

    澪「誰だよ」

    梓「というか本当に大丈夫なんですか? まぁ律先輩だけ別の大学に行くんなら別に良いですけど」

    律「怖いこと言うなよ」


    3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/20(月) 14:20:37.67
    澪「ああ、例え話ってのはそういうことか」

    梓「もし、律先輩だけが別の大学だったら、とかですね」

    律「さすがに泣くよ? 私でも泣いちゃうよ?」

    唯「でもちょっと面白そうだね!」

    律「だろ? 唯は分かってるな~」

    紬「確かに今年も始まったばかりだし、そうやって他愛も無い話をするのも良いわね~」

    律「おっ、ムギも分かってるな」

    澪「……まぁ、二人がそう言うなら、私も特に反対しないよ」

    梓「私もです。まぁそもそもこの勉強会だって、律先輩と唯先輩のためのものですしね」

    澪「当事者二人が気にしないなら、別に良いさ」

    律「なんでそう人の不安を煽るようなことを言うのかねぇ、この二人は」

    5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/20(月) 14:22:48.18
    紬「まあまあ。
      でも、憂ちゃんが用意してくれたお蕎麦を食べた後もずっと勉強してたし、確かにそろそろ息抜きしても良いんじゃない?」

    唯「そうだねぇ~。正直私も疲れてきたし」

    澪「唯は律のせいで気が抜けただけだろ? さっきまであんなに集中して勉強してたのに」

    梓「全く、律先輩のせいですよ。
      もし邪魔しなければ、唯先輩はもっと勉強できてましたよ?」

    律「その前に私の集中力が切れたんだよ」

    澪「そうか。……ま、もうここまでダベっちゃった時点で、勉強には戻れないか」

    律「そうそう。澪ちゃんも分かってきたじゃないの」

    澪(と言うか律……お前集中力が切れたんじゃなくて、今日一日巻き込まれて、今はもう律が一人でも勉強できるようになったから退屈そうにしてる梓のためにそんなこと言ってるんだろ……?
      ……全く、素直にそう言えば――いや、梓の場合、素直に言った場合は遠慮するか。
      ……その辺も知ってのこと、か……相変わらずだな、律だけは)

    6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:23:45.71
    律「という訳で、当初の予定通り“もしもの話”といこうじゃないか!」

    梓「でも、“もしもの話”って何をするんですか?」

    律「例えば、『もしも自分が男だったとして、軽音部の誰と付き合いたいか』っていうお題だったとしたら、それぞれ誰かを明かして、それぞれの付き合った場合の妄想を明かすんだよ」

    紬「も、妄想って……」///

    律「なんでそこでムギは頬を赤らめるんだよ……」

    紬「だ、だって……」///

    唯「おぉ! ちょっと面白そう……!」

    律「だろ?」

    澪「う~ん……男性だとして、か……」

    梓「結構……悩んじゃいますね」

    律「そうか?」

    7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/20(月) 14:25:26.58
    梓「む。じゃあまずは律先輩から誰と付き合いたいか言って下さいよ」

    律「ええ~? こういうのってさ、一斉に指差すから面白いんじゃん」

    紬「確かに!」キラキラ

    梓「どうしてムギ先輩はそんなに嬉しそうなんですか……」

    紬「でも皆の位置がバラバラだから、人差し指二本じゃ皆を指せないわ……」

    梓(しかも皆を指す気だっ!!)

    律「んで、皆は誰を指差すか決まったか?」

    唯「私は決まってるよ~」

    澪「私も……うん、決まったかな」

    紬「私も~」

    梓「あ、私も、一応決まりました」

    律「よっし! それじゃあ『いっせーのーでっ』、で指差すぞ~」

    唯澪律紬梓「「「「「いっせーのーでっ」」」」」

    バッ

    8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:27:53.51
    唯→梓

    澪→律

    律→唯

    紬→律

    梓→澪

    9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/20(月) 14:28:57.14
    唯「おお~!」

    律「見事に皆……」

    澪「ああ、バラバラだな……両思いが一つも無い」

    紬「複雑に絡み合った人間関係ねっ」キラキラ

    梓「だからどうしてムギ先輩はそんなに嬉しそうなんですか……」

    梓(って言うか、結局一人しか指差してないし……もしかして指差す前のはツッコミ待ちだったとか?)

    10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/20(月) 14:30:03.52
    唯「りっちゃんが人気だねぇ~」

    梓「確かにそうですね。澪先輩とムギ先輩の二票です」

    紬「だってりっちゃんってエスコートが上手いから……」///

    澪「なんで照れてるんだよ……」

    唯「そういう澪ちゃんはなんでりっちゃんなの?」

    澪「いや、それは、その……私以外、律に入れないと思ったからだよ」

    梓(素直じゃないなぁ~……)

    澪「……何か言いたそうだな、梓」

    梓「いえいえ、そんなことはありませんよ?」

    11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/20(月) 14:31:11.69
    唯「これに対してりっちゃん本人の感想は!?」

    律「いや、感想って言われても……これはさすがに、ちょっと、予想外って言うか……」///

    梓(照れてる……)

    律「……何か言いたそうだな、梓」

    梓「いえいえ、そんなことはありませんよ?
      っていうか澪先輩も律先輩も、周りの目を気にしすぎです」

    唯「でもそこで二人共あずにゃんに目がいくあたり、息がピッタリだよねぇ~」

    紬「幼馴染故のってやつね!!」キラキラ

    澪律「「違う違う」」

    12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:32:14.97
    紬「でもそうなると、どうしてりっちゃんは唯ちゃんなの?
      てっきり私としては、澪ちゃんとりっちゃんが両想いだと思ってたんだけど」

    律「いやだって、唯と一緒だと楽しそうだし」

    唯「りっちゃん!」ダキッ

    律「おぉおぉ! 可愛い子よのぅ……」ナデナデ

    澪「……それって、私といても楽しくないってことか?」

    律「いや、澪といても楽しいことは楽しいんだけど……なぁんて言うのかなぁ……
      いざ私が男になったら、澪ってば歳を取れば取るほど私と疎遠になりそうって言うか……」

    唯紬梓「「「あ~……」」」

    澪「納得されてる!?」

    14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:34:47.41
    唯「だって澪ちゃんってば照れ屋さんだし……」

    梓「ですよね……なんかこう、中学あたりで周りの男子にからかわれるのが恥ずかしくなって、段々と律先輩と距離を置いていきそうな……」

    紬「思春期なのね特有のアレなのね」

    律「まぁ、そういう訳で……たぶん、同じ高校に行ってたとしても、示し合わせて、じゃなくて、偶然一緒になって、ってなってそう」

    紬「で、人数合わせにとりあえず澪ちゃんを誘って軽音部を作って、
      そっから『昔は仲が良かったけど今はキクシャクしてる幼馴染』っていう関係から段々と昔の幼馴染のような関係になっていって、
      澪ちゃんはりっちゃんにまた昔のように惚れちゃうんだけど、その頃には隣に唯ちゃんがってパターンねっ!?」

    梓「え? それってパターンですか?」

    唯「でもちょっとリアルだよね」

    梓「でもその前に律先輩と疎遠になってたのなら、ベースが弾けて無いんじゃないですか?」

    律「ありえるなぁ……」

    澪「そ、そんなことない!」

    16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/20(月) 14:37:25.24
    澪「律とだったら私、どんなにからかわれても一緒にいる!
      私が男でも、律が男でも、どっちであってもからかわれても、照れて否定しちゃうかもしれないけど……
      それでも! ずっとずっと一緒にいる! 一緒にベースとドラムやって、今みたいに皆と一緒にいるっ!!」

    唯律紬梓「「「「…………」」」」

    澪「……はっ!」///

    17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:38:35.73
    唯「澪ちゃん……一途だねぇ~」

    紬「素敵だわっ!」

    梓「聞いてるコッチが照れくさくなります……」///

    唯「そ、その、これは……その……」///

    律「あ、あ~……その、ありが、とう……?」///

    澪「うっ……! り、律も! こんな時だけ照れるなっ。
      いつもみたいに、返してくれれば……」///

    律「む、無理だって! あんなこと大声で言われたら……」///

    澪「…………」///

    律「…………」///

    紬(ごちそうさまです)

    唯(仲良しさんだよねぇ~)

    梓(アツアツ過ぎます……)

    19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:40:33.24
    律「あ、あ~……ごほん。で、唯は梓な訳だが」

    紬梓((誤魔化した))

    唯「うん! やっぱりあずにゃんは可愛いからねっ!」フンス

    梓「って、なんですかその理由……」

    紬「でも、男の子になったら、って話だから、そういう理由でも間違いじゃないんじゃない?」

    梓「む……確かに」

    唯「えへへ~」

    梓「つまり唯先輩は、女性を外見で判断する人だと」

    唯「その言い方だとロクな人間じゃないみたいっ!」ガーン!

    20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:41:44.04
    澪「でも梓の場合、中身も可愛いから見た目だけじゃないんじゃないか?」

    律(おっ、復活した)

    梓「そ、そんなことないです! おだてたって何も出ませんよっ!」///

    唯「いやいや、あずにゃんは本当に中身も可愛いよ~」

    紬「そうね、梓ちゃんは可愛いわ」

    梓「も、もぅ~……ムギ先輩まで……」カァッ!///

    律「本当、梓ちゃんは可愛いわよ~」

    梓「あ、律先輩に言われたら落ち着きました」

    律「ひどくねっ!?」

    21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:43:22.54
    律「で、そういう梓は澪か」

    梓「澪先輩ならカッコイイですし、私を引っ張ってくれそうですし」

    澪「そんな……」テレテレ

    律「でも澪って、意外に頼りないところがあるぞ?」

    梓「そこを、私がフォローするんです」

    律「梓が男なのにフォロー? ってか、基本的に引っ張ってもらう方で良いのか?」

    梓「私の場合は年下ですから。
      年下の男の子を引っ張る年上のお姉さん、
      でも時々その弟のように思ってる年下の男の子に助けられちゃうお姉さん、
      って構図です」

    唯「あずにゃん、男の子になっても可愛いらしそうだもんね」

    澪「なるほど……」

    律「ショタっ子か」

    紬「良いわねソレ!」キラキラ

    梓「ショタとか言わないで下さい!
      っていうかなるほどって何ですか澪先輩!」

    22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:44:45.87
    律「……っていうかムギ、お前は素に自分が男だってこと忘れてないか?
      さっきの話みたいに、私に引っ張ってもらってどうすんだよ。
      私、ムギの立場から見たら普通に女だぞ?」

    紬「同い年なのに女の子に引っ張られる男の子……そんな男の子に、私はなりたいっ!」バーン!

    梓「……とんでもなく力強い言葉ですね」

    律「ああ……全ての疑問を打ち払うような言葉だったな……」

    唯「思わず納得しちゃったよ……」

    澪「不思議と説得力があったな……」

    紬「えへへ~……一度言ってみたかったの」

    唯「……あれ? でも誰も、ムギちゃんを選んで無いよね?」

    澪律紬梓「「「「っ!!」」」」

    24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:45:30.34
    律(しまった……あえてこのままスルーしようとしてたのに、唯のやつ……!)

    梓(ちょっと気まずい感じになってしまうことぐらい、察して欲しいです……!)

    澪(唯ってばこういうところで天然だな……まぁ、みんな私と一緒でムギのことが嫌いな訳じゃないんだろうけど……)

    紬(皆の可愛い姿に夢中で、自分のことなんてアウトオブ眼中だった……!)

    唯「…………あれ?」

    25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:47:51.08
    唯「まぁでも、皆ムギちゃんのこと大好きだもんね」

    律「お、おう! 当然だろ?」

    紬「じゃあ、どうして誰も私を選んでないの……?」

    梓「えっと……それはですね……」

    唯「ムギちゃんのこと大好きなんだけど、でもそれを言ったら皆大好きなんだけど……。
      ……ん~……上手く言葉に出来ないなぁ……。……あ! そうそう! 二番さんなんだよっ!」

    澪律梓(((最悪な言葉を選択した!!)))

    紬「二番、さん……?」

    唯「そう! 二番さん!
      憂とこの前ドラマ観てて言ってたんだけど、二番目に好きな子のことを二番さんって言うんだって!」

    紬「へぇ~……」

    澪律((男女の関係においてその言葉は果てしなく最悪だけどな))

    梓「でも、そうですよね」

    26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:48:55.88
    梓「元々、皆さんの中から一番を決めようっていうこの空気が間違いだったんですよ」

    唯「そうだね! そう言えばそうだよ! だって私、皆のことが大好きだもん!
      私が男の子だっとしても、皆とずっとずっと一緒にいたいもんっ!」

    律「……ハーレムの主みたいなことを言うんだな、唯は」

    澪「でも唯みたいな天然ジゴロって、意外に男になったらあんな感じじゃないか……?」

    律「確かにそうかもな……」

    梓「という訳でA級戦犯は律先輩ですね」

    律「そこまで酷いこと言わなくても良くねっ!?」

    27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:50:14.08
    律「まぁでも、その辺り考慮してなかった私が悪かったのは事実だしな。
      ごめん、ムギ。不快な思いをさせちまって」

    紬「い、良いのよそんなの!
      私自身、唯ちゃんに言われるまで気付いてなかったんだし」

    律「そうか? そう言ってくれるなら、助かるよ」

    唯「ムギちゃんは天使だなぁ……」

    紬「あ、そうだ! それだったら、次は私がお題を出してもいい?」

    澪「あれ? それぞれの付き合った場合の妄想とか話すんじゃなかったのか?」

    律「まあまあ。盛り上がればそれで良いじゃん。
      で、ムギはどんな“もしもの話”をしたいんだ?」

    紬「りっちゃんとはちょっと違うんだけど、『もしも彼氏さんが出来たとして、それぞれどんな人がお似合いか』っていう妄想を聞かせて欲しいの」キラキラ

    梓「と言うことは、周りがその人の彼氏としてどんな人がお似合いか、っていうのを話すんですか?」

    紬「そういうことよっ!」キラキラ!

    澪律((……ムギ、輝いてるなぁ……))

    29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:51:40.96
    紬「例えば梓ちゃんの場合だったら、梓ちゃん自身がしっかりしてるし、ちょっと頼りない人が良いと思うの」

    梓「えぇ~……? そんなの私がイヤですよ。私、澪先輩みたいにしっかりしてる人が良いです」

    律「確かに梓ってば甘えん坊さんだもんな」

    梓「誰が甘えん坊ですか、誰が」

    澪「そうくるとやっぱ、しっかりしてる人が良いんだろうけど……」

    唯「でも、恋人には自分に無いものを求めるって言うよ?」

    梓「む、唯先輩にしては真っ当なことを言いますね……」

    澪「でも確かに、互いにしっかりしてるカップルって、何だか息苦しそうだもんな。イメージだけど」

    紬「と言うことは、梓ちゃんにピッタリな彼氏さんって、基本的にはズボラだけどキチンとするところでキチンとする、周りから見たら梓ちゃんに頼りきってるように見えるけど見えないところでちゃんと梓ちゃんを支えている人、ってことかな」

    律「……そんなヤツいるのか?」

    31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:55:50.27
    紬「私としては、りっちゃんがそんな感じだと思うし、男の人でもいるんじゃない?」

    梓「異議アリ」

    律「ん?」

    梓「つまり私には、律先輩のような人がお似合いだと?」

    律「おい、なんでそんな不服そうなんだよ……」

    梓「いえ、別に不服ではありませんけど……ちょっと想像できなくて」

    唯「でもあずにゃん、二人きりになったら甘えるタイプだよね?」

    梓「にゃっ!? い、いきなり何言いだすんですか! 唯先輩!」

    澪(図星か……)

    律「ほほぅ……ってことは梓がその彼氏とデートするってことになると、街中では男の方が梓にベタベタするんだけど、互いの家に遊びに行ったら梓から抱きついたりする訳だな」

    紬「まぁっ!」キラキラ!

    澪「抱き……!」///

    梓「そ、そんなことしません! 勝手に妄想しないで下さいっ!」///

    34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 14:58:01.86
    唯「でも映画館とかでデートしてると、確実に手を握るタイプだよね、あずにゃん」

    紬「なるほど! 映画を観ながら隣の彼氏さんの手を繋ぐタイミングを見計らって、こんな時だけ手を繋がないってどういうことなの、
      とか勝手に思っていて、そして大きな音が鳴ったタイミングで今だ! とばかりに手を伸ばして握りしめ、
      男の人がソレに気付いて梓ちゃんを見るんだけど、梓ちゃんは映画を観てるフリをしながら頬を仄かに赤く染めて
      『きゅ、急に音が鳴って、ビックリしただけだから……』とか言っちゃうのねぇ~……」ウットリ

    梓「ムギ先輩! その垂れ流しの妄想はすぐさま止めるべきですっ! っていうか長すぎますっ!」///

    律「すごいな……」///

    澪「ああ……聞いてるコッチが恥ずかしくなるな……」///

    唯「と言うか、リアルに想像出来ちゃうよね……」///

    梓「ちょ、ちょっと待ってください! 私そんなことしたことありませんから!
      アレはムギ先輩の妄想です! 見てきたように言ってますけどただの妄想ですっ!
      だから照れるのはおかしいんですっ!」

    36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:03:07.02
    >>33 唯の部屋。原作四巻の年末想定
      憂ちゃんは年越しソバ持ってきて皆と食べた後、後片付けして部屋に戻って寝てる感じ
      たぶん食べた後も皆は勉強してただろうし、憂ちゃんなりに邪魔にならないようにしたんだよ



    梓「と、ともかく! 私の話はもう終わりで良いです!
      むしろ、ほら、私としては、唯先輩の彼氏さんって全く想像できません!」

    唯「ほぇ?」

    律「まぁ、誤魔化しにかかった梓に乗っかってやるとして……」

    梓(言い返したら負け言い返したら負け……!)

    律「確かに、唯の彼氏って想像できないな」

    紬「ってことは唯ちゃんだけ……一生独り身?」

    唯「そんなっ!」ガーン!

    38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:04:56.71
    唯「なんで私は一生独り身なのっ!?」

    律「いや、なんていうか……」

    澪「梓と違って、唯の隣を歩ける男性像が想像できないって言うか……」

    唯「それって私に女としての魅力が無いって事!?」

    紬「う~ん……そんなことは無いんだけど……だって唯ちゃん、とっても可愛いし……」

    梓「……あぁ~……」

    律「ん? どうした、梓」

    梓「いえ、自分で話を振っておいてなんですが、唯先輩の彼氏像が出来ない理由が、たった今分かりまして」

    唯「本当!?」

    澪「で、なんでなんだ?」

    梓「おそらくですけど……憂の存在が大きいんじゃないかと……」

    澪律紬「「「……あぁ~……」」」

    40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:06:57.04
    唯「? どういうこと? なんで憂なの?」

    澪「なんていうのかな……ほら、唯って、憂ちゃんがいないと何も出来ない印象が強いから……」

    律「それにその……なぁんつぅのかねぇ……
      並程度の男じゃあ、憂ちゃんが許してくれなさそうっていうか……」

    紬「と言うより、確実にその彼氏さんは憂ちゃんにも気に入られてないといけないわよね……」

    梓「って、ことはですよ?
      唯先輩にお似合いの彼氏は、憂にも認められるほどのスペックじゃないといけないってことですよね?」

    律「だろうな。しかも、唯を甘やかせるのは憂ちゃんがしてるから、唯に厳しい人じゃないといけない」

    澪「でも厳しすぎると、今度は唯がその人を遠ざけてしまう……」

    梓「と言うことは……」

    澪「しっかりしてて……」

    律「でも、唯を甘やかせる訳でもない……」

    紬「けれども、厳し過ぎる訳でもない、そんな人……」

    梓「……いますか?」

    41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:10:21.51
    唯「……それってもしかして、和ちゃん?」

    澪律紬梓「「「「っ!」」」」

    唯「え? えぇ? どうしたの皆? 一斉に私の方見ないでよ……照れちゃ――」

    律「それだ!」

    唯「――って、へ?」

    澪「そうだ、それだよ唯!」

    紬「そうね! 唯ちゃんにピッタリなのは、和ちゃんみたいな人よねっ!」

    梓「唯先輩のことを分かってて、唯先輩に優しくて、けれども優し過ぎず唯先輩に程良く厳しく出来る人……!」

    澪律紬梓「「「「そんなの、和(ちゃん)(先輩)しかいない!!」」」」

    唯「……え? ってことは、私にピッタリな彼氏って、和ちゃんみたいな人ってこと?」

    42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:11:54.03
    澪「いや、もうそれしかないな」

    律「そうじゃなかったら唯の彼氏なんてやってられないって」

    紬「和ちゃんなら憂ちゃんにも認められるし、むしろ仲良くなるものね」

    梓「ですね! 他の人なんて考えられません!」

    唯「えぇ~? 私、彼氏には甘えたいんだけどなぁ……こう、あずにゃんにするみたいに」

    律「和でも甘えられるだろ?」

    唯「………………あれ? そう言えばそうだね」

    律「だろ? だったら何も考える必要が無いじゃないか」

    唯「そっか! 私、和ちゃんみたいな人と付き合えば良いんだ!
      そしたら甘えられるし、私のことも面倒見てくれるし、万々歳な展開なんだねっ!」

    紬「そうよ! 唯ちゃん!」

    44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:13:06.87
    梓(……ふと思ったんだけど、あんな完璧超人な男の人っているんだろうか……?)

    律(っつか、唯みたいなのを面倒見てくれる男の人自体、いるんだろうか……?)

    澪(なんだろ……言ってはみたものの、改めて考えると、やっぱり唯の隣に男性が立ってる姿が想像できない……)

    紬(なんかもう……唯ちゃんって小動物みたい……)///

    澪律梓(((と言うか、憂(ちゃん)や和(先輩)の印象が強すぎて、誰か女の人の後を付いて回る姿しか想像できない……)))

    唯「和ちゃんみたいな人かぁ~……えへへ~……カッコイイんだろうなぁ……」

    澪律梓(((……果てしない不安を感じる……)))

    46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:15:00.08
    唯「じゃあじゃあ、ムギちゃんはどんな彼氏さんがお似合いだと思う?」

    紬「私?」

    澪「ムギか……」

    梓「意外に難しいですね……なんかこう、朧気な姿は思い浮かぶんですけど……」

    律「あぁ、分かる分かる。お金持ちの好青年、みたいな姿は思い浮かぶんだよ」

    梓「ただそこから先……その好青年の中身とか、具体的な姿ってなると、全然出てきませんね……」

    澪「う~ん……でもやっぱり、しっかりしてる人じゃないのか?」

    唯「りっちゃんみたいな?」

    紬「りっちゃんみたいな!?」

    澪「なんでムギがそんなに食いつくんだよ……」

    律「っていうか、私みたいなのが本当に良いのか?」

    紬「うんうん! だってりっちゃんみたいな人って事は、エスコートがとてつもなく上手ってことでしょ!?」

    47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:16:13.39
    紬「しかも一緒にいて楽しいし、飽きさせないし、さり気なく私のこと助けてくれそうだし! 申し分ないわっ!」

    律「そ、そうか……そこまで褒められると、なんか照れるな……」///

    澪「まぁでも、確かに律みたいなのがちょうど良いだろうな。
      日頃ダラダラしてるけど、しっかりしてるところはしっかりしてるし」

    律「おい澪。みたいなの、ってのはどういうことだよ」

    澪「そのまんまだよ」

    唯「嫉妬?」

    澪「ち、違うっ!」

    梓(あ、図星突かれた時の反応)

    澪「……また梓は私に何か言いたそうだな……?」

    梓「そんなことありませんって。気にしすぎですよ、澪先輩。
      それじゃあ次の“もしも”の話でも――」

    律「いやいやちょっと待てよ。私と澪がまだだろ?」

    48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:17:20.69
    梓「えっ? 話す必要ってあります?」

    澪「……私が来た時、梓に酷いこと言ったからって……こんなところで復讐しなくても……」

    梓「あっ、いえ、そんなつもりはありません! ただ、その……ねぇ、唯先輩にムギ先輩?」

    唯「そうだねぇ~……あずにゃんの言いたいことは分かるよ」

    紬「確かにその通りだもんね。うん、私もそうだと思うわ」

    律「なんで三人だけで通じ合ってんだよ! 私と澪を置いてけぼりにするなぁっ!」

    梓「置いてけぼりとか、そういうんじゃないですけど……」

    唯「だってもう澪ちゃんはりっちゃんみたいな人、りっちゃんは澪ちゃんみたいな人がピッタリだって印象しかないんだもん」

    澪律「「なっ……!!」」カァッ///

    梓「ちょっ、唯先輩……!」

    唯「あれ? 言っちゃダメだった?」

    49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:18:23.56
    梓「……いえまぁ、確かにその通りですし、いずれ言わないといけないことでしたから良いんですけど……」

    澪「わ、私が、律みたいな人とピッタリ!?」
    律「わ、私が、澪みたいな人とピッタリ!?」

    唯「すごい! 息もピッタリねっ!!」

    澪律「「いやいや、そうじゃなくて!!」」

    梓「もはや完璧にシンクロしてますね」

    唯「ステレオで聞こえてきたね」

    紬「やっぱり二人はお似合いのカップルだわぁ~……」ポワポワ

    澪律「「~~~~~~~っ!!!!」」

    梓「お二人とも、顔が真っ赤ですね……」

    唯「可愛いねぇ、二人共」

    紬「もう本当に付き合っちゃえば良いのに~」キラキラ

    50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:20:10.04
    律「と言うか、アレだ! 私率高くねっ!?」

    唯「あっ、照れて誤魔化そうとしてる~」

    律「くっ……」///

    梓「でも、律先輩の言うことも一理ありますね」

    紬「私、梓ちゃん、そして澪ちゃん。三人もピッタリな彼氏さんがりっちゃんみたいな人ってことになってるわね」

    唯「りっちゃんったら女たらしなんだから~」

    律「そ、そんなことないぞ! っていうか、皆が私のことを選びすぎなんだっ!」

    唯「そうかなぁ~?」

    律「そうだって! とりあえず律を選んどけば大丈夫だろ、みたいな感じじゃん」

    紬「そんなことないわ!」

    澪「わ、私だって! そんなこと無いに決まってる!
      むしろ律みたいな人じゃないとイヤだっ!」///

    梓「私はまぁ、正直どうでも良いです」

    律「そこは律先輩じゃないとイヤだって言うべきところだろぉっ!」

    梓「知りませんよ、そんなお約束」

    51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:21:07.64
    律「ま、梓に関しては、私たちがピッタリなんじゃないかってのを勝手に推しただけだしな……」

    紬「でも私と澪ちゃんは違うわ!」

    律「そんな豪語されてもなぁ……反応に困るだけだって」

    梓「それだけ律先輩がイケメンってことですね」

    律「いや、メンズじゃねぇし」

    唯「りっちゃんの女たらし~」

    律「唯はソレしか言えないのか!?」

    53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:24:53.79
    唯「あっ、そうだ。どうせだったら、告白の練習しようよっ」

    律「は?」

    澪「告白の?」

    紬「練習?」

    梓「ですか?」

    唯「そう。さっき話した私たちの理想の男の人に告白する練習!」

    澪「……私たちが告白するのか?」

    唯「そう!」

    律「される立場って可能性は無いのか?」

    唯「二の足を踏んでたらあっさりと他人に取られる……それが恋だよ、りっちゃん」

    梓「誰ですか、ソレ」

    54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:26:07.58
    紬「でもおもしろそうねぇ~」

    律「そうか?」

    澪「と言うか、私と律の場合、理想の相手がそれぞれなんだけど……」///

    梓「そもそも“もしもの話”って趣旨からズレてますよね」

    唯「そんなことないよ! あずにゃん!
      だってコレは、もし好きな人が出来て告白することになったらどう言うか、ってことなんだよっ」

    律「それは、さすがにちょっと無理矢理すぎないか……?」

    唯「え~? みんな話さないの~?」

    紬「私はお話したいわ~」

    唯「賛成派はムギちゃんだけ?」

    55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:27:18.44
    澪「いやだって、恥ずかしいし……」

    律「確かにな。ちょっと恥ずかしいな」

    梓「ですよね……」

    紬「そんな!」

    律「うおっ!」

    紬「皆でこのお話しましょっ! 私、皆の理想の相手に対する告白を聞きたいっ!」

    澪「ムギがこんなに必死になるなんて……」

    梓(そこまでして皆さんが照れるところを見たいんですか……)

    紬「当然よ!」

    律「えっ? 何が?」

    梓(乙女電波……)



    56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:28:12.72
    澪「まぁ、でも……ムギがそこまで言うんなら……私は、してもいいかな……?」

    唯「おっ、さすが澪ちゃんっ」

    澪「ま、所詮もしもの話だ。遊びみたいに、気楽にいけばいい……うん、そうだ。そうだよな……」

    律「自分に言い聞かせてまで無理しないとダメか……?
      ……でもま、確かに本当に告白する訳でも無いし、私も良いよ」

    梓「もう……お二人がそういうなら、私がしない訳にはいかなくなるじゃないですかっ」

    唯「やった! これでみんなだねっ」

    律「……で、どうするんだ?」

    唯「ほえ?」

    59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:30:33.22
    律「いや、そんな間抜けな声出されても……」

    唯「どうするって、どういうこと?」

    律「いやだから、どうやって言うんだってことだよ。
      さすがにこうやって皆でテーブル囲んでる状態で言うのは違うだろ?」

    唯「む~……確かに。どうせだったら向き合ってやった方が、よりリアリティがあるかも……」

    紬「じゃあその相手は、さっき男として軽音部の中で付き合いたいのは誰か、でそれぞれが指差した人にしましょっ」

    梓(っ! まさかムギ先輩……! 最初からそう言って皆さんとの絡みを見るのが狙い……!?)

    律「え、ええぇ~!?」///

    澪「さ、さすがにソレは、遊びだって言っても、色々とリアルすぎないか……?」///

    紬「そう?」

    61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:33:49.31
    >>58 そうか…また猿のこと忘れて投下してた……ありがとうございます


    唯「あっ、じゃあこうしようよ!
      さっきその“もしもの話”で皆に指されなかったムギちゃんを相手役にして、皆で告白するの!」

    律「ムギが相手か……まぁ、ムギの力説でやろうかって思ったわけだし……」

    澪「んまぁ、全員が一人に集中してって言うんなら……それぞれにするよりリアルじゃない、か?」

    唯「じゃあソレで決まりだねっ! あずにゃんもソレで良いよね?」

    梓「え? あっ、はい」

    紬(天国って、意外に近くにあるのね……)

    62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:35:05.62
    唯「それじゃ、まずは発案者の私から!」フンス

    律「おっ、いったれいったれ!」

    澪「でも、なんて相手を呼ぶんだ?」

    紬「唯先輩の場合、理想の男性は和先輩のような方でしたよね?
      と言うことは、その理想の人が目の前にいることを想定して告白する訳ですし……」

    唯「そうだけど……でも呼び方はやっぱりムギちゃんだよ。だって今真正面に居るのはムギちゃんだし」

    律「まぁ、それもそうか」

    唯「それに私、ムギちゃんのことも大好きだしっ」

    紬(目の前の天使が微笑んでる……)

    唯「それじゃ、改めまして……コホン」

    63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:36:32.57
    唯「ムギちゃん、大好きです。私と、付き合ってください」



    紬「ぁ……っ!!!!!!」カァッ///

    律「おお~!」

    澪「なんか……聞いてるコッチまで恥ずかしくなってきた……」///

    梓「ですね……」///

    66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:39:59.82
    律「そうして伝わってくるほど唯が真剣だったってことか。現に言われたムギは顔真っ赤だしな」

    紬「…………」///

    梓「なんだか……本当に告白されたみたいですね……」///

    唯「ふ~……どんなもんよ」

    律「いや、唯さんマジ素晴らしいです」

    梓「いつもの唯先輩と違った大人っぽさのせいでドキドキしました」

    澪「だな。これがギャップってやつなのかと思い知らされたよ」

    唯「えへへ~……私だってやれば出来るんですっ」フンス

    律「それじゃ次の話題を――」

    唯「ちょっと何言ってるか分からないなぁ」

    67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:42:46.62
    律「やだな、冗談だよ。
      ちょっと客観的に見てかなり恥ずかしいなとか思ったからウヤムヤにしようとかしてないよ?」

    唯「りっちゃんの本音がダダ漏れな件について……」

    梓「いえでも、アレを恥ずかしげもなく出来る唯先輩は素晴らしいですよ、ある意味」

    唯「ある意味って何!?」ガーン

    澪「でも……確かにちょっと、思ってたより恥ずかしいかも……」

    唯「さすが澪ちゃんだね……」

    68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:44:29.42
    唯「ん~……でも相手はムギちゃんだよ? 何が恥ずかしいの?」

    澪「それは……そもそも告白ってシチュエーションかな……」

    唯「遊びみたいに気楽にって言ったのは澪ちゃん自身だよ?」

    澪「それは……そうだけど……」

    律「じゃあ次は澪なっ」

    澪「なっ! 律お前……!」

    梓「さあさあ澪先輩。あそこでいまだウットリしてるムギ先輩に告白してきてください」

    澪「梓までっ!?」

    唯「ほらほら、もしもの話なんだから、気軽に気楽に」

    澪「うう~……でも…………いや、そもそも私自身が言ったことだし……仕方ないか」

    唯「その意気だよ、澪ちゃん!」

    70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:46:16.42
    澪「それにそもそも相手はムギだ……そう、これは好きな友人に恋人のフリをしてもらうようなものなんだ。
      それにここで嫌がってたらムギのこと嫌ってることになるし、そんなことないのにそんな勘違いされることになるし。
      ここは普通に私の気持ちをぶつければ……」ブツブツ

    梓「すごい集中してますね……」

    律「って言うか、自分の気持ちをぶつければって……それじゃ本当の本当にもしもの話じゃなくなってないか?」

    梓「でも澪先輩はその真実に気付いてませんよ?」

    律「まぁ、澪だしな……」

    71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:47:45.19
    澪「……よしっ! なぁ、ムギ」

    紬「…………」ポワ~///

    律「あ~……まだ唯の後遺症が抜けてないか……目が虚ろだ」

    梓「後遺症って、なんか病気みたいな言い方ですね」

    唯「いや、ムギちゃんは病気なんだよ……そう、恋という名の病にねっ!」

    梓「……そのドヤ顔、イラっときますね」

    唯「ひどいっ!」ガーン!

    律「っつか、その場合は唯に恋してるわけだが……」

    梓「まぁ、あながち間違いでもないような気もしますけど……」

    律「確かに……否定は出来んな……」

    72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:50:14.25
    澪「なあムギ。なぁってばっ!」ユサユサ

    紬「……はっ! ど、どうしたの澪ちゃん!?」///

    澪「どうしたの、じゃなくてだな……ちょっと、聞いてもらいたいことがあるんだ」

    紬「き、聞いてもらいたいこと? 澪ちゃんが? 私に?」

    澪「あ、ああ……」///

    (ど、どうしたんだろ……顔を真っ赤にして……)///

    律(あれ……? あのムギの反応……もしかしてあまりの衝撃で話の趣旨を忘れてないか……?)

    73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:52:57.92
    >>72 ×→(ど、どうしたんだろ……顔を真っ赤にして……)///
       ○→紬(ど、どうしたんだろ……顔を真っ赤にして……)///

    名前入力忘れ…



    澪「じ、じつは私……ムギのことが……その……だ、大好き! ……なんだ……!」カァッ///


    紬「えっ……えぇっ!?」ボッ!///

    律(あ~……やっぱりそうっぽいな)

    梓(あれ? ムギ先輩の反応が……気のせいかな?)

    唯(ムギちゃんってば聞き手なのに演技が上手いなぁ……)

    74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:54:30.21
    澪「は、始めて会った時から、その……ずっとずっと、想ってて……
      いつか気持ちを伝えたいなぁ、って想ってて……」///

    律(っていうか澪、私みたいな男の人にこういうのを言うつもりなんだよな……なんか複雑な気分になる。
      ……え? いやいや、なんだよ複雑な気分って。
      っつか今の澪はもう“もしもの話”じゃなくなってるんだよな? ってことはコレはマジでムギに対する想いの告白なのか……?)

    澪「で、でも私、こんな臆病者だから……中々、キッカケがなくて……でも、今がその時かなって、そう、思って……」///

    梓(澪先輩の中では今どんなシチュエーションなんだろ……)

    澪「だ、だから、その……よ、良かったら私と、付き合って下さいっ」///

    紬「…………」ポ~///

    唯(……? あれ? ムギちゃんの目の焦点が合ってないような……)

    75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:56:41.83
    澪(うぅ~……気楽にって言われても、やっぱり緊張するなぁ~……
      歌詞として書いてるみたいなのなんて言えないし、こう恥ずかしかったら言葉も出てこないよ……)///

    律(まぁ、澪らしいっちゃあ澪らしかったか……)

    梓(やっぱり告白の時となると、あの歌詞みたいに甘いのは無理なんですね……
      出来た自分の歌詞の歌、歌えないって一年の頃駄々をこねたって律先輩が言ってましたが……どうも本当っぽいですね。
      ずっと歌うのが恥ずかしいだけなのかと思ってましたが……)

    律(……おっ、そうだ!)

    律「ちょぉっとまったぁ!」

    澪「ふぇっ!?」

    律「ふっふっふ……私だって、ムギのことが好きなんだ……その告白、少し待ってもらおう。」

    紬「えっ? えぇっ!?」カァッ///

    唯(? 何をするつもりなんだろ、りっちゃん)

    76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 15:58:50.50
    律(そう……私は気付いてしまった……このままこの後、一旦落ち着いてから告白しなおすより……
      こうやって告白に割り込む形にした方が、澪のノリをそのまま引き継げるということにっ!)

    梓(はっ! まさか律先輩……!)

    律(ふふっ、梓も気が付いたようだな……この方が改めてするより負担が軽くなると……
      ま、私の次にでも同じように割り込んで来るか……
      そう、今は一応、澪は分からんけれども名目を保っている“もしもの話”としての告白を考えよう……)

    律「あぁ~っとな、ムギ」

    律(えっと……私の場合は、澪みたいな男性を意識して――
      って、ソレは周りが勝手に決めたことだから、私の本当の好みの男性を――
      って、やっぱ澪っぽいのしか思いつかない……
      って、何を恥ずかしいことを考えてるんだ、私はっ)///

    澪(っ! 律の顔が真っ赤だ……もしかして律のやつ、このもしもの話っていう今の趣旨を忘れて、本当にムギを相手にした告白をするつもりなんじゃ……!
      私はちゃんと、律みたいな男性を意識したっていうのに……!
      ……いやいや! 何を恥ずかしいこと考えてるんだ、私はっ)///

    梓(あの幼馴染二人はどうしてムギ先輩を放置して顔を真っ赤にしてるんだろ……)

    77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 16:04:29.10
    唯(はっ! もしかしてりっちゃん! この方が盛り上がるからって割り込んだのかなっ!?
      だったら私の時も割り込んで欲しかったよぉ~)

    紬(り、りっちゃんも、唯ちゃんと澪ちゃんみたいに私のことが好きだなんて……私、いつの間にモテ気が来てたの……!)ドキドキ///

    梓(そしてどうして唯先輩は少しガッカリ気味で、ムギ先輩はあんなにも嬉しそうなんだろ……
      もしかしてムギ先輩、もしもの話って趣旨で告白相手に選ばれたってこと、忘れてる……?)

    律「じ、実は、その……今まで、正直に言わなかったんだけどさ……」///

    78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 16:06:29.08
    紬「はうっ!」ドキッ///

    紬(上目遣い……! 日頃のりっちゃんからは想像も出来ない大人しそうな雰囲気と、意を決しながらも詰まった言葉……!
      これは……これはなんて可愛い!!)

    律「今まで、ふざけあってたりとか、話したりとかして、すんげぇ楽しくってさ。
      それで、気が付いたら……好きになってた。
      だからさ……これからも私の隣で、私を楽しくして欲しいんだ。
      それで……その……良かったら……たまにで良いからさ……甘えさせてくれたりとか、してくれないかな?」テ///

    律(あぁ~……やっべ……もしもの話で遊びの一環だって分かってても、コレはかなり恥ずかしいし緊張するな……
      まだマシだろうって思って割り込んだけど、実はあんまり変わらないんじゃないのか……? コレ)///

    梓(うわ~……やっぱギャップ萌えって本当にあるんだ……
      澪先輩のは想像の範囲内で予定調和みたいな感じだったけど……
      律先輩のは“こうかもしれない”の領域でしかも想像以上に可愛いせいか、見てるこっちまでドキドキする……。
      しかも唯先輩のが大人っぽかったのに対して、律先輩のはいつもの感じの中に甘えん坊な部分をちょい見せしてる感じがして……
      付き合ったらさらに先が見えるんじゃないの? みたいな期待感がハンパ無い……)///

    79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 16:07:32.24
    >>78 ミスった。無かったことにして欲しいです



    律「私、好きなんだ。ムギのことが」///


    紬「はうっ!」ドキッ///

    紬(上目遣い……! 日頃のりっちゃんからは想像も出来ない大人しそうな雰囲気と、意を決しながらも詰まった言葉……!
      これは……これはなんて可愛い!!)

    律「今まで、ふざけあってたりとか、話したりとかして、すんげぇ楽しくってさ。
      それで、気が付いたら……好きになってた。
      だからさ……これからも私の隣で、私を楽しくして欲しいんだ。
      それで……その……良かったら……たまにで良いからさ……甘えさせてくれたりとか、してくれないかな?」テ///

    律(あぁ~……やっべ……もしもの話で遊びの一環だって分かってても、コレはかなり恥ずかしいし緊張するな……
      まだマシだろうって思って割り込んだけど、実はあんまり変わらないんじゃないのか……? コレ)///

    梓(うわ~……やっぱギャップ萌えって本当にあるんだ……
      澪先輩のは想像の範囲内で予定調和みたいな感じだったけど……
      律先輩のは“こうかもしれない”の領域でしかも想像以上に可愛いせいか、見てるこっちまでドキドキする……。
      しかも唯先輩のが大人っぽかったのに対して、律先輩のはいつもの感じの中に甘えん坊な部分をちょい見せしてる感じがして……
      付き合ったらさらに先が見えるんじゃないの? みたいな期待感がハンパ無い……)///

    80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 16:10:50.93
    梓「ちょ、ちょっと待ったです! 私だって、ムギ先輩に告白したいことがあります!」

    紬「ふぇっ!? あ、梓ちゃんもなの!?」

    梓「は、はいっ!」///

    唯(……ふと思ったんだけど、コレってなんだか、どうやって告白するか、って話じゃなくなってない……?
      澪ちゃんもりっちゃんも顔が真っ赤だし……そもそもさっきから告白に割り込んで告白してるのって、もう既にもしも告白するのならじゃなくなってるよね?)

    唯「…………」

    唯(……まぁ楽しいから止めなくていっか!)

    81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 16:12:20.52
    梓「わ、私だって! ムギ先輩のこと……大好きなんです!」///

    紬「はわっ!?」///

    梓「えと、えと……それで……」///

    梓(あれ? 何を言えば良いんだろ……
      えっと確か、もしも告白するのなら、だから……私の場合の理想の男性は引っ張ってくれる人だから……
      あぁでも、ギャップがあった方が相手に可愛く見られるんだから……えっとえっと……!)

    梓「わ、私のこと! 抱きしめても良いんですよ!」

    唯澪律紬「「「「っ!」」」」

    梓「って違う! そうじゃなくてですね! えっと……えぇ~っと……!」

    唯(強気なあずにゃんだ……!)

    澪(なんて可愛い……!)

    律(上目遣いながらも強い眼差し……!)

    紬(これが……本当の梓ちゃん……最高だわっ!)

    83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 16:14:39.86
    梓「と、ともかく! その……わ、私と付き合ってくだしぁ!」

    唯澪律紬((((噛んだ……!))))

    梓「う、うへ~……噛んじゃいまし――」

    唯「あ、あずにゃんが可愛すぎる!」ガバッ!

    梓「ふにゃっ!」///

    澪「最高だ梓!」ダキッ!

    梓「み、澪先輩まで……!?」///

    紬「梓ちゃ~ん♪」ギュッ!

    梓「ちょっ、ムギ先輩まで……!? 苦しいです……! さすがに三人は苦しいですっ!」///

    律「……あずさ~♪」

    梓「ちょっ、律先輩一人冷静ですよね!? 流れに乗っただけですよね!? 止めてください!
      さすがに先輩三人に抱きつかれてるのは……って律先輩まで抱きついて来ないでください~……!」///

    86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 16:24:10.79
    ~~~帰り道~~~



    梓「はぁ……もう散々な目に遭いました……告白合戦の後もずっと揉みくちゃにされちゃいましたし……」

    律「ははっ、まぁ気にするなって。それだけ皆に愛されてるってことなんだからさ」

    梓「……っていうか、なんで律先輩が私の隣を歩いてるんですか?」

    律「ひどいっ! 唯の家で解散になったから一緒に帰ってるだけだろ!?」

    梓「ああ、いえ、ちょっと疲れているせいで言葉足らずでした。
      ……えっと……澪先輩と同じ方向のはずなのに、どうして私との別れ道を過ぎても、一緒の方向を歩いてるんですか?」

    律「どうして、って言われてもなぁ……やっぱり部長としては、後輩をちゃんと家に送り届けないとならないだろ?」

    梓「ならないだろも何も、私と律先輩は一つしか違いませんよ?
      それにもう年も越しましたし、変質者が出ることも無いでしょうに」

    律「なんだその超理論……たぶんもう陽も昇ってきてるからって言いたいんだろうけど……
      でもまぁ、そう言うなって。私が梓を送りたいんだから。それとも迷惑だったか?」

    梓「いえ……そういう訳ではないんですけど……」

    87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 16:25:32.03
    律(……ふむ……)

    律「…………」カコカコ

    梓「? どうしたんですか? おもむろにメールなんて打ちだして」

    律「いや、ちょっと家族に連絡しとこうかと思って。そろそろ帰るぞってな。
      梓はしとかなくて良いのか?」

    梓「はい。私の場合、昨日の段階で済ませておきましたから」

    律「そっか」パタン

    梓「…………」

    律「…………」

    梓「……何か話してくださいよ」

    律「えぇ~? 何かって、またアバウトな要望だなぁ……」

    梓「こういう時は、部長の律先輩が話題を振るべき時じゃないですか?」

    律「う~ん……ま、それもそっか……私も、梓に話したいことがあったし」

    梓「話したいことですか?」

    89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 16:33:54.09
    律「ちょっと、柄にも無く緊張しちゃってさ。思わず無言になっちまったよ」

    梓「本当、律先輩が緊張するとか、本当に柄にでも無いですね」

    律「言うなよ~。私だってそれなりに気にしてるんだぞ?
      こういう時に限って、いつもの私らしく振舞えないことがさ」

    梓「はぁ……」

    律「……ま、歩きながら聞いてくれたら良いんだけどさ……」

    梓「なんですか?」

    律「……今まで、ありがとな」

    梓「……へ?」

    90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 16:34:39.16
    律「おいおい、そんな意外そうな目を向けるなよ」

    梓「いえだって……あの律先輩が、いきなり私にお礼を言うものですから……」

    律「本当、失礼な後輩だなぁ……」

    梓「すいません……」

    律「でも、ソレが梓らしくて、だからこそウチには必要だったのかもな……」

    梓「……いきなりどうしたんですか? 律先輩。変なものでも食べました?」

    律「昨日はお前と一緒のものしか食べ取らんわいっ」

    梓「ひゃっ!」

    律「……ま、今年は――いや、もう去年か……ともかく、本当に楽しかったよ。梓のおかげでな」

    94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 17:02:30.07
    >>91 やっぱバレたか…
    >>92 サルってた…



    律「最初から梓が入ってくれてなかったらこんなことも思わなかったんだろうけど……梓がいないと、放課後ティータイムが成り立たないような気がするんだよな」

    梓「……そんなことないですよ。私がいなくても、皆さんは仲良く、良い曲を作れてました」

    律「でもソレは、梓が最初からウチに来てくれてなかったらだろ?
      お前が入ってくれて、二度文化祭でライブやって……まぁ一度目は失敗だったけど……それでも、練習とか諸々、梓がいないとさ……きっと、楽しくなかったよ。
      もっとも、さっきも言ったけど、最初から梓がウチに入ってなかったらこんなことは思わなかっただろうけどさ。
      梓の言うとおり、きっと四人で楽しくやってたかもな」

    梓「…………」

    律「でもそんな“もしもの話”が想像できないほど、想像しても違和感が残るほど、私たちにとって梓は大切な存在で、とっくに当たり前な存在になってるんだよ」

    95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 17:04:31.96
    律「……何度も考えた。
      もし梓が、私たちと同じ学年だったら。
      一緒に卒業できたら。
      一緒に受験勉強できたら。
      一緒の大学に行けたら。
      ……そんな“もしもの話”を、何度も何度も想像したし、考えた。
      ……でも……ダメなんだ」

    梓「ダメ、ですか?」

    律「そう、ダメなんだ。
      意味が無い、ってのも確かにあるけど、でもそれ以上に、私たちと梓が同じ学年だったら、きっと梓は、放課後ティータイムに入ってくれていない」

    梓「そんなことは……」

    律「あるんだなぁ、コレが。やっぱり梓は後輩じゃないと、私たちと一緒にはいてくれなかったんだよ。
      だってさ、結成したての私たちの演奏を聞いても、絶対に梓は納得してくれなかったと思う。
      もし納得してくれて、入部してくれていても……そこには、色々なわだかまりがあったと思う」

    梓「…………」

    律「今でこそ想像できないけど……これだけ仲良くなれて、大切な存在だからこそ考えられないけど、きっと、色々とおかしくなってたと思うんだ」

    梓「……律先輩って、妙なところで現実的ですね」

    梓「私自身もそう思うよ。
      じゃなかったら、同級生でも仲良くやれてる放課後ティータイムを想像できたはずだもんな」

    97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 17:06:44.04
    梓「でも……その話が一体なんなんですか? まさかその話をするのに緊張してたんですか?」

    律「まさか。そうじゃないよ。
      私が言いたいのはさ……梓に辛い思いをさせるのが決まってるのが、イヤだなって話だよ」

    梓「……辛い思い?」

    律「梓にとっての後輩もいない。なのに、バンドメンバーだけ先に卒業して、一人ぼっちにさてしまう……そんなの、もし私が梓の立場だったら、堪えられないと思う」

    梓「そんなずないですよ。律先輩なら大丈夫です」

    律「……私ってさ、案外澪のこと頼りにしてるんだよ。澪が隣にいないと、いつもみたいに張り切れないんだ。
      あいつがいるから、いつもの私がいる。
      裏切らないって分かってる幼馴染がいてくれるから、頑張れてる……」

    梓「…………」

    律「正直、周りには澪が私に頼りきってるように見えてるかもしれない。
      でも実際、私も澪に頼りきってるところが一杯ある。
      だから私たちは、ずっとずっと一緒にいれたんだよ
      だから、そんな私だから、きっと独りになったら……部活を辞めちゃうと思う」

    98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 17:09:30.96
    律「でも今は……澪だけじゃない。私が頼りにしてる人の中には、梓もいる」

    梓「私、ですか……?」

    律「そう。それと、唯とムギ。放課後ティータイムの皆。
      皆がいてくれるから、私は皆の前に立てる。部長としていられる。……そんな気がするんだ。
      だからさ……梓。
      私にとって軽音部は――放課後ティータイムが作られたこの場所は、大切な皆と出会えた、大切な場所なんだ」

    梓「はい……」

    律「……私は、酷いな……」

    梓「え?」

    律「だって梓に辛い思いをさせてしまうと話しておきながら、次の部長を梓に頼もうとしてるんだもんな。
      私なら堪えられない、って話してるのに、ソレを梓にさせようとしてるんだもんな」

    101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 17:35:53.48
    律「私にとっての大切な場所を守り続けて欲しい、だなんていう、私自身のエゴの塊を押し付けようとして……
      梓が一人になって辛いだろうって分かってるのに、そんな責任を押し付けようとして……
      本当、酷いヤツだよ、私は」

    梓「……そんなことありませんよ」

    律「ははっ、気休めでも、そう言ってくれると気が楽になるよ」

    梓「気休めじゃありません。律先輩は、酷くありません」

    律「どうだろうなぁ……なんせ私、梓に色々と残さないとって考えたら、残せるものは責任なんていうイヤなものしか思いつかない人だよ……?
      それ以外のもので何か、って考えた時、次に思いついたのは現実的な物品で、
      その次は……面倒くさくなって、梓が入ってきてなかったらどうなってたんだろうっていう、“もしもの話”を想像して……」

    梓「……でも、律先輩言ってたじゃないですか。
      そうやって私が入ってなかったらどうなってたんだろうって思っても……“もしもの話”を考えても、私がいない場合のことはもう、考えられないって」

    律「だから、最初から入ってこようとしてなくて、四人でならどうなってただろうって考えたんだよ」

    梓「嘘ですね」

    律「嘘じゃない」

    梓「嘘です。どうして律先輩は、そんなに自分を卑下するんですか……?」

    102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 17:37:33.02
    梓「だって律先輩、さっき私に『最初から入ってなかったらこんなことも思わなかった』って言ってたじゃないですか。
      それってつまり、そうやって私と出会う前にまで想像を働かせないと、私のいない軽音部を想像できないってことですよね?
      それだけ、私のことを認めてくれているってことですよね?」

    律「…………」

    梓「……嬉しいです、律先輩」

    律「……嬉しい?」

    梓「はい。だってそれだけ、私のことを――私がいないことを考えれないほど、私のことを大切に想ってくれているってことですから。
      放課後ティータイムにとって私が必要だって、言ってくれてるってことですから」

    律「…………」

    梓「自分を卑下して、私に嫌われて……そうしたら私と別れる時、私の気持ちが少しでも楽になるだろうとでも思いました?
      でもソレ、この話を始めた時に、ふと思ったことですよね?
      だからそんな支離滅裂なことになっちゃうんです。
      ……まぁ、そういう向こう見ずで、思ったことをすぐ実行に移そうとするところ、律先輩らしいですけどね」

    律「……そんな、大層なもんじゃないよ」

    梓「そうかもしれません。でも私は、そう思います。
      そして私は、そんな律先輩が、大好きなんです」

    103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 17:39:21.62
    梓「大好きだから、部長の座も、軽音部も、放課後ティータイムも、守り続けたいんです。
      律先輩に押し付けられたから、とかじゃなくて、私自身の意思で。
      律先輩に頼られて嬉しいのも含めて、私自身の意志で」

    律「…………」

    梓「確かに、先輩達と別れるのは辛いです。悲しいです。きっと泣きます。
      ……でも、それまでは、泣かないようにします。泣かないと決めたんです。
      ある人のおかげで、ある人に支えてもらえてるから、泣かないと決めて、頑張って立っていられます。
      だから……私は、先輩達に迷惑をかけたり、心配かけたりするつもりが、ないんです。
      先輩たちがのびのびと、私に気を遣うことなく卒業できるまで、頑張りたいんです」

    律「…………」

    梓「だから、私のことなんて、気にしなくて良いんです」

    律「……気にするに決まってるだろ。大切な後輩なんだから」

    梓「ふふっ、ありがとうございます。
      でも、それで私に気を取られて卒業を逃したり、大学に行きそびれたりしないでくださいよ?
      私の頑張りが――律先輩の大切な後輩の気遣いが、無駄になりますからね」

    律「ああ……分かってるよ」

    104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 17:40:03.01
    律「……っと、もう家の前だな」

    梓「はい。今日は送っていただき、ありがとうございました」

    律「良いって良いって。梓と二人きりでお話できたしな~」

    梓「……もしかして、二人きりでのお話は、これで最後かもしれませんね」

    律「……いつだって会えるだろ? 同じ高校だし。またこうやって話すことも出来るさ」

    梓「……まぁ、そういうことにしておきます」

    律「しておきますってなんだよ」

    梓「いえいえ。では律先輩、今年もよろしくお願いしますね」

    律「ああ」

    105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 17:40:54.02
    律「っと、そうだ梓」

    梓「はい?」

    ダキ

    梓「ふにゃっ!? 律先輩!?」

    律「……ありがとな」

    梓「……いえ。こちらこそ、ありがとうございます」

    律「……軽音部、頼んじゃうけど」

    梓「どんと頼んでください。田井中部長」

    律「……なんかソレ、くすぐったいな」

    梓「じゃあ……任せてください律部長、で」

    律「ああ……任せるよ、梓」

    梓「はい……」

    106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 17:41:54.68
    律「ああ~……危ない危ない……危うく泣きかけたって。
      ……ムギや澪みたいに、梓の前で泣くのはさすがになぁ……」

    律(でも……言いたいことは言えた、かな……?)

    律「それに……皆から梓に送るものも、決まったし」

    律(そうだよな……そのために、さっきメールで、皆に集合してもらうよう頼んだわけだし……)

    律「さってと……! 今年はこれから忙しいぞ……!」

    律(梓との約束もあるから、これからもちゃんと勉強して、皆と同じ大学に行って……
      そんでもって、梓に送るための歌詞と曲を皆で考えて……)

    律「……ま、細部は余裕のある澪とムギに任せっきりになっちゃうのが、部長としてはダメな部分かもな……」

    律(でも……ギリギリまでは、私も手伝おう。それが、皆で梓に送れるものだからな……)

    109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/20(月) 18:03:34.59
    律「……にしても、泣きそうなのを堪えてると……独り言が多くなるな……」

    律(…………)

    律「…………」

    律(……今だったら誰もいないし、泣いても誰も見てない、か……)

    律「……いや、ダメか。今泣いたら、皆と集合した時に心配されちゃうもんな」

    律(軽音部の部長として、ソレだけは避けないとな……まだ軽音部の部長をしてる、私の意地だ。
      ……この提案を皆の前でして、話し合って、解散するまで……泣かない)

    律「さぁって……今年最初の大きな頑張りだ。
      ……田井中律……後輩のために、部長として、頑張っていこうか……!」



    終わり

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梓「はぁ・・・最上級生か……」
和「私もムギを抱きしめたりしたいわ」
梓「お!」
  1. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/12/21(火) 22:51:29 URL [ 編集 ]
    いい話だとは思うけど、もっとはっきりした締め方がよかったな
  2. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/12/21(火) 23:21:58 URL [ 編集 ]
    律がモテモテな話かと思ったら…あのシリーズの人か
  3. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/12/22(水) 01:27:27 URL [ 編集 ]
    君達にとってはあすの出来事だ
  4. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/12/22(水) 13:26:41 URL [ 編集 ]
    なんで真面目路線になったし
  5. 名前: けいおん!中毒 ◆- 2010/12/22(水) 19:02:17 URL [ 編集 ]
    律っちゃんマジイケメン

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